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ノースポール  作者: 海鼠
3/6

ガランサス

始まり


「僕の世話係と言ったけど仕事内容はご飯を準備してもらったり、家の掃除、庭の手入れとかかな」


外を覗く、庭は一面花が咲き乱れておりその奥には深い森が続いている。


「…ここは、森の中なのですか」

「そうだね、人街からは離れた場所だよ」


ピピッ…ピッピ


鳥の囀りが聞こえる


「じゃあ早速…朝ごはんの時間ではもう無いから、庭の手入れをお願いしてもいいかな?」

「わかりました」

「大事にしてやってく。」


そう言い残すと貴方は1番奥の部屋へ入った。



玄関の扉を開くと、生ぬるい風と花の匂いが当たる

青い芝生、様々な花達、木々の隙間から光る陽光


知っている

全て私の中に入っている

私は花の名前もこの場所も全てを知っている。





庭の手入れ、花に水をやり、家の壁を登るツタを切る。


「……四葉のクローバー」


ふと目線を落とした先にあったのは四葉になったクローバーだった

四葉のクローバーは元は三葉で踏まれて四葉になるらしい

踏まれて尚成長するクローバー…


「何を見ているんだい。アセビ」


貴方は少し崩れた髪を風に靡かせ微笑みかける。


「申し訳ありません。庭の手入れは終わりました」

「うん、完璧だよ。あ、ふふ…」


照れながら髪を整えてこちらへ足を進める


「四葉のクローバーか、良かったね。運がいい」

「運ではありません、踏まれた結果四葉になったのがこれなので人が通る場所にはよく生えているものです」

「あー…」


少し呆れた様な表情をうかべこちらを見つめる。


「……なんでしょうか」

「あのねアセビ、君の言っていることは間違ってないけど、運って事でいいんだよ、幸せの印って事でいいの」

「何故ですか」


貴方はクローバーを撫でながらまた微笑む


「人はそうやって、

小さな幸せを見つけながら生きてきてるんだ」

「……私は人間ではありませんので」

「………」


少し悲しそうな表情を貴方は浮かべる。


何故


「記念にしよう。そのクローバーを。

こらから、幸せな日々を送れますように。ね」




貴方はその場であるものを使って四葉のクローバーをペンダントにする。


「どう、君にあげるよ。アセビ」

「私にですか?ありがとうございます」


貴方が私の後ろに回ってペンダントを付ける。


「うん、似合ってる。大事にしてね」


ペンダントを撫でる

開くと四葉のクローバーが手を広げている。


「ありがとうございます」

「これからいい事が沢山起きるといいね」

「はい」


所詮はただのクローバー、傷物のクローバー

でも、いつか起きるいい事に期待をする


希望



貴方が作ってくれたからなのか

貴方を近くに感じる。


また次回

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