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1ー21 対チームタウ②


 ※※※※※


 新星歴二九九八年五月十六日


「それでお前に策はあるのか、ノア」


 握手をかわした後、フェルトがオレに言い出す。


「策?」

「ああ、お前にはそれがあるんだろ? だから、僕と共闘しようとしたんじゃないのか?」

「え、無いけど」


 フェルトは少し驚いた表情を見せる。


「オレは団体戦なんかしたことないからな。連携だとかよくわかんね。でも、お前にはその策とやらがあるんだろ? オレはお前に従うよ」


 恥ずかしいから言わなかったけど、お前らもまた前回と同じような勝ち方をしたら成長できないだろ? と思いながらオレは医務室を出ようとする。

 すると、フェルトが最後に言った。


「ノア、オレの指示でお前には前線に出てもらう。危険なら炎の魔術、大丈夫なら雷の魔術を出すから、とことん暴れてくれ」


 オレはその言葉ににやりと笑う。


「了解」


 ※※※※※


 飛んできた剣術をオレは人差し指で軽く止める。


「……!!」

「なに驚いてんだよ。このぐらい、序の口だろ」


 オレは光の剣術“【斬撃】三日月”を飛ばした。

 彼女はそれを後ろに引いてその斬撃を避ける。


『おーっと、これはどういうことなのでしょうか』

『光の剣術……ですか……』


 センリ先生は興味深く話す。


『魔術に炎、水、地、風、光、闇、と大きく系統に分けられると同様、魔術がまだ主流ではない時代には「六大武術」というこの系統にちなんだ武術が存在します。魔術師でも地の格闘術を使う人はかなりいますが、光の剣術はごく稀。有名な人でいうと元五大魔術師(クインテット)第四位のフレイ・ハズラークさんぐらいだと思います』


 オレは問う。


「ルナさん、どこでその武術を知ったんだ?」

「何って、ノア・ライトマンくん。サレムーン家を知らない?」


 サレムーン家?


「ザノア帝国男爵、サレムーン家は確かに弱小貴族だけどでも、ある貴族の下につくことで急激に強くなった」


 それって……。


「ハズラーク家のもとでぼくはこの剣術を習ったんだ。暦で言うならぼくのほうが長いかな? 当然、君のことは知ってるさ……!!」


 光の剣術“【斬撃】三日月”がオレに襲い掛かる。

 オレはそれを難なく弾く。


 すると、真正面からルナさんが突っ込んできた。


「光の剣術“【帯刀】閃光斬”」


 おいおい、まじかよ。

 ここで網目に刻む斬撃を出してくんなよ。


「“斬撃”」


 オレは光の剣術“【斬撃】三日月”でそれをまた防ぐ。

 “斬撃”と言ったのは単にこれが光の剣術だとバレないようにするため。


 彼女の斬撃はまだ続く。


 光の剣術“【帯刀】閃光斬”を防がれるの予見していたのかすぐに体勢を変える。


「光の剣術“【宝刀】煌めき”――――!!」


 その魔術を宿した手刀がオレの首に向かう。


 ここで実力差を見せてやろう。

 オレはその《陣風の嘶き(ハリ・ブレード)》を掴んでそのまま破壊した。


「……!」

「はい、残念」


 オレは彼女の腹に少しだけ光の剣術“【斬撃】三日月”で傷をつける。


 ルナさんは一旦オレとの距離を取る。


「ノア・ライトマンくん」

「なんだよ」

「女の子を傷つけちゃダメなんだよ?」

「少しかすっただけだと思うけど」


 ルナさんは少し微笑む。


「でも、流石だよ。そりゃフレイさんも君を推すわけだ。このままだと君に勝てる気がしないな」


 おっと、これは……。


「だから、ぼくは天性魔術を使うことにするよ」

「いいぜ、かかってこい」


 ルナさんは詠唱を唱える。


「夜に潜みし暗鈍の月よ、その闇を我は宿す。

 苛まれる生命。失った希望。

 その全てをこの我に集約する。

 さて、始めようか。闇よりも辛い地獄を。

 天性魔術《深淵の真月(サレムーン)》」


 彼女から湧き出るそれはもはや暗闇そのもの。

 いくら強いと過信しているオレでもわかる。

 この状態のルナさんはまさに最強そのもの。

 さて、どうこうりゃ――――。


 時すでに遅し。彼女は既にオレの間合いを超えて腹を殴っていた。


「地の格闘術“【剛拳】貫き”」


 オレはそびえ立つ木々を次々に壊し数百本先にある距離まで吹っ飛ばされた。


 マジかよ。

 こいつ、オレをぶっ飛ばしやがった。


 オレは自分の身体能力は誰よりも強いと思っている。

 現に身体強化の魔術込みの体術を顔面で受け止めるぐらいには強いはずだ。


 吐血。

 まさか、こんな馬鹿みたいな力を出せる魔術があったなんてな。


 オレはすぐに起き上がる。


「認めるよ、ノア・ライトマンくん。君に剣術で勝てない事を。でも、この魔術を使ってまで勝ちたいんだ。だから、君には全力を以て負けてもらうよ」

「へぇぇ。そんなんでオレが負けるとでも?」

「負けるよ。今のぼくはぼく史上最も強いからね」


 だったら、少しだけ本気出すか。


「さあ、始めようか。第二ラウンドと行こう」

「ええ。ぼくも全力でこの戦いに勝利する。行くよ」


 両者ともにチームのエース。


『果たして、軍配をあげるのどちらでしょうか!! エース対決大一番、首席、レミリス三大貴族ライトマン家次男のノア・ライトマン選手か、はたまた入試五位のザノアの香車サレムーン家のルナ・サレムーンか!!』


 この勝敗でチームの命運が決まる。

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