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第11話 変化…
「まなちゃん、まなちゃん…まなちゃん」
彼に何度も呼ばれてようやく気が付いた。
「あっ、ごめんなさい。最近意識が遠のくことがあって…、そろそろこの生活も終わっちゃうのかな…」
ポロリと心の不安がついつい出てしまった。
「何度呼んでも返事がなくて、すごくすごく不安だったよ…
この生活終わって欲しくない…
俺ね、まなちゃんと出会えてお話沢山出来て本当に楽しいんだ…いけないことかも知れないけど、まなちゃんのこと好きになってる。
ずっとこのままでいれたらって…、本当は旦那さんと会う前に出会えていたらって思っちゃうこともあるんだ…」
彼は、心配と照れくささが混じった声で言った。
「ありがとう…すっごく嬉しいよ…」
彼の突然の言葉にびっくりした。すごく嬉しかった。でも、生身の私に会ったらきっと、そうはなってない。美人でもなければ、可愛くもないことをよく自分で知っている。声だけだから、腕時計として出会ったからこそだと思った。だから、こんな返事しかできなかった。




