のんびり生こう
その後どうなったかと言うと。
装置もPCも跡形もなく焼失。賭けだったが、システムは上手く稼働したようだ。
お陰でメディアは小さく、研究所が火災で焼失したと報道。
そもそもこんな所でタイムリープの研究がされていたなんてごく一部の人間しか知らないこと。
実際とは異なるが証拠が無い以上、火災と扱われた。
お陰でタイムリープが存在した証拠は全て消え去り、隼人は無罪放免となった。
隼人はノーベル賞ものだった発明を失ったが、代わりに平穏な暮らしを手に入れた。
俺たちは一緒に住むことにした。
隼人は、タイムリープの研究が消失し、研究所も閉鎖され、責任を取って退職した。
絶賛就職活動中の隼人をサポートしたくて、俺が提案した。
隼人は今、人生初の時間の無駄遣いを楽しんでいる。
俺はと言うと、何年ぶりかにやる気をみなぎらせ、驚くべき変化を遂げた。
元来興味があってついた仕事だったので、やる気にさえなれば結果は自ずとついてきた。
次のゲームでは、プログラマーチームのチーフが決定している。
これまでの分も取り戻す勢いで働いている。
そして、二人で過ごす初めての夏がやってきた。俺達は揃って故郷に帰省していた。
今日は8月11日。そう、六花の命日だ。
俺達は初めて二人並んで六花の墓の前に立っている。
俺は六花を失って初めて、六花の死を受け入れられたような気がした。
「隼人、これからは毎年二人で来ような。」
「ああ、啓介は今までの分までお参りしないとな。あの世で六花に怒られるぞ。」
俺は墓石に刻まれた六花の名前をそっとなぞり、呟いた。
「ありがとう、六花。俺を助けてくれて、俺は幸せだ。」
肝心な、俺達といえば、親友の枠からは出ていない。
隼人を大切にしたいという感情はあるが、愛だの恋いだのという感情は理解出来ない。
でも俺は人生で初めて、一緒に時を刻みたいと思う人をみつけた。
この沿線状に恋愛感情が存在するなら、それはそれで良いだろう。
その答えはこれから二人で探していけば良い。
俺達にはまだまだ時間があるのだから。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!




