表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
レアの駆け落ち  作者: ほか
1/8

1 乙女の溜息

 ロマンヌの妹、レアちゃん主人公シリーズ、再びスタートしました!

 7才のレアが元気いっぱい駆け落ちします!(^^)! 楽しんでもらえたら嬉しいです。

 「ほぅ……」

 レアは子供部屋のテーブルで溜め息なんかついていました。『はぁ……』ではなく『ほぅ……』と言っているところがポイントです。女性らしい色香漂う溜め息のつき方を、先日パエリエちゃんから教わったばかりでした。

 「あらレア。どうしたの? 何か嫌なことでもあったの?」

 そこへやってきたのは、レアのお友達。

 「ジェインでしゅか。珍しいでしゅね。ジェインにも、優しい言葉をかけりゅってことができたとは」

 そう言われたジェインはムっとして、

 「人が親切に声をかけてあげてるんだから、もっと素直に受け取ったらどうなの?ま、最も私は、今日ロマンヌに会いに来たついでに、あなたを見かけたものだから、困っている下々の者に声を掛けるという、イギリスレディーの義務を果たしたまでだけど」

 こうこられては、レアも黙っちゃいません。

 「聞き捨てなりましぇんわね。レアを『下々の者』とはどーゆーことでしゅのっ?上と下があるのは外側の呼び方だけで、心はみんなおんなじって、ママが言ってましたワ。しょーゆーこと知ってりゅってだけでも、レアの方がよっぽどレディーでしゅわねぇ」

 「……ん……っ」

 珍しく、ジェインが行き詰りました。彼女はしばらく悔しそうにレアを睨むと、やがてふっと肩の力を抜いて、」

 「安心したわ。減らず口を叩く元気が残ってるってことは、大した悩みじゃないのね。じゃ、私はロマンヌとの約束があるから――」

 去りかけたジェインのフリルの袖をぐいっとレアが引っ張りました。

 「待ちゅでしゅ」

 「聞いてほしいんなら、最初から素直にそう言いなさい。これでも私は、あなたのお姉さんのロマンヌと同い年。つまり、あなたにとっては人生の先輩なんだから。……ん?ちょっと待って」

 ジェインはある大事なことに思い当たりました。

 「悩みがあるならどうしてロマンヌに言わないの?ロマンヌはあなたにとって姉であり親友でしょ」

 「しょれは疑う余地のないコトでしゅが……」

 レアはらしくもなく複雑そうにもじもじして、

 「……ロマンヌにはちょっとだけ、言いづらいお話なんでしゅ」

 「あらそう。それなら……あなたのパパは?あの人ならきっと聞いてくれるはずよ」

 レアのパパのことを話題に出しながらうっすらと頬を染めるジェインを前に、レアはやれやれと肩をすくめて、

 「恋は盲目、でしゅわ」

 「何か言った?」

 レアは今度はせっかく習った色気も何も台無しなはぁぁ、という盛大な溜め息をつくと、

 「そのパパが、今回のレアの乙女の悩みのモトなんでしゅ……」

 ジェインは目を丸くしました。

 「信じられない。そんなことがあるの?あんな優しくて男らしくて、言うことのない人が」

 「……そうでしゅか?パパはケッコー、ガサツでしゅし、あぁ見えておニブなところもありましゅよ」

 「まさか」

 「まぁ、聞くでしゅ」


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ