強くてカッコイイ感じで
死神のなんちゃって命名式で生まれた、微妙な空気を振り払うようにシュニーファルが喋りだす。
「じゃ、じゃあ、夜水野さん改め、カロンさんには転生先での希望を決めてもらいまーす。ある程度の要望には応えられると思うので、こういう風になりたい!ってのがあったら教えてください。」
「できれば人間がいいんですけど、えーっと、ファル様?その転生先というのはどんな感じの世界なんでしょうか?」
「んー、分かりやすく言うならファンタジーな世界かなー。剣と魔法と魔物、獣人とかの亜人も色々いるね、人間もたくさんいるけど、僕を信仰してる奴らはだいたい変人だから関わらないほうがいいよー。」
自分の信者をサラリとディスりつつ、シュニーファルはザックリと説明してくれた。
「そうですか。それなら種族は人間のままで、できるだけ強くてカッコイイ感じでお願いします!」
「了解でーす。それじゃあ、飛ばしますよー。」
そう言うとシュニーファルは四本の腕で、空中に魔法陣を描き始めた。いかにもファンタジーっぽい。
俺の体は徐々に光を帯びていき、端の方から霧散し始める。少しくすぐったい妙な感覚だ。
「ズビッ!時々会いに行きますからぁ、頑張ってくださぁーい!」
骸骨のどこから涙が出てるのか不明だが、ハンカチで顔を拭いながら死神が別れの言葉を告げてきた。
「二人とも色々ありが―」
「あ!言い忘れてましたけど、要望が叶えられなかった場合、僕の眷属の中で、最も要望に近いものに置き換わるので、ご了承くださーい。」
「え?」
シュニーファルの遅すぎる注意勧告を聞きながら、俺の視界は真っ白に染まった。




