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3話(3)【室町和風ファンタジー / あらすじ動画あり】

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■お忙しい方のためのあらすじ動画はこちら↓

https://youtu.be/JhmJvv-Z5jI


■他、作品のあらすじ動画

『【和風ファンタジー小説 あらすじ】帝都浅草探しモノ屋~浅草あきんど、妖怪でもなんでも探します~』


-ショート(1分)

https://youtu.be/AE5HQr2mx94

-完全版(3分)

https://youtu.be/dJ6__uR1REU

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〈ストーリー〉

■■室町、花の都で世阿弥が舞いで怪異を鎮める室町歴史和風ファンタジー■■

■■ブロマンス風、男男女の三人コンビ■■



室町時代、申楽――後の能楽――の役者の子として生まれた鬼夜叉おにやしゃ


ある日、美しい鬼の少女との出会いをきっかけにして、

鬼夜叉は自分の舞いには荒ぶった魂を鎮める力があることを知る。


時は流れ、鬼夜叉たち一座は新熊野神社で申楽を演じる機会を得る。

一座とともに都に渡った鬼夜叉は、

そこで室町幕府三代将軍 足利あしかが義満 (よしみつ)と出会う。


一座のため、申楽のため、義満についた怨霊を調査することになった鬼夜叉。


これは後に能楽の大成者と呼ばれた世阿弥と、彼の支援者である義満、

そして物語に書かれた美しい鬼「花鬼」たちの物語。



鬼夜叉は衣冠いかん姿をしたその男を見て、思わず息を飲んだ。

足利幕府三代目将軍、足利あしかが義満よしみつ


齢十八。武門の最高権力者である若き将軍は、まるで公家とみがおうばかりの優美な姿をしていた。

紅地の単に唐草紋の黒袍。手には笏を持ち、飾り太刀を佩いている。

面立ちは凜々しいながらも、わずかに少年っぽさが残り、それが華となっていた。


「あの人が、大樹たいじゅ様……」

大樹というのは、中国の故事からとってつけられた将軍の別称のことだ。


しかし義満の姿は、将軍というより古の物語に出てくる雅やかな貴公子にしか見えない。

ましてや、家臣をして「尊氏たかうじの再来」とも称されたほどの剛毅な人物だとは、どうしても信じられなかった。


直情径行で知られた足利尊氏は、義満の祖父にあたる。

鎌倉幕府の有力御家人であった尊氏は、執権北条氏の専制政治に不満をもち挙兵、北条氏を滅ぼし、鎌倉幕府を滅亡させた。


その後、光明天皇をたて足利幕府を京に開いた尊氏であったが、先の戦の際に吉野に逃れていた後醍醐天皇が自らの皇位の正統性を主張。これにより「京都の北朝」、「吉野の南朝」という二つの統が対立。諸国の大名たちも二派に分かれ、各地で争いが繰り返された。


──南北朝の争乱。

この日本を真っ二つにした未曾有の内乱は、以後、約六十年間続くこととなる。


そして、現在。義満が三代目将軍になる頃には、有力大名の帰順や投降で南朝は徐々に弱体化。京の町には、久方ぶりの平和が戻ってこようとしていた。


「ちょっと、ちょっと! 将軍って言うから、どんなむさ苦しいおっさんかと思いきや、とんでもなくいい男じゃない!」

セイが興奮したように、鬼夜叉の肩を揺らした。


「う、うん、そうだね……光源氏が実際にいたら、あんな感じかも……」


そう思うと、心なしか、義満からはまばゆいばかり光が発せられているように見えてくるから不思議だ。

それを言うとセイは、


「何言ってるの、あれは〝気〟よ!」

と、義満を指さした。

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