ばけもの子供の物語 夢R2
世界の果てのその隅の方。
黒い塔があります。
そこに一人のばけものの子供がいました。
黒い羽をはやしたそのばけものは、いつも一人ぼっち。
話し相手になってくれるのは、同じことばを喋るロボットだけ。
そのばけものは、いつしか人間の友達がほしいなと、夢を抱くようになりいました。
ある日、その黒い塔に一人の女の子がやってきます。
その女の子は、ばけものが一人ぼっちなのを見て「友達になろうよ」と言ってくれました。
ばけものの女の子は大喜び。
その日からその女の子とたくさんお喋りしたり、たくさん遊んだりしました。
しかし、二人はしゅぞくが違います。
女の子は人間で、ばけものはばけもの。
だから、本来は一緒にはいられないのです。
ある日、女の子が黒い塔で「おとまり」をして帰れなかった日。
その翌日に、事件は起こります。
女の子を助けるために、武器を持った大勢の人達が黒い塔にやってきました。
その大勢の人達はばけものを倒そうとして、武器をつきだします。
けれど、ばけものを助けようとした女の子がわりこんだため、ばけものは死にませんでした。
かわりに人間の女の子が倒れてしまいます。
ばけものはその女の子をかかえて、黒い羽でとびたち、人間の怪我をなおしてくれる人をさがしにいきました、
どうにかみつけたお薬屋さんで、ばけものは選択をせまられます。
人間になれる薬と人間を治す薬、どちらか一つしか売れないとお薬屋さんがいったからです。
ばけものは迷わず、人間を治す薬が欲しいといいました。
おかげで女の子の傷はふさがり、すっかり体調がよくなりました。
けれど、もう一緒に入られません。
ばけものと一緒にいたら、人間は怪我をしてしまいます。
ばけものが抱いていた、友達が欲しいと言う夢は一度だけかなったので、もう満足です
だから、ばけものは「さよなら」をつげて、女の子の元から去っていきました。