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魔術学院の最下位だった俺に、世界が気づくまで  作者: じゃむ


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第7話 個別観察対象(2)

本作は「魔術が当たり前の世界」で、ただ一人そこから外れた少年の物語です。

静かに歪み始める学院の日常と、気づいてはいけなかった違和感をお楽しみください。


演習場の後方、

立ち入り線の向こう側。


俺の立ち位置は、そこに固定された。


魔術が交差するたび、

空気が揺れる。


だが、以前のような不安定さはない。


――安定している。


それが、問題だった。


「……やっぱり」


教師の誰かが、小さく呟く。


俺は、何もしていない。

見ているだけだ。


それなのに、

数値は落ち着き、

事故は起きない。


見学という名の配置が、

結果を生んでしまっている。


視線が、集まる。


その中に、

探している目があった。


リリア・フェルノア。


一年生の列の端で、

彼女は何度もこちらを見ては、視線を逸らしていた。


近づいてこない。

話しかけてもこない。


――距離を、取らされている。


それが、はっきり分かった。


演習が終わり、

生徒たちが散っていく。


俺が一人で歩き出すと、

背後から小さな足音が追ってきた。


「……先輩」


振り返ると、リリアが立っていた。


だが、

以前のような距離ではない。


一歩、遠い。

ここまでお読みいただきありがとうございます。

善意や好奇心が、必ずしも優しさにならない世界を描いています。

続きもゆっくりと深まっていきますので、お付き合いいただければ幸いです。

第7話 個別観察対象(3)へ続く

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