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第93話 闘技大会本戦開幕!!

 結局俺は宿でチサとお昼ごろまで眠った後は、宿で食事を取ったり、軽くマキラの街を出歩いて時間を潰す。


 ただ、闘技大会前日というだけあって物凄い人で溢れていた。


 そして午後8時、時間通りに宿へとやってきた一際輝いて見えるリリエットと共に領主の館へと向かう。


「そういえば、リリエットは、治安部隊を抜けてきても大丈夫なのか?」


「うっ......。痛いところを突くな。ハッキリ言って大丈夫ではない。だが、私はこのままの状態で仕事をするのは厳しすぎるのだ。光の所為で舐められたり、喧嘩の仲裁に失敗したりな。」


 リリエットは相当に疲れていた。最早今となっては最初の羞恥心は欠片もなく、いつもなら必要のない労苦を味わった心労だけが全面に押し出されていた。


「お主も大変じゃのう。まあマキラは話が分からぬ奴ではないからの。妾が一肌脱ぐとしようかの。」


「恩に着る。」


 リリエットは相変わらず硬い口調ではあったが、もう俺たちに対して偉ぶったりする事は無くなっていた。相当この罰が堪えたのだろう。


 その後、領主の館で俺たちがマキラと面会した際、チサが話すと二つ返事でリリエットの罰が許されることとなった。

 俺もリリエットも呆然としていた。いくらなんでもマキラはチサに甘過ぎではないだろうか?


 そんなやり取りがあった後、発光しなくなったリリエットは急いで自分の部隊へと戻る為、人の荒波の中へ消えてゆくのだった。


「妾たちも戻るかの。」


「そうだな。明日は闘技大会だしな。」


 俺とチサはそう話をすると、まるで昼間の様に明るい通りを人で押しつぶされそうになりながらも宿へと戻り、早めの睡眠を摂るのだった。


 翌朝、俺たちはマキラ領の闘技場の中にいた。

 午後8時から闘技大会は開始の筈なのに朝からこの場所に居る理由、それは、午後からだと闘技大会の会場に入れないのだ。


 というのも、闘技大会本戦は当然の様に賭けが行われ、入場と同時に賭け札も購入するのだ。人でごった返しとなる闘技大会でその様な人海を抜けて、闘技場入りするのは至難の技というわけである。


 そんなわけで、この場には今大会の出場を決めた14名の選手が集まっていた。


「トーナメントというのはまだかの?」


「まだみたいだな。」


 チサと言葉を交わしながら待っていると3色に色分けされたトーナメント表が出される。


「なるほどのう。つまり一回戦で、同じ場所の選手とは当たらないというわけじゃ。」


 こうして抽選が行われ、俺とチサは逆のブロックになる。ちなみにベガはチサと同じブロックで勝ち上がれば準決勝で当たる様になっていた。


 こうして俺はチサとベガとは別の部屋に案内され、闘技大会が始まるまで、ゆっくりと待つのだった。


 闘技大会が始まる。まずは、マキラが会場で挨拶をする。

 アルは病気ということになったらしい。挨拶は無かった。

 その後、デウスが挨拶をする。彼はかなりの長身の男性で、髪の毛はガチガチに固められたリーゼントだった。年はまだ若そうであったが、鋭い眼光と、彼の放つ雰囲気は只者ではないオーラを醸し出していた。


 そうして各領主の挨拶が終わったところで、

 一回戦第一試合。いきなり俺の出番での開始だった。俺の相手は、長剣を持ったマキラ出身の青年だった。


「おいおい。俺の相手は子どもか? 正直あまり気乗りしないんだが、闘技大会である以上は勝たせてもらうぞ。」


 ちなみにだが、本戦には実況や解説は一人もいない。選手の邪魔にならぬ様に配慮した結果なのだとか。


 俺はこの大会を少し楽しみにしていたのだが、この後一気にやる気を失うことになる。


 一回戦。俺は大口を叩いた青年に対し、黒影切を呼び小手調べに軽く撃った「追・ジン」で相手が戦闘不能になる。ハッキリ言って拍子抜けもいいところだった。


 俺は控え室へと戻される。というのもこの戦い、勝った選手は相手の手の内を見られない様に毎試合毎に控え室へと戻されるのだ。


 俺は見ようと思えば分身で見ることも出来たがやめておく。チサの戦いは見たかったけど。


 二回戦。相手は、またもマキラ出身の選手で、今度は女性だった。


「覚悟してください! 私の火球を全て見切った人はこれまでに誰一人としていませんから。」


 そういうや否や彼女は技能で100以上の火球を作り出し、自分の周囲に浮かべる。俺は先程の様に小手調べで、倒れてしまわれるとつまらないので、今度は彼女が技を出すのをじっくり待つ。


「この技が完成するまで待ったのが運の尽きでしたね! 終わりです! ファイアバレット!」


 そういうや否や彼女の周囲に浮いていた火球が列を為して俺へと襲いかかってくる。


 だが、俺にとっては欠伸が出そうな攻撃だった。技能レベルが低いのだろう。一度に同時に飛んでくる火球は3つが限界の様で、全て黒影切で切り落とせてしまった。


「そ......そんな。降参です。」


 彼女は、そう言うとその場に魔力切れでへたり込んでしまう。

 俺は湧き上がる歓声の中控え室へと戻るのだった。


 そして迎える準決勝。対戦相手はと思ったら、不戦勝だそうだ。というのも、準決勝の相手は、死力を尽くして戦い過ぎた所為で、2回戦終了時にギブアップしてしまったのだ。


 結果として俺は一歩も動くことさえなく、決勝進出を決めるのだった。


「まじかよ......。これならまだユキグマの方が強かったよ。」


 俺は予想以上に弱すぎる相手に落胆しながらも、決勝で上がって来るであろうチサとの戦いを楽しみに待つのだった。

1万字チャレンジ達成です......!


もうヤバイわ。

脳が......。脳が、疲労で死んでしまう。

でもやっぱりやり切った達成感は凄いです。

ただ、連日はしんどいので、流石に明日はペースを落とさせてください...。


さて93話ですが、まあベガが三連覇できるレベルですからね......。ジンには物足りなすぎた様です。

でもここから山場が来る筈です!

多分...。


「おい! 頑張れよ。しょた丼!」


と言いたいところなのですが、疲れすぎて今ちょっとコメントが弱気です。

明日は復活している筈ですので、第94話お楽しみに〜


20/12/19


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