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魔術学院の最下位だった俺に、世界が気づくまで  作者: じゃむ


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第37話 捕獲(2)

本作は「魔術が当たり前の世界」で、ただ一人そこから外れた少年の物語です。

静かに歪み始める学院の日常と、気づいてはいけなかった違和感をお楽しみください。


移送は行われない。

歩く。

それだけだ。


だが一歩ごとに、周囲の選択肢が減っていくのが分かる。

道は一本に収束し、

遠回りは“意味を失う”。


「逃げなかったな」


ハルバートが言う。

責める調子ではない。


「逃げ切れないからな」


「違う」


追跡官は否定した。

「お前は、救った。

 だから捕獲された」


救済が、位置を固定する。

皮肉だが、真実だった。


配置地点は、まだ明かされない。

だが条件は分かる。


人口が多い。

事故が起きやすい。

影響範囲を最大化できる。


つまり――

離れられない場所。


「そこに置けば、

 世界は安定する」


ハルバートの声は、確信に満ちている。


安定。

それは、基準(ゼロコード)の自由と引き換えに

得られるものだった。

ここまでお読みいただきありがとうございます。

善意や好奇心が、必ずしも優しさにならない世界を描いています。

続きもゆっくりと深まっていきますので、お付き合いいただければ幸いです。

第37話 捕獲(3)へ続く。

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