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食事

ギルドに着いたときにはもう日が大きく傾いていた。時計が常にある生活に慣れていたので時間が把握できないこちらの世界では少し不便なところだ。


ギルド内に入る、もう夕方近くということもあり、ギルド内にある酒場も繁盛している、絡まれないようにしたいところだ。リムさんが受付にいるので『はねキノコ』を渡しにいく。


「リムさん、これ依頼の品です」


「はい、『はねキノコ』10個ですね。確認しました、しかし遅かったですね、なにかありましたか?」


「いえ、少し休んでただけですよ」


笑いながらごまかす、説明してもいいんだがレミアも隣にいるということもあるのでやめておこう。


「そうですか、ではこちら報酬となります」


リムさんに銀貨と銅貨を渡される、レミアも冒険者となっているので多分一緒に払われたんだろう。半分に分けレミアに渡す


「はい、レミアの分」


「あ、いえ、冒険者となっても私は奴隷としての……」


「はいはい、いいの受け取って、レミアも買いたいのとかあるでしょ」


レミアが拒否するが、手の中に入れ握らせる。こうでもしないと受け取ってもらえない、俺は奴隷としてレミアを買ったが束縛するようなことはしたくない、無論離れても欲しくないが……


「ふふ、大変ですね」


リムさんが俺たちのやり取りをおかしく思ったのか笑う、これからもこうだとちょっと色々大変なんだが。そういえばお腹が減ったな、この前は食堂だったがこの辺で食べ物屋とかあるんだろうか


「リムさんこの辺でおいしい食べ物を出すお店とかありませんか?」


「うーん、それなら屋台とかどう?色々なお店があって、おいしいよ?」


「そうですか、ありがとうございます!でもリムさん口調変わってません?」


リムさんが、しまったという顔をしながら口を隠す。もう言ってしまってるので意味がないし、マンガみたいなやり取りですごいおもしろいんだが、でも屋台かいいな、祭りみたいな感じなんだろうな


「すみません、少し意識がご飯のこととなると、楽しみになってしまって」


いや、リムさん。それ大丈夫か、こんな酒場が近くて、酒の匂いと肉の匂いが立ち込めてるのに。仕事はいつまであるんだろう……


「あー、そうですよね。お仕事大変なんですか?」


「はい、交代の人がいないと大変ですね、今日はそろそろ終わりだと思いますが……」


「あ、そうなんですか、じゃあ一緒にご飯食べません?」


「え、よろしいんですか?」


「いいですよー、では待ってますね」


「いえ、大丈夫です、少々お待ちください」


すぐに扉の奥へと走って行ってしまった、なにか用事でもあったんだろうか


「レミアもご飯は屋台でいい?あ、私が払うからお金は大丈夫だよ?」


「はい!私屋台初めてなんでワクワクしてます!」


レミアもご飯は楽しみなのか、うーん単純なのか…リムさんと似てるな、しかし露店といってもどんなのがあるんだろう……この前食堂で食べた焼き鳥とかあるんだろうな。お好み焼きとかあるかな、ないだろうな。と思ってたらリムさんが戻ってきた、


「では、行きましょう!」


「あれ、お仕事は?」


「マスターに話して許可とってきました」


え、そんなんでいいのか?仕事ってそんなに簡単に抜けていいものなのか?リムさんが手を取ってにこやかにする


「では、行きましょう!」


強引に俺とレミアの2人はリムさんに連れてかれた……


♢♢♢


リムさんに連れてこられたのは、日が落ちたというのに騒がしい屋台が並んでいるところだった。夏によく行く祭りの屋台を思い出す。どうやら、屋台の前には椅子と机があり、座って食べれるようだった。屋台には証明用の魔法符が使用されているようであり、周辺はとても明るい。


「なに食べるんですか?」


「うーんそうだなぁ、ドルピグ巻きってやつ食べてみない?」


おっと、いきなり知らない名前。しかも口調とか全然違う。そういえばリムさんって何歳ぐらいなんだろう、仕事してるときは大人っぽいんだが、今はご飯のこととなっているからかなんか子供っぽいような印象をうける。でも年を聞くのはやめよう、女性にその質問はタブーだろうし


「ドルピグってなに?」


「それはですね、豚の一種なんですが動きが豚よりも遅くしかも体が倍ほどあるんです。落ち着いている時はいいんですが、怒った時とかは突進など仕掛けてきて大変です」


代わりにレミアが答えてくれた、豚の2倍というと牛よりは小っちゃいのか、猪みたいなものだろうか。おそらく魔物の一種なんだろう、そんなのを飼っているとは思えない


「そーそ、時々Dランクぐらいでも小さいのは依頼で出されるからね、その時実物を見てみるといいよ。突進結構迫力あるからねー」


腕を頭の後ろに組みながら歩いているリムさんが言う、DランクなのかまだまだEランクだしな頑張らなきゃな




リムさんが言っていたドルピグ巻きの店の前に来た。どうやら薄いクレープのような生地の上に焼いた肉と野菜を挟み食べるようだ。店の所には丸々一体そのまま焼かれたドルピグが吊るされていた、たしか屋台でいうとドネルケバブだっけかそんなような光景だな


「リムさん、私が奢るので席確保してくれません?」


「え、いいの?じゃあお言葉に甘えて、はいレミア行くよ」


「えっ私もですか?」


「そうそう、ほらっ」


レミアがリムさんに手を引かれて連れてかれる、ちゃっかり呼び捨てだったことは無視だな。ではすぐに買って食べるとするか




3人だったが、一応4個買っておいた余分に食べたいかもしれないからな。丁度夕ご飯の時間帯なのか結構混んでいる、正直持つのが大変なんだが


「おーい、こっちこっちー」


リムさんが、手を大きく上げてこちらに振っている。リムさんはギルドの受付なんだから知っている人も多そうなのに大丈夫なのだろうか。人を避けながら座っている所へといく、4個も持っているので大変だ。机に付きそれぞれに渡し、椅子に座る


「ふぅー、結構大変でした」


「ごめんね、レミア連れてきちゃったっけ。よし、じゃあ食べようかっ」


リムさんの合図で食べ始める、今は女であるためにがぶっと大きくいけないのだが、それでも大きく口を開き食べる。噛むとなかからジュワっと肉汁が出てくる、結構厚みのある肉でお腹に溜まりそうだった。リムさんはおいしそうにバクバクと食べている、正直仕事をしている姿とは全然違う……でもまあこれが素なんだろうな多分。レミアは小さい口もがんばって開けて食べている、食べた瞬間笑顔になっていたので味とかの問題はないだろう。後半は無言になりながら黙々と食べていた


「ふぅーおいしかったねー」


「はいっ、美味しかったです!」


2人とも満足してくれたようだ、とはいってもレミアもリムさんも2個は食べたからな。俺は当然一個だ、ほんと食べれん。


「ん、そうだ、ちょっとまってて」


リムさんが席を立ち、うしろにある店へと行く。なにやら飲み物らしきものを買っているが特別なものなんだろうか、でも助かる丁度のどが渇いていたとこだった


「はい、喉乾いてたでしょ」


「ありがとうございます、でもこれなんですか?」


「んー、まあまあ飲んでみなって」


木製のコップに入れらてるのは上に泡があるようなビールみたいな飲み物、色はわからないが炭酸のような粒粒が見えるような気もする、飲んでみよう


ん――!?酒じゃないか?この喉にクっとくる感覚、間違ってビールを飲んでしまった感覚によく似ている、それにしてもこれはなんだろう、レミアはガブガブと顔を赤らめながら飲んでいるが大丈夫なのだろうか


「これはね、トルネクといってお酒の一種だよ、私のおごりまあ飲んで飲んで」


いや、なんでお酒を進めるんだよ。リムさんもグイグイと飲んでいる、一方レミアのほうはもう出来上がってしまったのか机に屈服してる。これじゃ酔っ払いと泥酔さんに悩まされる運命に、俺はこうはなりたくないので飲むのは控えるとする。






大分飲んで満足したのか、リムさんはふらふらしながらも帰って行った。俺は弱っているレミアを連れて宿屋に行っている。レミア重くはないんだが、こうもフラフラすると大変だ。無暗に抱えられないし、道はちょっと暗いし……あ、宿屋の明かりが見える、もう少しだもう少しで着く


宿屋につくと、昨日と同じ人が受付にいた。手伝いましょうかと言われたが、大丈夫ですと言い部屋へと行った。部屋に着いたらレミアをベッドに寝かし、腰につけてあるものを床の上に置く。正直今日は疲れた、何分初めてのことが多い。レミアもこんな状態だしな、着替えとかさせれないけどしょうがないか。俺だけでも着替えるか


寝るようの服に着替える、こちらの世界の気候は安定してるのか過ごしやすいそのため服のほうも薄いので大丈夫なんだが、女性ものの服というのは何か嫌だ、慣れとかだろうがそれでも抵抗感は残る。それにしても風呂に入りたいな。川で体は少し綺麗になったとは思うが、やっぱりお湯で温まりたい。今度レミアに聞いてみよう。


さて、寝るか。レミアがベッドに寝てる状況だしな、しょうがない床に座ってベッドに寄りかかりながらなら寝れるだろう、よし、じゃあ――うぐっ!?なんだ?誰かに抱きつかれてってレミアか寝ぼけている


「うーん、ふふふ」


ちょっと待て、なんで笑ってるんだ、ちょっ力が……


「うわぁぁぁぁぁぁ!!」


そのままベッドに引きずられ俺はレミアに抱きつかれながら眠った……




♢♢♢


翌朝


俺とレミアはギルドに来ていた。目的は俺の魔法の特訓と依頼のため。さすがに依頼を1つだけというのはマズイので多く依頼をこなすこと。それに魔法はまだ全然やっていないし、あと考えていることが実践できるのかやってみたい。あと、魔物のことだ。俺は前にゴルドジェニだけは倒したがあれは恐怖というのはまったくなかった。しかしほかの凶暴な魔物となれば話は別かもしれない。だから魔物と戦うというのはこの世界で生きていくには重要なことだ、経験しなければいけない


しかしそのためにはやはり魔法、あと剣もだな。よし、じゃあがんばりますか!

なんか更新スピード遅くなってますね、すみません


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