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第71話 地下深くに広がる闘技場

 (きた)る、闘技大会予選。この日俺たちは、この都市の中央部にある闘技場へとやってきていた。ただ、遠くから見た感じではそれほどの大きさは感じられなかった。


 なお、案内してくれたのは、俺とチサを今日まで絵合わせでボッコボコにしてくれたベガである。


 今の時間は午前10時ごろと言えるだろう。にも関わらず、闘技場にはまだ正午の試合開始まで時間があるというのに既に大量の人でごった返していた。それは参戦者しかり、観客しかりである。


「すごい人だな。なあ、ベガ。いつもこの大会はこんなに人が多いのか?」


 俺は四方八方が人で埋まっている会場を見渡す。この人数がこんな小さな闘技場に入るのかと俺は心配になる。


「そうだナッ。年に一度のお祭り騒ぎと言っても過言じゃないからナッ。本戦はマキラ・フォー・ラーゲルで行われることもあって、アル・フォー・ラーゲルでは闘技大会予選が一年で最も盛り上がるイベントダッ。」


「なるほどなあ。年に一度か。ってことは、ベガは三大会連続で、本戦に出ているということか?」


「そうなるナッ。そして、本戦もまた三連覇中ダッ。だが、今年はお前達のおかげで本戦出場も危ういがナッ。」


「それにしても全然前に進めないのじゃ。入り口が一向に近づいておらぬ。」


 チサが俺の肩に座って遠くを見渡しながらも言う。ちなみに俺は背が低いせいで、周囲を見ても人の肩しか視界に入ってこないので、今どのあたりにいるのか全く分からない。


「それはそうだろウッ? なんせ受付は観客の入場料と更には賭けの取引まで行っているからナッ。年に一度のビックイベントだけあって、観客の大半が買うからナッ。予選突破する1人を予想する単勝〜全員を当てる全勝まであルッ。」


「賭け? そんなの聞いてないんだが。なるほどな。それならここまで進むのが遅いのも頷けるな。」


 そして口には出さないが、俺は一つふと思ったことがあった。


(アル......。俺達が出ると言った時あんなにも嬉しそうだったのは俺たちが出て勝つことで賭けの胴元としての収益が大きくなるからだったのか。)


 実際、何も情報のない見た目も幼い少年少女に賭けるものなどほぼ皆無に等しく、そのおかげでアルは大量の儲けが得られるのだろう。俺は大会が終わったら絶対にアルに文句を言おうと心に誓う。


「これでもかなり早くなってるんだゾッ。数年前の大会で試合開始時刻に間に合わないから、最近では、都市全体に出場者リストと賭け札が配られていルッ。事前に賭ける対象を決めて置いてもらうことで、時間短縮するというわけダッ。」


「なるほどのう。お、もうそろそろ受付じゃ!楽しみじゃのう。どんな者達が戦ってくれるのかのう。妾、ここ数日は絵合わせばかりで体が動かせなかったが故に不完全燃焼なのじゃ。」


 そう言うと、チサは見た目からは想像出来ないほどに獰猛な笑みを浮かべる。


 隣にいるベガはその笑みを見て逆に表情を強張らせていた。絵合わせで散々勝ち続けたが故に最初に狙われたらとヒヤヒヤしているのかもしれない。


 そうこうするうちに、俺たちの順番が来る。俺たちは、観客受付ではなく、選手受付だったので、一度人混みを抜けてしまえば割とすぐに到着出来た。


「身分証の提示をお願いします。出場者リストと照会いたしますので。」


 そう言われた俺たちは、受付の男性に身分証を渡す。


「ベガ様、ジン様、チサ様ですね。確かに出場登録されています。では私からは3つ、今大会におけるルールを説明させて頂きます。」


 そういう受付の男性を注意深く見ると、かなりの実力者であるのは間違いなかった。見た感じ、特別筋肉質な方ではない。だが、こうして話している間の立ち姿に隙が無いのは相当な実力者であることは間違いないと言えた。


「一つ目、相手を殺さないこと。これは故意、過失関係なく破った場合には失格となります。」


「それは当然だな。何も殺し合いをするわけじゃないんだろうしな。」


 俺は頷いて先を促す。


「二つ目は、武器の使用や持ち込みは可能です。ただし、観客に被害が出る恐れのある爆発物の持ち込みは禁止しております。なお、持ち込めば私が技能で判別できますので、即失格とさせて頂きます。」


 なるほど。その辺りはしっかりしているんだなと俺は思う。


「最後に3つ目ですが、基本的に選手間での談合は自由に行っていただいて構いません。ただし、5人以上で組む場合は、本戦に出場できるのが5人までですから、その辺りはしっかりと考慮した上でお願いします。では健闘をお祈りします。」


 そんな風に説明を受けた俺たちは、選手専用の入り口から会場入りすることになる。だが、ここで俺は一つ疑問を抱く。


「下り階段??」


「妾も普通に入るのかと思ったのじゃが。ベガどうなっておるのじゃ? 闘技場は地下にあるのかの?」


「それは降りてみてのお楽しみダッ。」


 そうして階段を降り切った俺とチサは、驚きで数秒固まってしまった。


「これは......凄いな。」


「妾も想像していなかったのじゃ。」


 目の前には、かなり、地面を掘ったことは容易に想像できるほどに深い、それこそ、最前列の観客席と闘技場とは、10mほどの高低差があり、観客席は、綺麗に切り揃えられた岩石で階段上になるように数十列分が積み上げられていた。


「フッ。どうダッ。ジン、チサッ!驚いただろウッ。この闘技場は、周囲の家々の日当たりを考慮し、地下に深く掘ることによって外見の小ささとは裏腹に、ここまでの巨大さを得たこの大陸の技術の粋を結集したものなのダッ。」


 ベガが俺たちの反応を見て得意げになって言う。


「なるほど。まさかこれほどとは。外見の小ささには理由があったんだな。」


「妾も驚いたのじゃ。まさか地面を掘って闘技場とするとはの。」


 俺たちが戦う闘技場の広さは大体、縦横200mくらいで、地面が剥き出しとなっている。ある程度は(なら)されているものの、歴史があるのだろう。所々にクレーターのように凹んでいる箇所がいくつも見受けられた。


 その後続々と人が集まってゆき、開始の30分ほど前であろうか。闘技場へと繋がる入り口の門が閉じられる。パッと見た感じでは参加者は1000人ほどいた。


 そうして、演出だろうか。辺りに大きな音が響き渡る。


 パッパラパ〜パラリラッパパー!!


「さあ、今年もこの大陸のナンバーワンを決める戦いの始まりだああああああああ!」


 俺は急に大音量で響き渡る男の声に驚く。チサも驚いて周囲を見回していた。


「ウオオオオオオオオオオオオオオ!」


 そのどこから響いているか分からない男の声に呼応する様に10万人はいるであろう観客と、闘技大会の出場者達が雄叫びを上げる。


 こうして、俺には馴染みのない男の声による選手紹介が始まるのだった。

というわけで、1万字チャレンジは失敗に終わり、日付変わって3時間40分後に仕上がった、そんな第71話でした。


というわけで、闘技大会開幕です!この大陸のメインイベントの一つですので、気合入れて書いていこうと思います。


それから......。昨日は、初の日間1000pv突破で、作者としては、嬉しさがじわじわと......!

読んで頂き、ありがとうございますm(__)m


ではでは、本日も頑張って書きますので、第72話もよろしくお願いしますね!


20/12/6

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