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魔術学院の最下位だった俺に、世界が気づくまで  作者: じゃむ


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第12話 隔離措置(1)

本作は「魔術が当たり前の世界」で、ただ一人そこから外れた少年の物語です。

静かに歪み始める学院の日常と、気づいてはいけなかった違和感をお楽しみください。


通達は、丁寧な言葉で書かれていた。


【安全確保のため】

当面の間、特定生徒の行動範囲を制限する。

これは懲罰ではなく、保護措置である。


掲示板の前で、

生徒たちが足を止める。


名前は伏せられている。

だが、誰のことかは分かっていた。


俺は、後方の壁に背を預け、

人の流れを眺めていた。


――隔離。


そう書かれていなくても、

意味は同じだ。


教師に呼ばれ、

短い説明を受ける。


「移動は指定経路のみ」

「演習への参加は停止」

「生活区域は限定」


声は落ち着いている。

表情も穏やかだ。


だが、その穏やかさは、

決定がすでに終わっていることを示していた。


「安全のためだ」


そう言われて、

否定できる者はいない。


俺は頷いた。


拒めば、

“危険性”が強調される。


受け入れれば、

“正当性”が補強される。


選択肢は、

最初から一つしかなかった。

ここまでお読みいただきありがとうございます。

善意や好奇心が、必ずしも優しさにならない世界を描いています。

続きもゆっくりと深まっていきますので、お付き合いいただければ幸いです。

第12話 隔離措置(2)へ続く

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