奴隷商館
まだ日は高い所に昇っていた
街中は騒がしく、お祭り騒ぎのようだった。先ほどは
ギルドを探すために必死だったがいまでは金も手に入りゆったり
しているため、辺りを見渡しながらあるく。
獣人族や妖精族がいると、お姉さんの話でわかったが
案外身近な所で生活しているらしい
ここまで歩いた中でも仕事なのか飲食店のようなところの
前で声をかけている猫耳の人や、アクセサリーなのか銀の装飾品を
店頭に出し商売している妖精族だと思われる男性がいた。
現代での生活でこの様子をみたら間違いなく、コスプレと
いいたくなるが、ここは異世界。なんも不思議じゃないのである
♢♢♢
ギルドから結構あるいた所で、大き目な屋敷が目に入った。
これまでの風景と比べるとかなり違っていて、独特な
雰囲気を醸し出していた
なにはともあれ、行動しなければ始まらない
大きな扉の前に立ち、一応コンコンとノックをして入る。
大きな扉は押しただけで招き入れるかのように開いた。
屋敷のなかはとても豪勢であり、高級そうな絨毯や
現代ではアンティークと呼ばれるような代物がたくさんあった。
扉の先で椅子に深く座り、こちらをみている男性がいた。
おそらくこの屋敷の主人だろう。一直線に男性のもとへと歩む
「こんにちは、今日は奴隷を見に来たのですが
よろしいですか?」
「おやおや、綺麗な方ですね。女性の客とは珍しい、どのような
奴隷をお探しででしょうか?」
「冒険者に登録したので、戦闘に向いている奴隷をみたいのですが
よろしいですか?」
「冒険者の方でしたか、わかりましたこちらへどうぞ」
屋敷の主であろう男は席の後ろにある木製の扉をさして招いてきた。どうやら奴隷の所に直接案内されるらしい。男の後に続くように歩いていく。扉の先は地下室に続くのか降りていく階段になっていた。
「奴隷といっても、種類や種族の違いはたくさんあります。種族ですが獣人族とまとめられますが、種族はたくさんいます。例えば『虎人族』や『狼人族』、妖精族のなかには『エルフ』や『ダークエルフ』などです。
妖精族は古代から人とのつながりが多いので奴隷になることはあまりないのですが、国での認可のない奴隷商などでは秘密裏に取引されてるようです。しかしこちらは認可されているので安心してください」
振り向きながら最後の一言をいう屋敷の主。信頼が売りなのだろうと勝手な考えをもちスルーする。街で見た中では今言った『狼人族』や『ダークエルフ』といった種族の人たちはみていない。外見は分からないがおそらく体の一部やもしくはすべてにそれぞれの特徴があるのだろう。
「こちらが戦闘用とよばれる種類に分けられる奴隷達です。
端からご覧ください。」
階段を降り切った先には、首輪につながれた多くの奴隷達。壁から出ている首輪にそのまま繋がれていて部屋の区切りはない。ただ横一列に奴隷が並んでいた、外見は元は男の俺からしてみれば重要だが、冒険者になった今能力の高い奴隷が必要となる。さすがに見ただけで魔法の才に長けているとか、戦闘の能力が高いとはわからない。
「あの、このなかで魔法に長けているものはいますか?
できれば戦闘の経験もあるといいのですが」
「はい、あの性別はどちらでしょうか?」
「えっと、女性でお願いします」
「お値段が張るかもしれませんが一人よいのがおります。
どうぞこちらへ」
そういわれ奥の方へ案内される。値段が張るというのは能力が高いからなのだろうか、それとも外見がよいのだろうか。最初に要望したから前者のほうだろう。できれば両方の方がありがたいが
「こちらが、私らの奴隷のなかでは一番といえるオススメのものです。種族は『狐人族』戦闘経験や魔法の使用も多々あり、容姿も一品でございます。少々汚れてはいますが、奴隷としての立場上こういった扱いとなります」
説明をされた奴隷は奴隷の列では後ろの方にいた。列の感覚としては5mに一人という間隔で奴隷が繋がれていた。そのせいか多くの奴隷の前を通る形になり視線を向けられるというのがあり、少々困ったが。兎にも角にも目の前の奴隷だ。
容姿はまさに野生の狐がそのまま擬人化したんじゃないかという感じで、尻尾や耳はもちろんあるがどこか元気のない様子で耳は少し垂れているようにも見える。髪色はオレンジと黄色の中間といったところ、目は赤色でこちらを見透かしているかのような印象を受ける。顔はもちろん人のようなのだが、今までの人生で見たことのないほど美形だった。地球であったら間違いなく見れることはないだろう、モデルとかといった美しさとはもうレベルが違う。吸い込まれるような美しさだ。
「きれいな方ですね、値段が張るとおっしゃりましたが
どれほどですか?」
「こちらとしてもオススメであり、同じような奴隷を仕入れるには大変です。こちらとしてはミスリル銀貨30ほどが適当なお値段であると思います。しかしお客様も美しく、冒険者でありますからねミスリル銀貨28まいほどでどうでしょうか?」
俺は男の値段に驚いた。30枚という価値ではなく、まけられた枚数だ。仮にも銅貨を一枚1円としよう。そうするとミスリル銀貨一枚で100万だ。銅貨の価値は買い物していないためわからないが、勝ちは1円よりは高いだろう。そうするとこの男は200万以上もまけたことになる。よほどのことだ、それほど俺の容姿がいいのか
わからない。だが金はギルドで説明された通り幾らでもある、当然払える額だ
「わかりました、その値段でお願いします。今すぐにでも
引き取りたいのですがいいですか?」
迷いもなく買うと宣言した俺に屋敷の主やほかに奴隷である者たちもどこか驚いてるような表情だった、無論買うと決めた奴隷も然りである。なにが驚くことなんだろう、奴隷といえども人を買うのだ、謂わばその人の人生を買うのだこれくらいの値段はするだろう。硬貨の価値がわからないから勝手な想像だが
「あの、お客様。失礼ですがお金の方はお持ちでしょうか?
値段も値段ですので手持ちでないなら待つこともできますが」
「いえ、こちらにありますので」
そういって、腰にある袋を指さす。ギルドのお姉さんにもらったものだ。持って歩くのもどうかと思ったのでベルトに巻き付け持っていた。重さは相当あるのだろうが、身体能力が向上しているためなんともおもわない
「そうでございますか、では契約は上で行います。私は奴隷を連れて行くのでどうか先に行ってていただけますか?すぐに向かいますので」
主の声に頷き、すぐに上へと向かった。後ろから何か声がしたように思われたが気にしなかった
♢♢♢
上で待つこと数分、主が奴隷を連れてきた。首輪は外されてはいるが、服装は薄汚れた服であった。しかし奴隷いやもう彼女にしよう。彼女の顔は元気が戻っているようだった、耳がピンと張っている。どうやら薄汚れている上に地下で薄暗かったというのもあってわからなかったが、尻尾や耳は先端に近づくにつれ色が薄くなっているらしい。
「お客様、お待たせいたしました。こちらが『狐人族』である奴隷のレミアでございます。奴隷契約があるので少しお時間いただきますね。」
どうやら彼女の名前はレミアというらしい、一緒に戦うこともあるから覚えねば。主はどこからかギルドで見た水晶なようなものを2つ出した。
「こちらに手を置いてください、そうすれば自動で契約は
終了いたします」
そういわれ、水晶に手を置く。水晶は主が持っているため少し手が触れたがきにしない。レミアも同時に置き水晶は少し光り続けたあと収まった。どうやら契約は終わったんだろう。
「シノノメユウキ様ですね、奴隷契約は終了致しました。奴隷契約の説明を致しますね、奴隷契約というのは――」
そこから契約の説明が始まった。内容としては
奴隷の行動はすべて契約をした主人に委ねられる
奴隷の管理のため一定の食事と場所の確保が必要
契約の解除は購入した場所で行う
主人が死亡した場合は主人の遺言通り、ない場合は購入した場所に戻る
といった内容だった。国の認可というのもあり食事などは提供する義務があるらしい。そんなこと言われなくともあげるが、もちろん豪華なのをな。水晶はギルドで行ったやつと同じような作りらしく、魔法とかで個人を認識するそうだ、契約の説明と同時に言われた。
「これで、奴隷レミアは主人がユウキ様として登録されました。ここからの奴隷の管理はすべてユウキ様に任されます。購入ありがとうございました。ぜひ機会があればまたお立ち寄りください。」
主がそういうとレミアが近づいてきた
「ご主人様、今日からあなた様の奴隷となるレミアと申します。よろしくお願いしますね」
満面の笑みで挨拶された。これは男だったら危ない、ほんとに危ない。本能が理性を振り切るだろう、女でよかったと少し思う。ちなみにご主人様と言われたことで鳥肌が立ったのは内緒だ
「う、うん。よろしくねレミア、じゃあ早速いこう。
宿をとらなくちゃ」
「はい!ご主人様!」
外に指をさし、歩こうとするが、レミアのご主人という言葉にまた鳥肌が立つが気にしない。呼び方に改善がいるなと思いつつ外にでようとする、すこし振り返り主の顔をみると笑顔だった。よほどいい買い取り手だったんだろう、まあ気にしないさ
やっと、奴隷もといヒロインの登場かな?
それにしても小説書くのはムズイ……
主人公が女になったというのもあり、アッチ系な話をいれるか検討中
皆様拙い文章ですが、よかったら感想などお願いいたします