ストロングゼロ売りの少女
しいたけ先生!
ネタ被りすみません!!!
「ストロングゼロ……ストロングゼロは要りませんか?」
寒風吹きすさぶ大晦日の夜、みすぼらしい身なりの少女が一人、ストロングゼロの売り子をしていた。
「ストロングゼロ……おいしいストロングゼロですよ。誰か……買ってくれませんか……」
しかし誰も買ってはくれない。街をゆく人々は皆足早に通り過ぎてゆく。
「どうして……どうしてみんなストロングゼロを買ってくれないの……」
少女は震える声で呟く。
「もぅマヂ無理。。。リスヶしよ。。。」
悲嘆にくれるこの少女の名はメンヘラード・ド・ヤンデルセン。酒乱の父親に命令されて一人、ストロングゼロを売り歩いているのである。なお名前が長いので以下“メンヘラ”と呼称する。
メンヘラはあまりにも売れない為、今日のところは一旦引き上げようかと思った。しかしその前に、一缶だけストロングゼロを飲んでみることにした。
ぐびっ、ぐびっ
ストロングゼロを飲み干すと、父親の暴力や将来への漠然とした不安などがどんどん薄らいでゆく。酒の力で脳もシャキッとしてきた。
「ッッ! キタキタキターーーッッッ!!!」
瞬間、閃いたアイデアを胸にメンヘラは走り出した。大通りに飛び込むとやはり、そこでは別の売り子がストロング系チューハイを売っていた。
ボディラインを浮かび上がらせる扇情的なPVCミニスカワンピを纏った爆乳金髪美女がニコニコしながら街ゆく人々に次々と酒を売り捌いている。
「うおおっ!ドチャシコ!」
「お買い上げありがとうございますぅ! はい、一缶3000円ですぅ!」
「うおおっ!ぶっこ抜き!」
「お買い上げありがとうございますぅ! はい、一缶3000円ですぅ!」
暴利! なんという客の足元を見た商売なのか!?
だがバットしかし! 鼻の下を伸ばしたエロ紳士達がこぞってこの美女から酒を購入してゆく!
「あの……糞ビッチ!!!」
メンヘラは憤った。己が絶壁を見下ろし、何故、誰もストロングゼロを買ってくれなかったのかを悟る。
「ビッチ……チクショウ……チクショオオオオオォッ!!!」
ドゴオッ!
メンヘラの強烈なタックルがビッチに炸裂!
「ギィヤアアァ!!!」
悲鳴を上げて民家の壁に激突するビッチ! 気絶!
「ざまーみろ!」
メンヘラはビッチが溜め込んだ金を両手で掬い上げ満面の笑み。
「へへっ、金だ……金がたんまりと有りやがるッ! 懐があったけぇ!」
ふとここで、ストロングゼロを飲んだ影響により一時的にIQが180まで上がっているメンヘラは更なる奇策を思い付く。
「そうだ!」
そしてビッチの代わりにこの場所でストロングゼロを売り始めた。
「はい、寄ってらっしゃい見てらっしゃい! ストロングゼロ、ストロングゼロが安いよ安いよー! なんと500ml一缶4000円だ! しかも今なら、なななーんと、ストロングゼロ500ml一缶お買い上げ毎に一回、おっぱいを自由に揉ませてあげちゃう!」
するとチャキチャキした威勢のいい呼び込みに反応して変態紳士がぞろぞろと集まってきた。
「おっとお嬢ちゃん、バカ言っちゃイケねぇよ。無いものをどうやって揉めと言うんだい?」
「俺たち変態紳士を侮ってはいけない。牛乳飲んで出直してくるんだな、HAHAHA」
そんな露骨なセクハラもどこ吹く風、メンヘラはふふんと鼻を鳴らした。
「ふむ……ではあそこで気絶しているビッチの胸を揉む、というのはどうだろう?」
「……!!!!」
変態紳士一同に衝撃走る!
「すげぇ……」
「たまげた!」
「さすがっ!」
「さぁさぁ早いもの勝ちだよ! おいしいおいしいストロングゼロが350ml一缶4000円! 500ml缶なら5000円だ! パイ揉み券付き!」
IQが急上昇しているメンヘラは巧みな話術によって微妙に値段を釣り上げたうえ、絶妙な言い回しによって350ml缶の購入ではパイ揉みの権利が発生しないようにした。詐欺師!
こうしてメンヘラは一夜にして大金を手にすることが出来たのである。ストロングゼロが一人の少女を救った、心温まるエピソードだ。
なお後日、メンヘラは調子に乗ってFXに手をだし一瞬にして全額溶かしてしまうのだがそれはまた別のお話である。
おしまい。
今回はやや下品だったか……!?