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魔術学院の最下位だった俺に、世界が気づくまで  作者: じゃむ


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第7話 個別観察対象(1)

本作は「魔術が当たり前の世界」で、ただ一人そこから外れた少年の物語です。

静かに歪み始める学院の日常と、気づいてはいけなかった違和感をお楽しみください。


それは、通達というよりも決定事項だった。


朝の点呼が終わった直後、教師が一枚の紙を掲げる。


「ゼル・オルディア。

 本日より、行動規定が一部変更される」


教室の空気が、ぴたりと止まる。


「演習は後方見学。

 自由行動時は指定区域内のみ。

 移動は原則として単独」


誰もが、それをどう受け取るべきか分かっていた。


――隔離。


言葉にしないだけで、意味は明白だ。


俺は頷いた。

反論しなかった。


反論すれば、

「理由」を求められる。


理由を語れば、

観測は深まる。


だから、受け入れる。


最下位でいるために選んできた態度が、

皮肉にも、ここで役に立った。


「以上だ。各自、通常通り行動せよ」


教師の声で、教室が再び動き出す。

だが、視線の向きだけは変わらなかった。


――見る目だ。


以前の嘲笑や無関心ではない。

測る目。

判断する目。


個別観察対象。


それは、

「特別扱い」ではない。

「同列ではない」という宣言だ。


ここまでお読みいただきありがとうございます。

善意や好奇心が、必ずしも優しさにならない世界を描いています。

続きもゆっくりと深まっていきますので、お付き合いいただければ幸いです。

第7話 個別観察対象(2)へ続く

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