2/4
俺は目が覚めた
俺の名前は永山謙二。ある朝の高校の登校時にトラックに跳ねられ異世界に召喚された。
そこでなんやかんやあって十年が経過していた。
そして、目の前には白い天井と明るい照明が広がっていた。
「戻ってきた」
頭がぼんやりとしていたが、身体のあちこちに点滴がありここがどこかなのかがわかってくる。俺の口もとについていた呼吸器を外し、俺は上体をお越していた。身体は動き、ダルい感じもしばらくすると抜けてきて改めてここが病院であることを実感してきた。
俺はそれに気がつくと、涙なしにはいられなかった。
「戻ってきたぁぁぁぁぁ!!!」
俺はベッドから立ち上がり、大きな声をあげていた。目が覚めたばかりだというのに自分でも驚くほどの声を出すことができた。この病院独特の臭いも久しぶりに感じていた。
そしてしばらくしていると、病室のドアが開けられて何事かと騒ぎになり、事態は変わっていく。
「あなたは25歳です」
「え?」
「身元引き受け人がいません」
「えええ?」
「入院代は以下となっています」
「ええええぇぇぇ!!」
俺は目が覚めた瞬間から借金を背負わされるのだった。