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第72話 4番人気のチサ

「会場のみなさん! 本日はこの闘技大会へ足を運んでくれてありがとォォォォ!本日のこの大舞台、実況・解説するのはこの私、アル・フォー・ラーゲル歩く拡声器、ビックボイスだよー!」


 ウオオオオオオオオオオオオオオ!


 大音量で響き渡る男の名はビックボイスと言うらしい。しかも彼が言葉を発するたびに割れんばかりの歓声が上がることから、彼は相当な人気者なのだろう。


「歩く拡声器とはのお。近所迷惑になりそうな異名じゃな。」


「だがナッ?実際のところビックボイスの正体を知っているのはアル様とこの大会の運営くらいで大抵のやつがその顔すらしらねぇんだヨッ。」


 なるほど。どうやらビックボイスという男は、周囲から全く知られていないらしい。これだけ特徴的な声をしてれば目立ちそうなものだが。


「さあ、さあ、さあ! 正午の開始まで残り20分!オッズが確定したようだよ〜! 試合開始まで出来る限り紹介していくねー!」


 ウオオオオオオオオオオオオオオ!


「まずは大本命!1番人気はこの男!」


 その瞬間会場全体が闇で包まれる。


「な......なんじゃ! 闘技場の外は明るいのに急に闘技場だけ真っ暗になったのじゃ!」


「大丈夫ダッ。チサッ。これは演出ダッ。暗闇の技能で闘技場内だけを一時的に暗くしている。」


 そうベガが言う。


「この大陸に住む者で彼を知らぬ者はいない......! その強靭な肉体、何度倒されも立ち上がり幾多の戦いを勝ち抜いた、今大会三連覇中の猛者、その名も〜!」


 その瞬間ベガのみが光に照らされる。


「馬面の男、ベガだああああああああ!! 単勝オッズは1.2倍という2番人気を突き放す驚異の人気だあああああああ!」


 ウオオオオオオオオオオオオオオ!


 歓声が上がり、ベガは会場に向かって手を振った。


「続いて、2番人気!前回大会は初出場ながらも、本戦ベスト4まで登り詰めたこの男。その細身から生み出される超高速の投げで敵を倒す、シルヴィイイイイイイイイ! 単勝オッズは2倍! 堂々の2番人気だああああああ!」


 ウオオオオオオオオオオオオオオ!


 俺たちから遠く離れた位置にいる全身黒の胸元が大きく開いた上着を腰に巻く帯で固定した変わった格好の男が観客に手を振る。


「そして3番人気はなななななな!!? なんと! 女性だよ〜!! 前回大会は惜しくも、予選敗退ながらも後一歩の所まで戦い続けたこの女性、その内気な性格からは想像できぬほどの強さのギャップで男性ファンが急増!単勝オッズは3.2倍。ソフィアあああああああああ!」


 ウオオオオオオオオオオオオオオ!


 ソフィアアアアアアアアアアア!


「おいおい、歓声とは違ってこれはまたすごい人気だな。」


「あアッ。彼女は本戦にこそ出たことは無いが、かなりの実力を持っていルッ。しかも見てみろ。スポットで照らされて顔が真っ赤ダッ。」


 そう言われて、俺は新たに照らされたスポットの位置を見る。そこにはスポットから顔を隠すも耳まで真っ赤にした、それで動けるのかと思うほどに重装の鎧と彼女の頭身ほどもある大剣を隣の地面に突き立てた女性が居た。


「ちなみにだが、あのギャップにアル・フォー・ラーゲルでは、非公認のファンクラブまである程ダッ。ちなみに私も入っていルッ。」


「お前も入ってるのかよ!」


 そんな俺たちを他所に4番人気が発表される。


「そして〜あああっと! これは衝撃! 衝撃だっ! この結果を誰が予想しただろうか。今大会最も低身長の少女ー。」


(え......? それってまさか......。)


「この私もよく覚えてはいないが、何者かの肩に常に乗って移動し、さらに今大会の最有力候補であるベガから護衛され、しかも領主の館に頻繁に出入りする少女!!」


「ジン、どうやら妾で確定のようじゃ。しかし、ジンの気配遮断はすごいのお。まさか人として認識すらされておらぬとはの。」


「もう分かった方もいるのでは無いだろうかッ! そう、あの深紅のワンピースを着た可愛らしい少女、その実力は謎に包まれるも単勝オッズは5.4倍! チサだあああああああああ!」


 その瞬間俺の肩にいつも通り座っているチサへとスポットが当たる。


 チサは会場に向かって手を振る。


(チサが4番人気とはな......。これでアルの胴元としての狙いは半分ハズレたわけだ。)


 俺は密かにアルに向かって「残念だったな。」と呟く。


 その後、10番人気までが紹介される。勿論俺の名前はない。


「11番人気以降も紹介したいところだけど、どうやら開始時間の都合上無理なようだ......!」


 ブウウウウウウウウウ!


 会場に示し合わせたかのようなブーイングが響き渡る。この会場の雰囲気に俺は改めて圧倒される。興奮も、ブーイングもその全てを素直に露わにするその観客達に。


「だが、オッズは知りたいだろう?お前達が今日賭けた者達の倍率を。その内訳は......! これを見るといい。」


 その瞬間会場の空中にステータスウインドゥの様な全参加者のオッズが書かれたリストが表示される。


 ウオオオオオオオオオオオオオオ!


 会場からさっきのブーイングとは打って変わり歓声が上がる。そうして会場の者達は自身の賭け札と選手名を見比べて祈っている。

 全部で1058名で、既に棄権が74名出ていた。


「そういえば、棄権者に賭けていた場合はどうなるんだ?」


「あアッ。その場合は賭け金全額返金ダッ。流石に出ていない者の分まで金は取れ無いからナッ。」


「へぇ。その辺りはしっかりしているんだな。」


「ちなみにだが俺達にもファイトマネーが入るゾッ。予選で勝った場合とは別で、倒した相手に応じて、配当が用意されてるから、頑張れば儲かるゾッ。ただ、頑張りすぎると体力が切れて番狂わせも起こるがナッ。」


「ということは、チサやベガは狙われやすいってことか?」


「そういうわけダッ。そんなわけでジンッ。私は別行動させて貰ウッ。健闘を祈るゾッ。」


 こうしてベガが俺たちから離れてゆく。ちなみに俺のオッズは見事に出場選手中で一つ上の者と倍近いオッズ差で最下位だった。倍率にして、10万を超えている。気配遮断ってこんなところにまで影響するのかと俺は改めて感心するのだった。





というわけで第72話は選手紹介でした!

ジンのオッズがぶっちぎり最下位......。しかもオッズ10万倍越えって、もし当たったら人生変わるよね。自分で書いてて笑っちゃいました。

まあ、1000人も居るので最下位ならそんなもんかと思ってください。


ちなみにそんなジンに賭けてるのは1人だけです。誰とは言いませんけどね。察しの良い方は気付くのでは...。


そんなお話でした!では第73話お楽しみに〜


20/12/6

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