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魔術学院の最下位だった俺に、世界が気づくまで  作者: じゃむ


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第5話 「観測される違和感」(2)

本作は「魔術が当たり前の世界」で、ただ一人そこから外れた少年の物語です。

静かに歪み始める学院の日常と、気づいてはいけなかった違和感をお楽しみください。


午後の演習室。

天井近くに、淡く光る水晶が設置されていた。


魔力観測用の装置だ。


「今日は追加で測定を行う」


教師の言葉に、ざわめきが走る。

新入生たちは少し緊張した様子で、水晶を見上げている。


測定は、順番に行われた。


魔力総量。

属性傾向。

発動安定度。


数値が表示されるたび、教師が頷く。


――正常。


そして、

俺の番が来た。


「……ゼル・オルディア」


一瞬、空気が止まる。


水晶が、俺を“見た”。


いや――

見ようとした。


次の瞬間、

光が乱れた。


数値が表示されない。

代わりに、水晶表面に細かなノイズが走る。


「……再測定」


教師が声を低くする。


再び、測る。


結果は同じ。


魔力は、無。

だが――

周囲の数値が、わずかに安定している。


「記録は?」


「……取れません」


教室に、ざわめきが広がる。


俺は、何もしていない。

ただ、そこに立っているだけだ。

ここまでお読みいただきありがとうございます。

善意や好奇心が、必ずしも優しさにならない世界を描いています。

続きもゆっくりと深まっていきますので、お付き合いいただければ幸いです。

第5話 「観測される違和感」(3)へ続く

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