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見捨てられた世界を気配遮断で生き延びた俺は神に助けられこの世界を解放する旅に出る  作者: しょた丼
〜第二章 チサとの出会いとジンの旅立ちの決意編〜
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第29話 大切な想い

第29話...にく...にく...肉が食べたい。

ハッ!心の声が漏れてました。

では第29話よろしくお願いします!


これから1時間毎に、一気に6話投稿します!

お楽しみに〜!


 俺はひとしきり泣いた後、これまでずっと胸に秘めていた想いをチサになら打ち明けても良いのではないかと思い始めた。


 の抱える秘密は世界の命運を左右する程のものであることは痛いほど理解していた。神が現れてまで俺に伝えたことなのだから。

 チサに話せばきっと理解してくれる。それに協力もしてくれると心の中では感じていた。

 それでもやはり、心の中で俺はまた大切な物を失うことを恐れて口に出せずにいた。


 そんな俺の様子を察したのか、チサは俺に語りかける。


「少し、我に乗ってはみぬか?」


「えっ...?」


 俺は一瞬、チサに乗るのかと思って驚いたが、チサが首長竜の分体であったことを思い出す。そしてチサの言葉に頷く。


 今いるのは首長竜の口の中で日は落ち切って、夜空には月と、徐々にくっきりと写し出される星々の一部が見えていた。


 そうして俺の肩から一回転し華麗で可愛らしい着地を決めたチサは、俺を先導する。そして、首長竜の口と外との境界ギリギリまで歩くとチサは何か企んでいるかのような笑みを浮かべる。俺は嫌な予感がしたが、チサが動くのを待っていた。


 俺が泣きはらした目を擦ろうとしたその時!

 チサは唐突に俺の手を引く。なんと俺を引っ張って首長竜の口から海へとダイブしたのだ。


「お..おい...うっうわあああああああああああ。」


 チサの笑みの意味を悟った時にはもう遅い。

 俺はチサと共に海の上に投げ出されていた。

 俺は物凄い浮遊感に襲われていた。お腹の中をなにかが突き抜け、臓器が体の中から逃げてしまうのではないか。

 そして投げ出された俺は海面までの距離にもまた驚く。50mはあるんじゃないか...???


 そうして、落下しながら仰向けになった俺は首長竜の全貌を目にする。


「で....デカイ....。」


 俺を食っていたチサの本体は、俺が見たどんな建物よりも高いいや、この場合は長いというべきか。そんな首を持ち、

 下半身特に足やヒレがあると思われる部分は水に浸かっていて見えなかったものの、縦に長く丸みを帯びて伸びる、真紅の体は圧倒的な迫力があった。


 俺はチサ本体の首長竜に対する衝撃と人生で初めて体感する浮遊感から一瞬忘れていたチサのことを思い出す。


 が、チサは見つからない。それもそのはず。ジンは落下による加速から体の自由が利かなくなってきているのだから。


 そんな時、不意に首長竜の首が物凄い勢いで動いた。すると俺は想像よりも圧倒的に早く浮遊感から解放された。


 俺は真紅の地面でバウンドする。どうやら首長竜の頭のてっぺんのようだ。


「グハッ....!!ガハッ...!」


「どうじゃった?空から飛び降りるのは全身がゾクゾクして楽しかったであろう?」


「もう2度とごめんだ!!!!」


 俺は意地悪気な笑みを浮かべて俺を覗き込むチサに向かって叫ぶ。全く。俺じゃなかったら痛いじゃ済まないんだぞ。


 これでもジンは20mほどは落下していた。通常の人であれば自殺には十分な高さではあった。


「ジン以外にはせぬからの。」


 チサは俺の心中を察したかのように口を開く。

 俺は恨みがましい視線をチサに向ける。チサはなに食わぬ顔で俺の試練を受け流すと、次の言葉を紡ぐ。


「その様子ならジンはもう大丈夫じゃな。」


 俺は「首長竜の頭に乗るだけなら、他にも方法があっただろう!」と文句を言おうとしていた口を思わず閉ざす。

 これは元気の無い俺を心配したチサが俺の為にしてくれた事であったのだと。俺はまた涙が溢れそうになるのをグッと堪える。


「ジンよ。あんな何処の大陸からも船では到底辿り着けぬ場所で沈んでいたのにはきっと他人にも話せぬような事情があったのであろう?妾はこの3年ずっとジンを見ておった。時に悪夢にうなされていたことも、時に見せる深い(かげ)を落としたような表情もな。少しずつでもいい。妾にジンの抱えている苦しみを分けてくれても良いのだぞ。妾はもうジンを独りにしたりはせぬ。」


 俺は堪えていた涙が再び溢れ出す。さっき出尽くしたと思ったが、この体にある水全てを出し切らねば止められぬ程の涙が溢れていた。


 そして、完全に涙が枯れ果てた頃、俺はチサに尋ねる。


「俺の過去を聞いてくれるか?でも聞けば必ずチサを巻き込んでしまう。俺は話すのが怖い。また大切な人を失ってしまうんじゃないかって。」


 そんな俺に優しく微笑みながらチサは言う。


「大丈夫じゃ。妾もジンと一緒に強くなって、ジンを1人にはせぬからの。」


 それを聞いた俺は意を決して話し始めた。

 俺がチサに出会うまでの経緯を。


 俺は話す。


 無の大陸で生まれたこと。


 黒雲によって滅びた大陸都に代わって大陸都となったゲチスの陰謀。


 自分の故郷、否、大陸全土のゲチス民以外の民が俺1人除いて壊滅したこと。


 唯一の生き残りであった俺は執拗に追われ傷付けられ殺されかけたこと。


 この世界を作ったと思われる神と出会ったこと。


 この世界が直に滅ぶかもしれないということ。


 その神にゲチス軍の最後の追手から窮地を救われ、海に吹き飛ばされたこと....。


 どれほどの時間が経っただろうか。

 チサは何も言わず、下を向いてただただ俺の話を黙って聞いていた。途中で相槌を打つことも身動きすることもなく...


 そうして俺の話が終わった後、チサは俺に寄りかかって涙を流していた。声を上げることなく、その小さな体を震わせて。


 その姿を見て俺は一瞬話さない方が良かったんじゃ無いかと思うものの、俺はずっと一人で抱え込んでいた過去を打ち明けたことで、今まで自分を縛っていた蟠り(わだかまり)から解放された気がした。


 こんな小さな体なのに、見た目ではゲチスに連れて行かれた妹セリとそう変わらない。

 なのに内面は大人びていて、いつも俺を気にかけてくれた。俺の心の中でチサは途方も無い恩人であり、同時に大切な人になっていた。


 俺は絶対にこの子を守り抜けるよう誰よりもいや神よりも強くなってやる。そう決意すると俺に寄りかかって泣くチサを静かにそっと抱き寄せるのだった。



 その二人と真紅の首長竜を忍び寄る漆黒の暗闇から護るように、温かい月明かりと闇夜を彩る星々が見つめていたのだった。







次話から新大陸入りまーす。今度こそ嘘じゃないですよ!!!

第30話もよろしくお願いしますねー!


ん?今回は泣いて無いのかって?

作者は感情移入しすぎて、

涙腺死んだよ馬鹿野郎(´;ω;`)


20/11/20


これから先が気になる!面白い!と思えた方は是非是非評価よろしくお願いします!

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