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第二話 説明②

サブタイ、考えるのが面倒(全然浮かばない)なんで、プロローグを残して後は話数にします。

 辺りは薄暗く朝焼けを知らせる。俺が見た青空は昼過ぎの頃のようで、それからこの身体に入って目を覚ましたのはまだ一時間も経っていない。

 半日以上起きなかったらしい。


 因みに、もう全裸ではなく、足首まである絹のズボンと二の腕までしか袖のない綿のシャツを着ている。


「ご理解頂けましたか?」

「呑み込むしかないだろう。異世界だの魔法だの。非現実的で信じられるものじゃないけど、実際遭遇したんだ。理解できなくても、無理矢理納得するんだよ」


 軽く早朝の散歩と洒落込むには、この辺は危険らしい。

 そう注意されては、小屋の周辺を歩き回るしかない。ここは白髪の美女――シルビナ・ステント――の結界で守られているらしく、さっき聞いた魔物とやらが近づくことは出来ない、安全地帯らしい。


 セルベティアってのはRPGで云うところの、“魔王城のある大陸”らしく、人里はなくて、閉鎖的な魔人族の集落が点々とある程度らしい。


「俺はお前に召喚された。肉体は異世界渡航で崩壊すると予想できていたから、器を用意して精神を癒着させた。馴染むのに時間が掛かるから身体を動かし、馴染みやすくさせるためにこうして動かないといけない。――で、お前は……シルビナ・ステントは俺の妹、藤佐田 ひなたである、と」

「はい」


 迷いもなく女は頷く。白を基調とした優美なドレスは、色白の彼女をより映えさせる。

 胸がざっくり開いているわけではないものの、腰を閉める帯が彼女の豊満なそれを際立たせる。


 身長も百七十六センチの俺より拳分低い程度。妹のひなたは俺の胸までしかない。

 顔立ちも西洋人っぽく、目鼻立ちもはっきりしている。ひなたも可愛らしい顔立ちだが、アジア系ののっぺり感は多少なりともある。

 頭の天辺から足の爪先まで眺めても、ひなたと似通ったところなどない。一パーセント足りともな。


 俄には信じ難い話だが、家族間でないと知り得ないこと――俺の血液型や嫌いな食べ物、趣味趣向――を語られたら信憑性は増す。


「最後のものに関しては、信じて頂く他ありません」

「そう言われてもな。性格も不一致だろ。ひなたはそんなに丁寧に喋らないぞ」


 異世界どうこうは信じれなくもない。幾つかの魔法を見せてもらった限りではトリックはなさそうだった。

 指先に光が灯ったり、なんでもない細い枝が淡い光を纏ったり、それで木を殴ると枝は折れず、木の方が幹が数センチへこんだ。


 そんなものを見せられて疑い続けるほど、世間の不思議に触れていないわけじゃない。

 魔法は信じられる。異世界召喚も……ただ、シルビナがひなたであるというのはどうも信じ難い。


「証明できるのか、お前がひなただと」

「思い出以外にその術はありません。後はお兄様次第です」

「なら、会話を重ねよう。シルビナ、お前の言葉が真実か虚言かは、その後に決める」


 半歩後ろを歩くシルビナが止まる気配がした。

 背中越しに振り向けば、眉根を寄せて訝しむ彼女と目が合う。


「……本当にお兄様なのですか? 妙に疑り深くありませんか?」

「お前が(藤佐田 隆之)を呼んだんだろ?」

「そうではあるのですが……いえ、そうですね。そこを疑ってしまうと、全ての前提が覆ってしまいます。それに信用は自らしないと、他者の信用は得られません」


 疑いが晴れたわけではなく、シルビナが歩み寄ってくれたって感じか。なら、こっちも歩み寄らないとな。


「早速、情報を共有しよう。もっとも、そっちからの一方的なもんだけど」


 歩みを再開して、語り掛ける。さっき述べた通り、会話を重ねて真実か虚言かを見極める。

 変わらない景色が流れていく。歩き出してそろそろ一時間ほど。既に小屋の周りを十週以上歩いている。

 もうとっくに飽きている。新鮮な話題が欲しい。


「何が聞きたいのですか?」

「そうだな。有りすぎるくらいなんだが……まず、なんで俺を呼んだ? 肉体には戻れるのか?」


 順を追って問い掛ける。俺にとって重要なのはひなたの件で、これは後に回してじっくり聞きたい。


「肉体には……申し訳ございません。戻れません」

「……」


 ……やっぱりか。崩壊、だもんなぁ。どう聞いたって、俺の身体が残っているとは思えない。そこは期待してない。ただ……


「声音に反省の色がないぞ。もっと申し訳なさそうにしろよ」

「むぅ、お兄様は少しお固いですね」

「あのね。髪が灰色よ? 顔立ちは近いだろうけど、それも似ている程度で別人。親にどう説明すんの」


 唇を尖らせて拗ねるその仕草はひなたそのもの。


「……そうですね。先程も申しましたが――」

「ああ、いい。もう謝罪はいらない。一度で十分だ」


 今度は深い後悔の色を感じた。押し殺していたのかもな。


「はぁ……で? 俺を呼んだ理由は?」

「そう、ですね。少し長くなりますよ?」


 様子を伺うような調子で言い、足早に俺を追い越す。


「構わない、聞かせてくれ」


 ……ところで、精神を肉体に馴らすこの散歩、いつまで続けるんだ?

前話の最後にちょい書き足し……主人公の服に言及していなかったので。ストーリーには一切関わりがないので、読み返さなくても大丈夫です。

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