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第7話 電話

上野さんが早速、旦那に電話をしてくれた。


(上野さんだって見ず知らずの人にいきなり、電話するわけだし、しかも内容だって…普通ならどう説明したらいいのかもわからない状況。絶対に緊張してるはず。彼が緊張しいなの知ってるし…本当ごめんなさいしか心にない。)




「あの、初めまして、突然のお電話すみません。上野と申します。実は、奥様が…奥さんの心が私の所にきてまして…」


緊張しながらも話を切り出してくれた。ある意味、怪しい霊媒師の様な内容だ…




「はぁ~?どこの上野さん?うちの嫁とどんな知り合い?」


旦那も怪訝そうに言葉を返した。




「声優やってる上野と申します。心だけが私の腕時計に来て、そこから知り合いました…。信じて頂けない話だとは思いますが…携帯の番号も奥様から聞きました。」


上野さんも、恐々言った。




旦那もアニメ好きなので、もちろん、上野さんの事は知っている。


「え?本当に…?まあ、私の携帯番号を知ってるわけないし…確かに声は上野さんの声に似てる…。


実は、3日前から意識不明なんです。今入院中で…」


半信半疑ながら旦那もぽつりと言った。




旦那の返答を聞いて、この世にはまだいるとほっとしたが、やっぱりという感情も湧き出た。




「あの、明後日仕事がオフなんで入院先の病院伺わせてもらっていいですか?」


上野さんのこの言葉に少し嬉しくもびっくりした。


(直接行ってくれるなんて…忙しい彼の久々のお休みの日だろうに…)




「はい…お願いします」


旦那が返答した。

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