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1ー60 アミール・タルタロス


 ※※※※※


 アミールは見事グレイバルを打倒し、内戦は幕を閉じた。


「アミ―……!!」


 アメリアは安心と喜びからアミールに抱き着いた。


 およそ十年ぶりの再会。アメリアもあの頃よりもずっと大人の女性になり、すっかり綺麗になったアメリアに抱き着かれ少し恥ずかしい気持ちになった。


「って、本当に何してたの!! ずっと心配してたんだから!!」

「すみません。ずっとこの日のために用意していたんです。そして今、こうして姫様をお迎えにあがりました。俺は……ずっとこの日をお待ち、していました……」


 なんだろう。涙が溢れ出る。

 アメリアはアミールのこんな見たことのない姿を見て困惑するも、笑顔になる。


「アミ―……!! 笑顔だよ、え・が・お! 泣いてたってしょうがないじゃない!」

「……そうですね」

「それに国の皆に宣言しないとね!! この戦争は終わりだって!」

「……はい!」


 こうしてタレミシア魔術大国いや、タレミア王国の民全土に魔道具「モニター」の準備を始める。


「ありがとね」

「何がですか?」

「私を助けてくれて」

「何を言ってるんですか? 当り前じゃないですか。俺はずっとあなたの騎士ですよ」

「そうね……改めて言うね……。私の騎士なってくれてありがと!」

「いえ、俺もあなたのき――――」

「とでも言うと思ったか」

「……は?」


 アメリアは変貌し、奴に代わる。


「グレイバル……!!」

「まだ終わってないぞ、アミール・タルタロス!! さあ、幕を閉じよう!!」


 ※※※※※


 最高位魔術の世界を終わらせるような黒煙を纏いて奴は被弾した。

 いくら自身の魔術とはいえアミールにも当然超至近距離で放ったため深手を負うが、すぐに最高位魔術《超速再生》ですぐに身体は治る。

 すぐにアミールはその黒煙から離れる。


「頼むから、これで倒れてくれよ」


 アミールは確かな手応えを感じていた。

 奴に触れた感触もある。


 確実に倒した。と思っていた矢先に奴は無傷で現れる。


「「……!!」」

「所詮、この程度か」


 どういう理屈で奴は生きているのか。

 それはアミール、アメリアすらわからなかった。


「なんだ、そのキョトンとした顔は。これで私が倒せるとでも思ったか? 残念だが叶わなかったようだな」


 なんだこいつは。


 最高位魔術を受けたものは、なにがどうあれ必ず死ぬ。

 たとえ同じ最高位魔術《超速再生》であってもその条件は変わらない。


 ならば、奴はアミールの攻撃を避けたということになる。

 転移で避けたのか? いや、触れてなお避けれるなんて考えられない。

 なら奴は魔術がそもそも効かないのか? いや、それはない。《時空の魔剣(パラタイム)》の斬撃が効いてる時点で魔術は通用している。


 わからない。

 なら直接奴を倒すまで!!


「来てくれ、《時空の魔剣(パラタイム)》」


 剣術で奴をねじ伏せる。


「ほう、お次は剣術勝負か。なるほど、ならこちらは手刀で相手してやろう」

「舐めやがって」

「――――!!」


 一瞬でアミールはグレイバルとの距離を詰める。


「光の剣術“【宝刀】煌めき”――――!!」


 アミールは光り輝く横振りの一撃をグレイバルの首元めがけて狙う。

 グレイバルはそれを難なく一歩引いて避けるが、続けてアミールは攻撃を仕掛ける。


「光の剣術“【連刃】千連光芒”……!!」


 より速く、より重く、アミールは剣を振り続ける。

 だが、それも虚しくグレイバルにその刃は届かない。


「なんだ、剣術といってもさっきの魔術と比べて劣るじゃないか。ま、いいだろう。お前程度の剣術これで沈めてやる」

「……!!」


 アミールはすぐにガードに構える。


「“断刃輪(だんじりん)”」


 その手刀はアミールの足全てを地面に食い込ませるほどの威力があった。


「くっそ!!」


 アミールの魔剣が破壊され、奴の剣術がアミールの頭部を貫通し、真っ二つに両断した。


「……よく逃げたな」


 高位魔術《蜃気楼(シャドウ)》で分身体を作りアミールは奴の剣術を避けることに成功した。


「逃げた、だって? 俺は魔術師だ。剣術でお前に勝とうなんて思ってねえよ」

「そうか。でもお前は魔術でも私を倒し切れていないだろうが」

「今からそれを模索するんだよ」

「……いや、もういい。お前の力量はわかった。模索する前に殺してやるよ。と。その前にこの小細工はもう私には通用しないぞ」

「……!」


 奴はそう言うと《時空の魔剣(パラタイム)》で発生した時間のズレの二連撃を躱してみせた。


「言っただろう。魔力は時間に依存しないと」

「でも、俺にはまだ魔力が残っている。これでお前を必ず仕留める」

「ほう……。果たしてお前にそんな時間あるのだろうか」

「何……?」

「安心しろ。お前はもう死んでいる」


 この瞬間、アミールの首が跳ねられた。

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