3 ジェインの提案
「で、今の話のどのあたりに、あなたの悩みが語られてるの?」
「ジェインったらわっかんないんでしゅかー?」
だめでしゅねぇと言わんばかりにレアは両手を腰にあてて、
「ちゅまりレアは、パパは、レアが他の殿方とデートしゅるコトになっても、寂しがってくれりゅかと……」
「そう」
ふふんとジェインは微笑みました。
「要するに、やきもちね」
がーん。
大きな石がレアの頭上に落とされました。
「もしくは」
しかしジェインはそんなレアの様子にかまうことなく続けます。
「嫉妬とも言えるわ」
「んーむーっ。違いましゅっ」
ばたばたと両手をばたつかせて身体全体で抗議の体をつくると、レアは一気にまくしたてました。
「レアはただ、レアはただっ。……なんかちょと寂しいだけでしゅ。家の中にレアの居場所がなくなっちゃったみたいな」
「なるほどね」
ジェインはしばらく知的(?)に手の甲を顎にあて、数歩テーブル際を行ったり来たりを繰り返すと、にわかに立ち止まってこう言いました。
「居場所がないのなら捜しに出ることね」
「と、言うと?」
ジェインは静かに目を閉じました。
「かけおち、よ」
レアの小さなほっぺにみるみるうちにつやとはりが戻りました。
「しょの手があったかー、でしゅわ!」
「レア、本当にわかってるの? わたしの言ってること」
「さっしょく、かけおちの相手を捜さなくてはっ!! ジェイン、いい知恵出してくれてありがとうでしゅ。お礼言いましゅ。ジェインもたまにはいいコト言いましゅねっ」
「あっ、レア、待って。待ちなさいよ。レアー!」
ジェインの制止も空しく、レアは春一番のように勢いも激しく駈け出して行きました。
大人っぽいジェインに提案されちゃいました。
レアは本当に提案の詳細をわかっているのでしょうか??
相当怪しいと思います(+_+)