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第79話 不正の証拠①

 まず、俺はギュジットとアルの取引において、人払い・護衛を行なっていた、ギュジットの部下達を分身達で潰してゆく。


 勿論、彼らを潰すと言いつつも殺したりはしない。

 彼らには俺が事を為すまで寝ていて貰うのだ。


 俺の分身は分身であるが故に俺よりも大幅に劣る力しかないのだが、俺の気配遮断を纏っていることもあって、全ての者を音も無く倒す事に成功する。


 この時俺(本物の方)は、領主から借りた家で眠っているチサを起こす。


「チサ、起きてくれ。」


「ふああ〜。なんじゃ? ジン。まだ夜ではないか。」


「今から俺が不正の証拠を押さえてくる。しばらくここに俺の分身を置いていくから、無いとは思うが、誰か来たら上手くやってくれ。もしかしたら分身を操ってる余裕も無いかもしれないから。」


「なるほどのう。つまり不正の証拠が出たのじゃな。分かった。妾はここで待っている故に、早く戻ってくるのじゃぞ? 妾は寝足りんからの。」


「ああ、すぐ戻ってくる。」


 そう言うと俺はこの家全体に気配遮断をかけ、実像分身を一体作ってチサの隣へと置いてギュジットの元へと駆けてゆく。

 途中一般人に扮したアルとすれ違ったり、俺の分身によって倒されたギュジットの部下がいたが、俺は気にせずに駆け抜けてゆく。


 そして3分後、俺は、鈍い足取りで引き上げようとするギュジットの目の前に立っていた。


 俺は気配遮断を纏ったままその場の者達にはギリギリ認識できる程度まで気配遮断を薄めてゆく。


「ッ! 何者だ!」


 ギュジットの近辺を護衛する片方の男が気付く。


「ハァハァ。どうされましたッ! ジルさん? ハァハァ。」


 その重い体を震わせてギュジットは反応する。


「ここに何かが居ます!」


「ハァハァ。なんですと!!?? ハァハァ。」


「姿を現せ! ここにいるのはわかってるんだぞ!」


 ジルと呼ばれた護衛の男が叫んだ時、俺は悪辣な笑みを浮かべて言う。勿論、声から身バレするわけにはいかないので、気配遮断で一部音域を遮断して話す。


「姿を現せと言われて正直に表す馬鹿がいると思うか? それにわざわざ、おまえたちが認識できる様にしたんだ。感謝してもらわないと。」


「ぐっ......!」


 ジルは言葉に詰まる。


「ねぇ、ジル? ここに何がいるの? それにこの気持ち悪い低音のダミ声はなんなのよ!」


「キアラ、俺にも何が居るか分からねぇんだ!ギリギリこの辺りに何かが居るということくらいしか。」


「とにかく、ジル!私達は護衛なんだからギュジット様を護るわよ。貴方は何とかして敵を見つけて!」


 そう言うとキアラは、手を前にかざして叫ぶ。


円形障壁(バリアドーム)


 その瞬間、ギュジットとキアラ2人を覆う様に障壁が覆う。


「ジル!これでギュジット様は安全だから、早く倒して!」


「ああ!まかせろ!」


 付き合ってやってもよかったのだが、俺は生憎チサに早く戻って来て欲しいと言われている。

 それに分身が近くに居るとはいえ、チサを1人にしておくのは俺にとって少し不安だったのもあった。


「黒影切」


「黒・ジン」


 俺は障壁に向かって黒色の刃を放つ。

 辺りには障壁が割れる甲高い音が鳴り響く。


 パリイイイン。


「嘘......でしょ......?」


「すまんが張り直されたら面倒だからお前も寝ててくれ。」


「アッ......!」


 俺は一撃でキアラを気絶させる。


「キアラアアアアアアアアアア! そこに居るんだな喰らえ! 」


 キアラの障壁がいとも容易く破られ、しかもキアラがその場に崩れ落ちたことに動揺したジルが先ほどまで障壁があった場所に向かって技を放つ。


「風砲」


 俺はその技を相殺するために加減して技を放つ。


「黒・ジン」


 が、俺が放った黒い斬撃は、風砲よりも強かったらしく、そのままジルへと向かってゆく。


「なッ! くそオオオオオオ! 」 


「ぐあああああああああああああああ!」


 俺の一太刀とはいえ、手加減し、更に彼の技で威力が落ちていたのもあって、ジルは何とか生きていた。


「すまんな。本当は怪我をさせるつもりは無かったんだが。冷静になれよ。もし俺があの一撃をかわしていたら雇い主が死んでいたぞ。」


 それだけ言うと俺はジルに一撃を入れて、完全に意識を奪う。


「グハッ。」


 そして俺は、ギュジットへと向き直る。


「さて、これで話ができるな。ギュジット。」


「ハァハァ。貴方が誰かは知りませんが、キアラさんの悲鳴を聞いて他の護衛の方々がー。」


 俺はギュジットに声をかける。


「18人。」


 その言葉を聞いた時ギュジットは息切れも忘れて一瞬キョトンとする。


「はい?」


 そして、数秒後、彼は気付く。俺が発した人数が、周囲に配置した護衛達の数に一致していることに。


「ハァハァ。なっ......なっ......!!?? まさか! まさか! あの皆さんを―。ハァハァ。」


 ギュジットのリンゴの様に丸々とした顔が一気に青白く染まってゆく。俺は不謹慎にも青リンゴが食べたくなったが、即座に頭の中から排除する。


「......ッ。想像の通りだ。さて、このタイミングで現れた俺の目的はもう察しがついているのだろう? アルとの取引の控えである木版を渡してもらおうか。」


 俺は目の前にいる絶望の表情を浮かべるギュジットに無情にも言い放った。







ジン......。お前なんか悪役に見えるよ。主人公で、正しい事をしてるはずなのに、悪役だよ......。


という、しょた丼の思いは置いといて、

次話で、アルの不正のお話は終わると思います!


ということで、次は80話!内容は全然節目じゃないけど、また10話積み重ねたんだなと思うと感慨深いですね。ではでは!お楽しみに〜

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