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1-12 タレミシア魔術大国④


 ケルベロスが宙に舞う。


「まあ、そう来るだろうな」


 高位魔術《豪炎の咆哮(マキシマムフレイム)》が三つの口から放たれる。

 空中を放り出されても尚、仕掛けてくるなんて。


 止めておけよ。

 空中にいるお前はもぬけの殻だぞ。


「光の剣術“【秘剣】魔術返し”」

「ガラララララララララ……!!」


 オレは奴の魔術を跳ね返して奴は余計なダメージを負う。


 ケルベロスが宙から落下した。

 轟音が王都全体に鳴り響き、煙幕が奴を覆う。


 ここで現地の魔術師が到着した。


「おい、そこの君! そこは危ないから逃げなさい!」

「お前らこそ早く逃げろ。巻き込まれるぞ」


 すると、煙幕からケルベロスが飛び出してきた。

 奴の前足がオレの顔に来る。

 オレは奴を見ずに左手でガードする。


「オレはこいつを討伐する。早く他の国民を避難誘導しろ」


 奴は真っ向から前の両足で何度も攻撃を仕掛けてくる。

 オレはその攻撃を左手で受け流していく。


 魔術で歯が立たないから近接戦闘に持ち込んだか……。

 なるほど。

 愚策だな。


「光の剣術“【斬撃】三日月”」


 奴の連撃を受け流しつつ右手で斬撃を飛ばし、真ん中の頭の両目を切った。


「ガラララララララ……!」


 奴は後ずさりながら首を振って悲鳴を上げる。


 悲鳴を上げても容赦はしない。 

 すかさず奴の真ん中の首を蹴り、奴は建物にぶつかる。


 奴がビクビクと痙攣しながらもほぼ動かなくなった。


「これで終わりだ」


 オレは奴を蹴り上げ、再び宙に上げる。

 そして、奴を追いかけるようにオレも跳んだ。


 そして――――


「光の剣術“【宝刀】煌めき”……!!」


 オレはケルベロスの首を三つ纏めて斬りおとした。


 魔物は生命活動を終了すると死体を残ることなく黒い煙幕になり魔晶石だけ残して消える。

 奴も同様に、魔晶石を残して散った。


 ケルベロス討伐完了。


 オレは地に足が着いた。


「さて、あのお姫様を向かいに行くか」


 売れば値が付く魔晶石を置いてリーナのもとへ向かう。

 すると、魔術師がオレの足を止めさせた。


「なんだよ」

「君、タレミア魔術学園の学生だね」

「それがどうした?」


 ……? なんか悪いことしたか?

 学園の規律に引っかかったか?


「なぜケルベロスが出たとき、我々タレミシア魔術師団を呼ばなかった……?」

「そんなことしてたら余計に被害が出るだろ」

「我々は学生の保護も一任されている。もし、君が実力を見誤って殺されたら我々も責任を取らされるのだぞ」

「知らねえよ。そんなこと言われたって今、オレは無傷でここにいるだろ」


 いきなり面倒くさいこと言うなよ。

 と思ったいるうちに魔術師に溜息された。


「まあいい。君のおかげで被害が最小に収まったんだ。礼を言う。一応、学園には報告させてもらうぞ」

「……わかった」

「あと、その魔晶石は君が倒したんだ。売るなりコレクションするなり好きにするといい」

「……はあ」

「では、我々はここで」


 そう言って魔術師たちは去っていった。

 注意するなり、礼を言うなり、何がしたかったんだ?


 まあ、いい。

 リーナを迎えに行こう。


 王都にある教会は分厚い防御結界が施されている。

 リーナはそこにいるはずだ。


 そう思って教会に行った。




 教会に着いた。

 予想通り、アクセサリーショップの店員は居た。が、肝心のリーナが見当たらなかった。

 

「あの……」

「わ、本当に教会に来た」

「何ですかその反応。まるで幽霊が出たみたいな言い方して。それより、リーナは知らない?」

「ああ……。リーナちゃんは寮に戻るって言って教会から出たよ」

「えぇぇぇ」


 マジかよ。


「なんかね。目を覚ました時にリーナちゃん、知らないところにいるわけでしょ? それでそのままここに来た経緯を話したら顔真っ赤にして『絶対ここにノアが来るから寮に戻ったって言っといて』で出てっちゃった」

「ああね」


 リーナが発狂したことも言ったんだな。

 そりゃ情けなく子供みたいに喚いてたら逃げたくなるか。


「わかった。ありがとう。帰りは気をつけろよ」

「うん」


 そう言ってリーナがいる『紅葉の山荘』に戻ることにした。


 ※※※※※


「それで、ちゃんと買ってきたんでしょうね?」

「もちろん。これでいいのかわからないけど」

「……私も」

「ちょっと、これはこの寮の伝統なんだからしっかり準備しなさい」

「僕は終わったよ」

「……私も終わった」

「…………」


 なにやら『紅葉の山荘』裏では既に動き終わったようだ。

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