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1ー88 明るい未来へ


 新星暦二九九八年七月一日


「アミー、来たよ」


 アミール・タルタロスの墓をお参りに来たアメリア。

 と言ってもアミールの遺体は骨すら残らずグレイバルに燃やされたため、ただの十字架の入った墓石のみが象徴として城内に配置されていた。


「あれからもう一ヶ月か……。あっという間というかなんというか……」


 アメリアはこの約一ヶ月間休学し、王女としてタレミア王国の復興に勤しんでいた。

 アメリアはアミーに話しかける。


「アミー、聞いてよ。ノアがね、停学食らってさ。暇だから復興手伝うわとか言って他の人たちと一緒に建設作業してたみたいなんだけど、ノアが釘打つ度に木材を破壊するからクビになったみたい。クビになったわっていう言ってきて思わずツッコミ入れちゃってさ。でも、ノアの顔見たらちょっと面白くって……ってノアのこと言ってもわからないよね」


「私、アミーの顔見て嬉しかったんだよ。助けに来たてくれたのもそうなんだけど、なにより顔が見られただけで本当に嬉しかった……」


「本当はあんな形じゃなくてちゃんと私に会いに来て欲しかった。でも、私に会いに行くと奴らに私の居場所が特定されると思って会いに行けなかったんだよね」


「わかってる……。わかってるけど……」


 アメリアは大粒の涙を流した。


「アミー、会いたいよ……」


 そこにアミールは居ない。もう会うこともできない。

 数々の思い出がアメリアの記憶を蘇らせ、涙をすすってアメリアは言った。


「じゃあ、行ってくるね」


 今日が休学が開ける前日。

 アメリアはアミールの墓石を触り、振り返った。


『いってらっしゃいませ、姫様』


 突発的な強風がアメリアを襲った。

 そうなのね。


「行ってきます!」


 アメリアは『紅葉の山荘』に向かった。


 ※※※※※


「た、だいま……」


 誰かが扉を開けたような音がした。

 全く、誰だよ。


 オレはすぐに玄関の方へ足を運んだ。

 と、そこに居たのはアメリ――――


「リーナちゃん!! おかえりぃぃぃぃ!!」


 って、エミリーが先にアメリアを抱き締めた。


「じゃなかった! ええと、なんて呼べばいいの?」

「『リーナ』でいいよ。アリアちゃんと一文字違いだしそっちの方が馴染みあるから」

「そっかぁ。じゃあ、そうする!」


 ここでアリアも合流。


「あ、アメリアちゃん。おかえりなさい……」

「『リーナ』で良いよ。ただいまっ……!」


 ルークもアメリアの顔を見に来た。


「お、アメリアさん。おかえり。どう、体は大丈夫?」

「おかげさまで。あと『リーナ』で良いよ。こっちの方が名前長く使ってるし」

「そっか。わかった、じゃあリーナちゃん。改めてよろしく!」

「こちらこそ!」



 やっと、オレの番だな。


「おかえり、リーナ」

「……ただいま、ノア」


 おいおい。

 なんか皆と反応が違うぞ。


 ま、いいや。


「とにかく中に入れよ」

「……うん」


 これでようやく久しぶりの『紅葉の山荘』の全員が揃ったな。


「どうする? おかえりパーティーでもする?」

「おかえりパーティー? そんなのあるの?」

「聞いたことあるか、アリア?」

「……無い」

「そんなの良いじゃない! 久しぶりに全員揃ったんだから」

「……それで、お前。なんか用意してるのかよ?」

「そんなの今から買いに行けば良いじゃない?」

「……主役も同伴するのか?」

「流石にそれは無いよ。そこは二人残って待って貰って……」

「とんだ無計画だな。なあ、ルーク」

「そこがエミちゃんの魅力的なところだと僕は思うけど」

「……お前なぁ。よくもまあ、兄貴の目の前でそんな口説くよな事言えるな」

「口説いてる訳じゃないよ。事実を言っただけだよ、()・に・い・さん?」

「よし、面出ろ。ボコボコにしてやる」

「はぁ……? ここで喧嘩?」

「ノア君、喧嘩は辞めよ」

「……命拾いしたな」

「本気で君は僕を殺す気だったんだ」


 ここでリーナがくすっと笑い、次第に大きくなった。


「……ごめんごめん。可笑しくてつい……。皆、ありがとう。皆が私を助けて来てくれなかったらもう皆で笑えなかったから……。本当にありがとう!」


 エミリーが笑顔で答える。


「そんなの当たり前だよ! ここにリーナちゃんが居ないなんて考えられないし……本当に良かった!」


 アリアも恥ずかしそうに答える。


「うぅん……。こっちこそありがとう」


 ルークは謝った。


「……実は僕、助けに行くの反対だったんだ。だから、ごめん。後悔するところだった。だから、こうして再会できて嬉しいよ、改めておかえり」


 最後にオレ。


「……危ない橋に渡ったのは自覚してる。でも後悔は無い。もし行かなかったらお前が……居なくなってたかもしれないから……。だから、リーナ。これからも、よろしく……」


 リーナはオレの頭を叩いた。


「痛っ……!」

「そんなの当たり前じゃない! 皆、本当にありがとう!」


 ※※※※※


 こうしてタレミア王国は無事に奪還し、リーナも救うことができた。


 元に戻った日常。

 『紅葉の山荘』の寮内は再び賑わいを取り戻した。


 これにて一年生一学期は修了。

 さあ、彼らは一体どうなっていくのか。


 そして、波乱万丈の夏休みが始まる。


 第一章後編 王国奪還編 完


 第一章 一年生一学期 修了。


この度、『魔法学園の無能者〜魔術全盛の時代、魔力を持たない追放者が世界最高峰の魔術師へと駆け昇る!〜』をお読み頂き誠にありがとうございます。



いかがでしょうか?


僕と致しましては、この章を書く際なんか学園モノじゃないなっていう気がして仕方なかったです。

しかし、僕の一番書きたかったもの書けたなって実感があります。


ここまでお読み頂いたこと本当にありがとうございました。


あと、かなり期間を開けて連載となって申し訳ごさいませんでした。

本業の忙しい時期と重なり、更に文章を落とし込むにしろ長考になってしまったためこの時期までこの章を長くしてしまいました。

本当に申し訳ございません。


今後の方針なんですけど、ここで「完結済み」とさせていただきます。

と言うのも、こんな行き当たりばったりな連載をすると、この作品の内容が掴みにくくなると考えた為、これからは章を完成する度に連載を再開しようと思っています。


ご了承ください。


よって、次の連載は目標としては来年の1月下旬頃を目処に考えています。

その間、次章の執筆はもちろん、この作品を見つめ直し改稿と他サイトの転載準備に取りかかるつもりです。


今後の事後報告は僕のアカウントの「活動報告」にて記載します。

そして今まであった事後報告は削除させていただきます。


なのでブクマ、及び僕のアカウントをお気に入りユーザにして貰えると次章の投稿日を描きますのでぜひよろしくお願いします。


引き続き、『魔法学園の無能者〜魔術全盛の時代、魔力を持たない追放者が世界最高峰の魔術師へと駆け昇る!〜』をよろしくお願いします。


星★★★★★、レビュー、感想、ブックマークのほど、よろしくお願いします!!


1つでも多くの評価ポイントがあるだけで作者は泣いて大喜びします!!

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