表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

128/134

1ー82 タレミア奪還決戦⑧


 くそっ……!!

 まさか儀式魔術が来るなんてな……!!


 これは想定外だ。

 奴はこれまで大量の魔力を使ってきた。最高位魔術《超速再生》の大量使用。天性魔術まで使ったんだ。

 儀式魔術は最高位魔術や天性魔術・解放(アドバンスロード)と比べ物にならない程の魔力を使う。


 故に百を超える魔術師と併せて初めて使える、それが儀式魔術だと言うのに奴は単体で使ってきた。


 奴はどこまで魔力を持ってるんだ……!!


「消えろぉぉおおおおお……!!」


 一点に集められた光が奴の指先に集まり、そして放たれた。


 不味い。

 この魔力に学園長も気づくはずだ。学園長とならなんとかなるかもしれない。

 でも、五大魔術師(クインテット)第二位のゼルベルンは奴が作り出した魔物と対峙中。


 やるしかない……!!


「光の剣術“【秘剣】魔術返し”――――!!」


 

 オレは奴の滅光の方に跳び、《天空の聖剣(シェリー)》で奴の魔術を受け止める。


「うぅぅぉぉぉおおおおおおおおお……!!」


 重い。強すぎる。やばい。

 受け止めれてるだけでも奇跡だ。


 複数人の魔力で放つ魔術。

 それを単体という時点で奴の儀式魔術《嗜虐の滅光》の威力は下がると思っていたが、そうもいかない。


 これが儀式魔術。

 初めて受けたが、これ程とは……!!


 くそっ。もう無理だ……。


 けれど、ここでオレが受けきれず光が王都の土を侵食したらリーナの愛した国自体が無くなる。

 ここにいる人間全てが死ぬ。


 それは駄目だ。

 いくらリーナを助けても意味が無い。


 ここは何としても奴の魔術を受け切る……!!

 オレは世界最強の魔術師の意志を受け継いだ魔術師ノア・ライトマンだ……!!


 ここで奴はさらに威力を上げる。

 こいつ。

 どんだけ魔力持ってるんだ……!!


 やがて、オレの足は地上に着く。

 地面に踏み込める分は耐えられる。

 が、それ以上に奴の魔術が追い討ちをかける。


 ちくしょう。

 ここまでか。

 でも――――!!


 オレの足が地面に食い込み始め、腰まで埋まる。


 あと一メートル。

 これがこの国が存命できる距離。


「死ねえええええええええええ――――!!」

「はぁぁぁぁぁぁああああああ――――!!」


 奴はさらに威力を上げてきた。

 それでもオレは戦う。


 オレは一度たりとも諦めたりはしない……!!


 だが、ここで悲報。

 オレの脇腹に奴の魔剣が刺さる。


 ここに来て二重詠唱(ダブルスペンド)を使うか……!!


 そしてオレは奴の魔術に打ち負けた。


 くっそ。

 ごめん、リーナ。

 アリア。エミリー。ルーク。


 そして、フレイ、アズバングさん。


 オレはどうやらここま――――


『大丈夫。君はよく頑張った』


 隣にいたフレイが居た。

 これが走馬灯って奴か。


『何言ってんの? 戦いはここからだよ』


 何言ってんだよ。オレは負け――――


『だから大丈夫だって! ほら見て。彼がグレイバルの横に居るでしょ』


 誰だ、あいつ。


『彼は最後に望みを賭けた。そしてそれが私の作った魔剣に届いて彼は賭けに勝利した』


 見る限り長身の男。

 そして長身の男はグレイバルの首を完全に斬った。


天性魔術・解放(アドバンスロード)未来の一閃(パラダイム・シフト)》。良かったね、アミール……!!』


「がはっ……!! ちくしょう……!! 許さんぞ、アミール・タルタロス……!!」


 奴の魔術は止まり、オレは一息をつく。

 グレイバルの胴体は地上に落ちるが、すぐに再生し立ち上がる。


「だが、良かったな! 屍に助けもらってよ……!! これで私の切り札は無くなったんだ……!! せいぜい楽しもうじゃないか、ノア・ライトマン!!」


 オレは埋もれた下半身から飛び出し、奴を睨む。


「……なるほど。やはりそうか……!! 貴様はどうやら私に打倒する手段が無いんだな……!! あの世界を断つような斬撃でも私を倒せないんだ。だから貴様はオレを睨みつけることしかできない……!!」


 何言ってるんだ、こいつ。


「この勝負、私が貰った。貴様はここで死ねぇ……!!」


 オレは待ってるんだ。


 努力家で誰にでも人気があって、だけどオレには対抗心を持ってる、オレの最高のライバルの叫びを……!!

星★★★★★、レビュー、感想、ブックマークのほど、よろしくお願いします!!


1つでも多くの評価ポイントがあるだけで作者は泣いて大喜びします!!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ