表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

101/134

1-55 王国奪還

これまでは過去編。

今からは本編となります。


「アリア、エミリー、ルーク、オレは今からリーナを救いに行く」


 オレは自室の剣を持って、玄関に向かった。


「ちょっと、待ってノア!!」


 エミリーが呼び止めようと関係ない。オレには救いに行くしか選択肢が無いんだ。

 玄関の扉を開けようと取ってを開けようとする。やけに冷たい。それに戸が開かない。


「ルーク、お前!!」

「落ち着いて。今は待つしかないんだよ。多分、もうすぐ学園長の――――」

「今、そんなことしてる暇は無えんだよ!! この間にリーナが殺されたらどうすんだよ!」

「それが国王の罠かもしれないって言ってんの!! だから――――」

「罠でもいい! それでもオレはリーナを救いに――――」


 ここで『紅葉の山荘』の魔道具「モニター」が作動する。


『私立タレミア学園に在学する生徒及び先生方、こんばんは。学園長ゼルベルン・アルファだ』


 学園長……! やっぱりか……!!


『この放送は緊急のため短く話そうと思う。君たちも大体のことはわかっていると思うが、わが生徒がタレミシア魔術大国国王グレイバルにより囚われました。

 本校の生徒リーナ・ラカゼットは偽名。本当の名は「アメリア・ランドロード・タレミア」で旧タレミア王国の第一王女だ。今まで君たちに黙ってしまい、ここで謝罪しようと思う。すまなかった』


 あんたが謝る必要なんか無いだろ。

 偽名にしなくちゃリーナは狙われるから隠してたんだろうが……!


『そこでだ。彼女はこの学園において人望が厚いと聞いている。これは非常に嬉しいことであるが、それが逆に君たちの死に繋がる恐れがあると踏んでわたしは一つ、勅令を言い渡す』


 ゼルベルンは下す。


『リーナ・ラカゼットを救いに行った者すべてを実績等関係なく退学処分とする。尚、異論は認めない。これは君たちが血を流さないための処分だ。君たちはこの学園に入学するため多くの努力を積み重ねただろう。わたしはそれを無駄にしたくない』


 退学処分か。


『わたしからは以上だ。君たちはわたしを信じて朗報を待っていてくれ』


 そう言ってゼルベルンの放送は切れた。


「ほら、学園長もこう言ってくれるし、君も」

「はあ――――?」


 オレは関係なく動かない扉をこじ開け破壊した。


「わかってるのか!! 君、退学処分になるんだよ!! せっかくこの学園に入れたのに、君は努力を無駄にするのか!!」

「……っせえよ」


 ルーク、お前に言われようとも――――


「お前、じゃあこれで学園長が失敗してリーナが死んだらその死は受け入れるのか?」

「でも学園長は五大魔術師(クインテット)だから――――」

五大魔術師(クインテット)だからってリーナが生きてる保証がどこにあんだよ!!」

「でも、君は退学処分に――――」

「退学処分されてもいいんだよ!! オレはな!! 嫌なんだよ!! 何もできずに大事な人が目の前から居なくなるのは!! そんなの、もう耐えられないんだ!!」

「じゃあ、君の努力はどうなるんだよ!」

「オレは魔術師だ!! そんなことどうにでもなる!! でも、リーナが死んだらもうどうにもならないだろ!! 魔術で蘇らないんだからな!!」


 最後に。


「オレはもう、後悔しない。行くぞ」


 そう言ってオレは出ていこうとした、その時――――


「待って!!」


 オレは足を止め、振り返る。呼び止めたのはエミリーだった。


「お前もか……。言っとくけどオレは――――」

「違う!! 私もリーナちゃんを助けに行く!!」


 は?


「お前、何言ってるのかわかってんのか? 退学になるんだぞ」

「知ってる! それでも私は行く!! だって……リーナちゃんは私の大事な友達だから!!」


 ここでアリアも叫ぶ。


「私も行く!! もう私も、失いたくないから!!」


 おいおいマジかよ。

 エミリーだけじゃなく、アリアもかよ。


 お前ら、正気か? オレが言えることじゃないけど。

 ここでエミリーがルークに問い詰める。


「ルーク! あんたはどうすんの!!」

「ぼ、僕は……」

「行くの! 行かないの!」


 ルークは詰められ、すぐに答えが出た。


「あー、わかった。行くよ!! 僕もリーナちゃんが心配なんだ。助けに行くよ!!」

「……決まりね」

「うん……!」


 そうか。お前らの答えはそうなんだな。

 だったら――――


「わかった。三人ともオレについてこい。でも一つ、約束してくれ」


 オレは話す。


「やばいと思ったらすぐ逃げること。絶対無理するな。戦場ってのは無理して戦えるほど甘くないんだ。これだけは約束してくれ」


 アリア、エミリー、ルーク。

 お前らも失いたくないから。


「何言ってんの? それはノアもでしょ」

「そうだ。ノア君もだ。君も約束してくれ」

「約束しないと、アリアちゃん、泣いちゃうよ」

「ちょっと、エミちゃん!!」


 アリアは顔を赤らめポコポコとエミリーを叩く。可愛い。じゃねえ。


「ああ、約束するよ。オレも無理をしない。これがオレたちの誓いだ」

「そうだね」

「うん……!」

「りょう、かい!!」

「それじゃ、行くぞ!!」


 こうしてオレ、アリア、エミリー、ルークは王都に向かった。

 これが後の戦争のカギとなるとは知らずに。


 ※※※※※


 ノアは秘密裏に皇帝グローリアル・ザノア・アルカナディアと遠くの人間に情報交換できる魔道具『シグナル』で直接話した。


『タレミシアで内戦が起きようとしている。至急、魔術師を派遣してくれ』

『……なるほど、わかった。だが、貴殿はどうするのだ?』

『オレは……王国を奪還する!』


 これより闇に包まれしタレミシア魔術大国を討ち、タレミア王国を奪還する。

星★★★★★、レビュー、感想、ブックマークのほど、よろしくお願いします!!


1つでも多くの評価ポイントがあるだけで作者は泣いて大喜びします!!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ