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1ー16 対チームシグマ①


 新星歴二九九八年五月十五日


 『星極の術魔祭』一年生予選。

 総勢百名が参加するこの大会で一次予選である「五対五の団体戦」のランダムチームが決まった。


 リーナは第一ブロック チームべータ。

 ルークは第三ブロック チームラムダ。

 そして、オレは第五ブロック チームユプシロン。


 この大会はエントリー制なのでアリアは参加せず、エミリーは成績不振で参加できず、大会の合間に泣く泣く補習授業を受けることになった。


 チームユプシロンは今日、チームシグマと対戦する。

 オレは会場に一緒に行ったリーナとルークと別れてチームとなった生徒のもとに向かう。


「こっちこっち!」


 手を振られてオレはそこに向かう。


「君、ノア・ライトマン君だよね?」

「そう、だけど」

「よかった……。私はレノン・サルヴァトール。同じチームユプシロンだよ」


 彼女は黒髪のショートで眼鏡を掛けていて、少し引き気味な感じの少女だった。


「よろしく!」


 少し明るく振舞おうと笑顔で爽やかに接してみた。

 けど、嫌な顔された。

 やっぱ、笑顔を作るのは苦手らしい。


 レノンの他に三人の生徒がいた。


「この人たちは?」

「この人たちも私たちと同じ、チームユプシロンだよ」


 なにやらオレにすごく嫌悪のある視線を送ってくる。


「なんでオレ睨まれてんの?」

「わかんない。なんかしたの?」

「初対面なんだけど」


 左からオレに声をかけてくる。


「僕はフェルト・ラヴン。この魔術大国のラヴン公爵と聞いたらわかるかな?」

「知らね」


 フェルトは胸ぐらを掴んできた。


「その手、離せよ」

「この魔術大国を支えてきた名門貴族だぞ……!! それをお前は知らないというのか……!!」

「知らねえよ、この国の事情なんか。オレは強くなるためにこの学園に来ただけだ」


 舌打ちして掴んだ手を離す。


「僕達はお前とは別行動をとる。いくら首席だろうとお前の力は借りない」

「勝手にしろ」


 フェルトは二人を連れて会場に向かう。


「サルヴァトール……!! お前もこっちに来い……!!」

「……わかった」


 レノンもまた彼らについていった。

 おいおい。団体戦だろ?

 こんなんで大丈夫か?


 オレも彼らの後ろを歩いて会場に向かった。


 ※※※※※


『さあ、始まりした!! 一年生大会第五ブロック第一試合!! 第一ブロック第一試合はリーナ・ラカゼット選手が切り札の高位魔術で逆転!! チームベータが勝利を収めました!!

 続く一年生予選第二試合、第五ブロックの対戦です!!

 対戦カードはチームシグマ対チームユプシロン。

 果たしてどんな試合になるのでしょうか……!!

 実況はわたくし、開会式でも司会を担当した二年のジュリー・ローズが担当します!! 解説には一年Aクラス担任のセンリ・アーヴァイン先生に来てもらいました!!

 センリ先生! よろしくお願いします!!』

『よろしくお願いします』


 ここは第二実技場。いつも『決闘』が行われている所と同じ場所の一つだ。

 ただ予選はまた違う。観客も大勢いる。

 生徒はもちろん、大貴族の重鎮らしき人物もそこにいた。


『では、試合開始と行きましょう!! 試合開始(ビギニングマッチ)……!!』


 その合図と共に結界魔術が展開された。

 黒く閉ざされた会場から一気に広がる草原。これは……。


『今回のステージは「疾走する草原」となります!!』


 結果魔術《疾走する草原》。

 広大な草原で緑が溢れる心地良い天候とは裏腹に強烈な風が毎度のように襲い来るなんともいやらしい魔術。


 ここでオレらは戦うことになり、その様子をこの会場に埋め込まれた高位魔術《大画面(モニター)》で観客たちは見ることになる。


「ノア・ライトマン」

「……なんだ?」

「お前はここでじっとしておけ。僕たちでチームシグマを潰す」

「好きにしろ」


 襲い来る強風の中オレ以外のチームユプシロンは前進した。


 さて、オレはこの旗でも守っとこうかな。

 オレは一本ポツンと立つ旗であいつらの帰りを待つことにした。


 遠くから見える魔術の攻防。

 炎なり雷なり地面が突き上がったりと、魔術は様々だがかなり激しい戦闘だ。


 さてと――――


「大人しくしてもらおうか」


 背後から旗を狙って炎系の魔術が飛んでくる。


 それをオレは手の甲で瞬時に消す。


「なっ……!!」

「残念だったな!」


 オレは旗を狙った選手に一瞬で間合いに入り、蹴った。


「がはっ……!!」


 一撃で選手を仕留めた。

 だが、オレはここで気づく。


 旗を狙って複数の雷系の魔術が来た。


「くそっ……!」


 オレはすぐに駆け付け、咄嗟に殴って消した。


 そして、オレはここでとんでもない光景を見る。

 一、二、三……四人いる……!!


 ちょっと待て。まさか……。

 あいつら全滅したんじゃないだろうな!!


 オレはこの時はまだ舐めていた。

 まさかこんなに苦戦を強いられるとは思いもしなかった。

星★★★★★、レビュー、感想、ブックマークのほど、よろしくお願いします!!


1つでも多くの評価ポイントがあるだけで作者は泣いて大喜びします!!

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