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魔術学院の最下位だった俺に、世界が気づくまで  作者: じゃむ


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第5話 「観測される違和感」(1)

本作は「魔術が当たり前の世界」で、ただ一人そこから外れた少年の物語です。

静かに歪み始める学院の日常と、気づいてはいけなかった違和感をお楽しみください。


翌日から、学院の空気ははっきりと変わった。


結界の更新が増えた。

演習前の点検が長くなった。

教師たちの視線が、数ではなく“角度”を変え始めている。


――探している。


原因不明の不安定。

説明のつかない静止。

偶然と呼ぶには、重なりすぎた現象。


俺は、なるべく人の少ない通路を選んで移動した。

新入生の少女の姿を見かけるたび、距離を取る。


善意は、連鎖する。

連鎖は、観測を呼ぶ。


廊下の掲示板に、新しい通達が貼られていた。


【注意】

近期の魔術不安定事象を受け、

全生徒は演習前後の状態確認を必須とする。


形式ばった文章。

だが、行間は明白だ。


――測る。


測って、分類して、

原因に名前をつける。


それが魔術学院のやり方だ。

ここまでお読みいただきありがとうございます。

善意や好奇心が、必ずしも優しさにならない世界を描いています。

続きもゆっくりと深まっていきますので、お付き合いいただければ幸いです。

第5話 「観測される違和感」(2)へ続く

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