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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

漆黒の塔

きれいで近代的な都市の外れに、そこだけ異様な雰囲気を醸し出す漆黒の塔を見ました。

ストーリーはありませんが、漆黒の塔の雰囲気からの連想を書きとめました。

とある都市のビューティフルで機能的で

観光絵葉書になりそうな中心部から

迷い出るようにして通りかかった外れのあたりに

漆黒の塔があった


2001年宇宙の旅に出てくるモノリスのような

墨のような深い黒の

でかい積み木をドカンと置いただけのような

武骨な建造物であった


ほかの建物は

近現代的に白っぽかったり灰色っぽかったり

常識的に大きな窓で

おしゃれとはいかないまでも

きれいで明るくて人の活発な出入りや生活や活動がうかがえるのに


その塔は漆黒のどでかい積み木のような

多分コンクリート打ちっぱなしのような建物は

ブラックホールってこんな感じ?

光を吸い込んで離さないぐらいの真っ黒感

そこだけ冗談じゃあ済まない凄みが漂っていた


建築中なのかな

やぐらとか建築資材とか見当たらないし

危険防止の囲いもないし、工事を説明する立て看板もないし


節約するために

コンクリート打ちっぱなしとか?


それなら、コンクリートの灰色を生かしてそのままにしそうだけど


建物って不思議で

中に入ったり

触ったりできなくても


ある一方向からしか観察できなくても


何となく

質感

というものが伝わってくることがある


確認しようもないけれど

この漆黒の塔は

どういうわけか

城郭の弓矢鉄砲を射かけるための四角や三角の穴の開いた

分厚い城壁のような迫力を醸し出していた


なんでそれを連想したんだろう


ああそうか

ほんとに小さな

城郭の弓矢鉄砲のための小さな穴を連想するような

人ひとりの幅もあるかどうかという

細い窓のようなものが

何か所か開いている

その穴に深みがあるから

壁に厚みがあると感じるのだろう


この平和な街に

なんで

こんな要塞みたいな建物があるのか

武骨を通り越して

本当になにかこれから戦闘が始まることに備えているか

あるいは近い過去に戦闘があって

焼け焦げた壁を隠すために真っ黒な塗料を塗ったのか


中心部の

何もかも絵のようにおしゃれに

何百年かかけて整えられたかのような

すべてが機能的で

機能だけじゃなくて美しさも遊び心も

芸術も日常も

学問も娯楽も

現代の最先端の建物たちから

隔絶した世界観


唯一唐突に鎮座まします漆黒の塔

本当の用途はわからない





ここから話を始められたらいいなと思っています。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 人は自分の頭で理解できないものに遭遇すると、ひどく不安になりますね。 それで、神や妖怪などが想像で生まれたと……。 この漆黒の塔。 ラスト。 「本当の用途はわからない」 最後まで何も明かさ…
[一言] わからないものって想像力膨らみますよね 私はゴミ処理施設を秘密の遊園地だと信じてました
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