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1ー32 宣戦布告


 リーナが会場から降りるのが見えた。


「あんた、待ってたのね」

「当たり前だろ? お前の彼氏なんだし。それより一回戦突破おめでとう」

「……おめでと」


 オレとアリアは素直にリーナの勝利を喜ぶ。

 でもリーナはそんなオレたちを見て少し目を細める。


「あんたら、いつも仲良いね。え、ノア。まさか私という絶世の美女を彼女に持ちながら浮気?」

「ちげぇよ。オレとアリアは観客席でたまたま会ったんだよ」

「……え……」


 アリアは少しショックを受けたように反応する。アリアさん、その反応はダメでしょ。


「へぇぇぇぇ。たまたまねぇぇ」

「……なんだよ」

「ま、あんたらがくっついてようと何だろうと今は予選に集中しなくちゃね」

「……お前、まさか浮気をこうに――――」


 ここでしっかりリーナは睨みつけてくる。

 あと、アリアも引き気味のご様子。


「すみませんでした」

「……はぁ。全く、そういうのはせめて予選終わってからにしてよね。集中できないから」

「……はぁ」


 ……?

 なんで集中できないんだろ?


 リーナが唐突に聞いてくる。


「それで、私の戦いはどうだった?」

「凄かったよ。正直、オレの想像より遥かに上を行ってた。

「本当に?」

「嘘言ってどうすんだよ」

「でも、私はあれで本気じゃないよ」


 リーナは宣戦布告する。


「準決勝、ここで私はあんたを超える。それまで私とあんたは恋人じゃなくライバル同士。せいぜい吠え面吐く準備でもしてなさい」

「わかった。でも、これだけ言っておく。お前はまだオレを超えられない」


 リーナは不意に笑う。


「六月三日、それまで私は寮に戻らない。だから、あんたも全力でかかってきなさい」

「……わかった」


 そう言ってリーナはここから立ち去った。


 あいつ、そこまでオレに勝ちたいのか。だったらオレもリーナに答えるしかないな。


「ったく、あいつは本当に真剣なんだな」


 オレは腰に手を置いてあいつの背中を見ていた。

 この時、アリアさんがオレを見ていることに気づかずに。


 ※※※※※


 オレはアリアと一緒にルークのもとに足を運んだ。

 あいつは確か、第四試合だったよな。


 ここでエミリーが合流する。


「よ、補習は終わっーーーー」


 合流するや否や早速首を腕一本で絡めて無理やりアリアとの距離を空ける。


「ちょっとちょっと、何してんすか、ノア君。浮気ですか、そうなんですか?」

「ちげえよ。オレとアリアはリーナの応援ついでに一緒に来たんだよ。それより離せよ」


 妹に胸を押し付けられてもむかつくんだよ。


 エミリーはオレのイラついた顔を見たのかすぐにオレを解放した。そしてオレたちは三人でルークのもとに向かうことになった。


「あ、ごめんごめん」

「……ったく、お前もルークの応援だろ」

「そそう。でも、意外だな。ノアってルークのことあんま好きじゃないでしょ」

「……オレは敵情視察だよ。あいつが勝ち上がったらオレと当たるのは決勝だからな」

「ふーん……」


 なんだよ、その目。

 本当のこと言っただけじゃないか。

 それにこの視察はルークが奴では無いと確信できるチャンスだからな。しっかり見ないと。


 この時、ある教室より異様な魔力の流れを感知したり

 なんだこれ。


「……ごめん。先行っててくれ」

「なぁーに? トイレ?」

「急に腹が痛くなったんだよ、そのぐらい察しろよ」

「はいはい。わかりましたよ。じゃあ、先に言っとくね」


 アリアとエミリーは先にルークのもとに向かう。

 オレはすぐに異様な気配に向かった。


「お前のやること、わかってるよな」

「ああ。私の役目は奴の妨害だ」

「そうだ。お前がこれに失敗した時、全ての作戦が崩れる」

「わかっている。私の変装魔術は――――」

「なにがわかったんだ?」


 オレはその教室から漂う異様な魔力の流れを見て奴らがいた。


 奴らは振り向く。


 おい、嘘だろ。

 どうなってんだ。ここは私立タレミア魔術学園の学園の敷地だぞ。学園長の分厚い結界が施してるんだぞ。


 蘇る記憶。


 奴らは頭から伸びる角に顔面を溶かしたかのようなまるで頭蓋骨に似た顔面をしており、奴らは制服を突き破って二枚の翼が生えていた。


 オレはこいつらを知っている。


 奴らは魔族だ。

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