表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
いつか来るその日まで  作者: 皐月 時雨
1章 運命
8/8

生活

正義を貫け


どんな(正義)をも退ける正義を

 私が住んでいるこの村は、いわゆる開拓村、というやつなのだろうか。


 この村がつくられた理由としては、国の端に広がる森を開拓する中継地点、もしくは拠点としての場所を開拓者に提供する、というものだ。だから村は森のすぐそばにある。


 そういうこともあって、村には大きな宿が一つある。おもに開拓者が泊まるための宿である。そしてこの宿を村民全員で切り盛りしているのだ。


 この村がつくられ、全員が引っ越してきてすぐに宿のシフトを決める会議が開かれた。


 ちなみに、子供はシフトに組み込まれていない。聖人を迎える十五歳までは正式にシフトには組み込まれないようだ。だから私はいつも本を読んでいられる。無論、正式にはと言ったように、手伝いとして宿にいる子供もいる。


 このシフトだが、入っていないとき、たいていの村人は副業をやっている。現にお母さんは編み物を副業としてやっている。それを近隣の街などに売っているのだ。最近は、編んだモノがよくうれているらしく、お母さんが笑っていた。


 私も一度手伝ってみたのだが、あまり手先が器用でなかったらしく、針を指に刺してしまった。お母さんからは成人になってからまたやろうね、と言われてしまう始末だった。

 前世と合わせればたぶんお母さんと同じくらい生きているので、すごい恥ずかしかったのを覚えている。


 たいていの家庭は、お母さんがしているような副業のほかに家庭菜園をしている。栽培が比較的簡単かつ収穫のインターバルが短い野菜、一度の収穫量が多い野菜を育てていることが多い。

 田舎特有の広い土地があってこそのものだ。

 

 広い土地があるなら、米や麦なども作ればいいかのように思われるが、この世界ではそれは賢明な判断とは言えない。なにせこの村の近くにはほとんど手つかずの森があり、いつ獣に荒らされるか分かったものじゃない。それなら、森から離れたところで栽培したほうが全然いい。

 

 それに、この世界には魔物もいるのだ。魔物、それは正式名称「魔法生物」と呼ばれる、魔術とは違い、超常現象を起こす魔法というものを使用する生物のことだ。魔物については、あまり研究が進んでおらず、何らかの要因により、魔力変換率が異常に上がり、暴走しているものではないかという説が最有力だ。


 そういったこともあり、辺境で大規模な農場があることはめったにないのだ。


 話は変わるが、私たちの普段の食事は基本的に黒パンと野菜のスープ、肉である。海とはかけ離れているからか魚は食べたことがない。近くの川にもあまり魚はいないのだ。


 このうちの野菜のスープは家庭菜園で補える。

 では、残りのパンと肉はどうしているのかというと、月に数回村にやってくる行商の人から買い取っているのだ。


 ここには開拓者がそれなりにいるので、辺境の村にしては儲かるそうだ。


 ちなみに、副業でなにかを作っている人はここにくる行商の人たちにモノを売っている。そこで金を得て、パンなどを買うのだ。

 

 ある意味生活基盤と言える。


 冬には、雪でこれる可能性が少なくなるので、しかっりと越冬できるように保存がきく干し肉やドライフルーツを多く持ってきてくれるのは毎年恒例の光景だ。


 こう考えるとやはり生活基盤なのだろう。


 なんてことを考えながら野菜の収穫を終える。

 今日は本を読まず、お母さんの手伝いだ。週に最低一日はやるようにしている。お母さんは気を遣わなくていいと言うけれど、それでは私の気が済まないのだ。


 また話は変わるが、医者になるには前世と同じように資格がいる。正確には、なくてもなれはできるのだが、国の認定した医者ということで一定以上の技術の保持が保証されるため、信頼と客を寄せやすいのだ。


 特に人命に関わる職業についてはこういった国主導の試験があることが多い。

 たとえば、建設業や調理業に関しては試験がある。


 こういった試験があったり、行商の人に聞いたらそこそこの大きさ以上の街には上下水道がきちんと整備されているらしいことから、この国では技術はかなり進んでいるのかもしれない。


 前世とは違った、魔術で発展した世界の技術はすごい楽しみだ。

 

 私は浮かれた気分のまま、収穫したばかりの野菜を入れた籠を持って家に入った。

 保障の漢字が意味とあっているか不安ですが、ひとまず書けました。


 本文最後にも言っていますが、魔術で発展した世界をどう描けばいいのかすごい悩んでしまいます。ただ、この世界での魔術とはあくまでも自然現象の延長という位置づけなので、あまり突飛なものにはなりそうにはないです。むしろこちらと似たようになるかも...?

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ