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The RODEO with MONSTERS  作者: 将門来復
後日譚
17/21

やられたらやり返す。裏返しだっ!

「お、何じゃ?しばらく顔を見せなかったではないか。儂が王国十傑と聞いてもう尻尾を巻いて逃げたかと心配しとったぞ。」


言うに事欠いてこの野郎。そのナメ腐った態度も今の内だぞ。


「ふっ、どうもツキが逃げちまったみたいだから仕切り直そうと思ってな。」


「ふん、お前が負けたのは運ではない。まぁよかろう。それではやるか。」


「たまには趣向を変えようじゃないか。今日はこれを持って来たんだ。」


「む?何じゃそら。お、開くのか。どれ・・・、白黒コインかのぅ?」


よしよし、そうだ。これから吠えヅラかくことになるんだからよーく見とけよ。どれ、ルールを教えるか。


「例えばこうやって両端を同じ色ではさむとコインが裏返るんだ。」


「おお、タテ・ヨコ・ナナメも裏返るのか。不思議よのぅ。これはどうなれば勝ちなのだ?」


「最終的に自分の色が相手を上回れば勝ちだ。」


「なるほど、わかりやすい。して、このゲームの名は何というのだ?」


「ふっふっふ、良くぞ聞いてくれた。名づけてテリトワールだっ!」


「ほう、領地か。名づけるということはお前の発案か、面白い。」


「とりあえず最初は勝敗無しでデモンストレーションしてみようぜ。」


「よかろう。」


アンリに興味を持ってもらうためにも手に汗握る接戦を演じてやった。


「なるほどな。単純なのに白熱するのう。」


「叔父上、それは何をされておられるのです?」


「おおミシェル、よいところに来た。こっちへ来てお前もやってみるのだ。」


ナイスタイミングだ、ミシェル。お前もこのゲームの虜にしてやる。よし、ここは大接戦で負けてやろう。


「ユーキ、これは楽しいな。何と言うのだ?」


「気に入ったか、ミシェル。これはテリトワールだ。やり方を覚えたみたいだから意地悪な叔父さんと練習するといい。」


「誰が意地悪だ、馬鹿たれ!」


「まぁまぁ、そのテリトワールセットは進呈するつもりで持ってきたんだ。ソルダの借りはこれで返してやるから、特訓しとけよ。勝負はいつにする?」


「大きく出たものよ。ゲームを変えたからとて、お前が儂に勝てるとでも思っておるのか。明日だ、明日来い。この間みたいにキャンキャン吠えさせてくれる。」


「むっふっふっふ、いいだろう。ついに市井のゴブリンが国王を下す時が来るのだ。」


俺は石を戻してシャルルのために並べてやった。そして互いに不敵な笑顔で目を合わせる。


「ふっふっふ。」


「はっはっは。」


「叔父上の番ですよ〜。ねぇ早く〜。」


ーーー


天を突きそびえ立つこの城を、人はバシレウス城と呼ぶ。今まさに、互いのプライドを賭けた壮絶なる戦いの火蓋が切られようとしていた。


「ついに雌雄を決する時が来たようだな、アンリ。」


「何を言っておるのだ、お前は既に21連敗しとろうが。」


「ふっふっふ、そんな昔のこととうに忘れた。」


「しっかり覚えとるじゃないか・・・、まぁ良い。始めるぞ。」


まぁ何とでも言え。昨日今日始めた奴に負ける訳ねーわ。なるほど、そう来たか。押さえるべき箇所だけは渡さないかんね。

ふふふ、まるで素人の打ち筋じゃないか。やはりソルダで見せるカミソリのような鋭さは見えないな。


「どうしたソーマ。早くも儂の白で埋め尽くされようとしておるぞ。こりゃあテリトワールでも21連敗が決まったようなもんじゃなぁ。わっはっは。」


「くそー、マズい。マズいぞぉ!まさかテリトワールでも俺はアンリに勝てないのか?俺の暗黒フォースよ。盤上を闇でおおい尽くすのだ!」


ふふふ、アンリめ。終盤戦を待たずに勝利を確信したような顔をしよるわ。今のうちにせいぜい粋がっているがいい。

見てろ、ここからはお待ちかねのスーパーゴブリンタイムだ!


「何、どういう事だ?石が置けぬぞ!おいソーマ、この場合はどうなるのだ?」


「おんやぁ?国王様ぁ、こーれはいけませんなぁ。この場合は相手方の手番に切り替わるのですぞ。」


「何だとっ!」


「むふふふ、じゃあ私めの次なる一手は・・・、ここにいたしましょうか。」


「ぐぬぬ、こんの・・・。またもや・・・、置けぬっ!」


「おやおやぁ、また拙者の手番でござるぅ。では・・・、ここで。」


「むぅ!置ける。お、置けるが・・・。ここには置きたくないっ!くそぅ。」


「ほう、そう来ましたか。では私めはここしかございませんなぁ。ぶひぃ!」


「うぐっ!な、何じゃこの大逆転劇はっ!」


「おや、またしても私の手番にございまするぅ。国王様ぁ、では最後いただきマンモスぅ。」


「ぐわぁぁあぁ。何故だぁっ!」


そうだ、俺が見たかったのはその顔だ。頭を抱えて悔しがっているその姿だよ。策略家のアンリもようやく自分がハメられたと気づいたようだな。

そうだよ、ささやかに過ぎるが権力闘争で俺たちを手玉にとったお返しだ。


「うわぁ、すごいや。あっと言う間に塗り替えられちゃったね。」


ミシェルが盤面を見ると暗黒面にまるっと飲み込まれていた。あぁ・・・、はるかかなたにデス☆ターが見える。傑作だ、大敗を喫したアンリは今もなお呆然としているじゃないか。


「どうだぁ?ミシェルぅ。よ〜く目に焼き付けておけ、あんなアンリは滅多に見られないからなぁ。」


「所詮はソーマと侮っておったわ!認めねばなるまいな。」


「流石は王だな、潔いぜ。どうだい?これってソルダに次ぐ人気ゲームになりそうかな?」


悔しそうにしながらも敗因を考えているんだろうな。悔しいけど相手を負かすためにいろいろ考えるのって実は楽しいんだよね。そういうところはソルダと共通しているはずだ。


「あの大逆転、決めれば爽快じゃろうなぁ?決められた儂は地獄を見たわ。ふむ、トーナメントもテリトワール部門を考えねばならぬぞ。もちろん儂も出場する。」


「ユーキ、次は私とやろう。叔父上の仇は私が取るのです。」


「よし、やろう!言っとくが俺は強いぞぅ。」


まぁミシェルにはもっと励んでもらいたいし、大接戦を演じて負けておいた。俺もアンリに一矢報いて満足した。見ればアンリやミシェルも満足顔なので良しとしよう。

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