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見捨てられた世界を気配遮断で生き延びた俺は神に助けられこの世界を解放する旅に出る  作者: しょた丼
〜第二章 チサとの出会いとジンの旅立ちの決意編〜
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第23話 ジンは魚人と腹の中

第23話です!

よろしくお願いしますm(_ _)m

 酸の湖に飛び込んだ俺の断末魔が心地よく響いた後、俺はドロドロに溶けた体で命からがら湖から這い上がる。不死身の俺に命からがらという言葉が当てはまるのかは微妙だが。

 そうして漸く愚かな俺は俺の置かれた状況に気づいた。


 突然俺の目の前に出現した真っ暗な地面がぶよぶよの洞窟は実は洞窟ではなく、生き物の体内で、

 今俺がいる場所は生き物で言うところの胃で、

 酸は俺が胃に入り込んだことで湧き出した胃液で、

 湖だと思った場所は実は胃液の湖だったと。


 しかし、気付いたからと言って俺はこの生き物の外に出るわけにはいかなかった。何故なら俺は泳げないが故に、海中に出れば、また同じように無力に沈んでゆくだけだったからだ。

 たしかに俺は不死身であり、ここで胃酸を受け続けても、体中の焼けるような痛みを我慢すれば死ぬことは無い。だがここにいてはいつまで経っても大陸に付く事は出来ない可能性も高かった。


 とは言うものの、俺は今いる自分の場所も分かっていないが故に、ひとまず問題は先送りにすることにした。

 俺はこの胃で眠ることを決意する。

 なんせもう1ヶ月くらいは眠って無かったからね...俺は約三週間におけるゲチスからの逃亡劇と、水圧に耐え続けた一週間。そんな日々を思い返す。


 必死の逃走で全身の筋断裂で死にかけ、


 吹雪の雪山で凍えて死にかけ、


 アブカスによってズタボロにされた後真っ二つに斬られ死にかけ、


 その後逃げた先にいたフウゲツになす術なく粉々にされて死にかけ、


 起死回生の一手が実は敵が仕組んだ毒で死にかけ、


 覚醒した後にまたフウゲツに真っ二つにされて死にかけ、


 地面を抉るような爆風に殴られ死にかけ、


 海に溺れて死にかけ、


 沈んだ後の水圧で死にかけた。


 そんな俺にとって不意を突かれて断末魔まで上げてはしまったものの、胃酸は恐るるに足らぬ存在であったのは間違いない。今までの苦痛と比べれば、胃酸のシャワーを浴びながら眠ることなど造作もなかった。


 そうして一度眠ると決めた俺は胃酸の海から少し離れた。正確には、俺を食った生き物の口に近い部分で眠りにつくことにした。


 そうと決めるや否や俺は横になった瞬間、胃酸の焼けるような痛みを無視して、1ヶ月ぶりの至福のひと時を過ごすのだった。


 俺はとても幸せな夢を見ていた。

 両親とセリとピクニックに行く夢だ。みんなで笑いながらピクニックを楽しむ。そこは街から少し離れた丘の上。俺はよく晴れた空の元、セリと追いかけっこをして遊ぶ。するとカイトがやってきてそこに加わり、ピクニックも終わりに近くなった夕暮れ。突然俺の世界が灰色に染まったかと思うと、夢の中の俺は腹に痛烈な痛みを感じた。それと同時に俺だけが夢の世界から引き剥がされてゆく....



「ああ、待ってくれ。俺を置いていくんじゃねぇー!」


 その叫びも虚しく目覚めた俺は宙を舞い、洞窟の天井へと激突し、胃液へと突き落とされた。


「ピギャアアアアアアアアアアアアアアア」


 最悪の目覚めである。

 1ヶ月ぶりの眠りは、何者かによって突き飛ばされ、起きた瞬間胃酸で体を溶かされるという、最悪のアラームによって為された。

 俺は体全体に酸で溶けて液化した俺の体だった何かを自動回復で引き寄せながら池から出る。

 傍目から見れば触手を全身から生やしたような気味の悪い生物に見えていることだろう。

 ただ、俺の目の前に居たのは今まで見たこともないような、魚と人間の間のような生物で、魚の体からは青白い鱗つきの足が生え、ヒレを腕のように使って槍を持っている。

 その大きさは、この胃よりは確実に小さいが、奴がジャンプした時に天井にぶつかる程には大きい。

 ちなみにこの胃と思われる空間は縦2m、横は湖と俺は読んでいる胃液が溜まっていることもあり、正確には言えないが、10mほどはあった。


「キャッ!キャッ!キャッ!」


 人のような魚は奇怪な鳴き声を上げる。ここからは魚人と呼ぼう。

 どうやらこの生物言葉を喋ることもなく、知能もそこまで高くは無いようだ。


 そうして俺が気配遮断を使うと魚人は非常に戸惑っていた。今までここにいた筈の自分のターゲットが消えたのだ。焦り驚くのは当然である。


 だが、俺もこの時驚いていた。

 なんと魚人に簡易的にではあったが、ステータスプレートが表示されているのである。


 名前:魚人

 lv:78

 体力:200/200

 総合:D


 俺は目を擦る。


 名前:魚人 

 lv:78

 体力:200/200

 総合:D


 やはり表示されている。

 俺はどうしてこんなものが表示されているのか、意味がわからなかった。


「海の生き物が特別なのか?うーん...なんか違う気がするけど....。」


 しかし、そんなことを考えている時に魚人は俺を探すのを諦め、別の行動をし始める。なんと、自身の鱗を自分の周囲に撒き散らしたのだ。


「うお!!??痛って〜な。」


 俺は見事にその急な不意打ちを食らってしまう。

 そして気配遮断が切れた俺を見つけた奴は即座に魚から手足が生えた見た目とは裏腹にドロップキックをかましてくる。

 速度自体は躱せないものではなかった。躱しながら俺は気配遮断を再度使い、奴に向かって攻撃を打ち込んでいく。奴は体の鱗を再生しているようで、先ほどの鱗を飛ばす攻撃を実行するには、時間がかかるようだ。


 名前:魚人 

 lv:78

 体力:175/200

 総合:D


 現在の魚人のステータスだが、実はさっきの鱗を飛ばす攻撃で体力が20減っていた。

 俺の全力のカウンターと、気配遮断からの不意打ちで与えられたのはわずかに5...

 どうやら一撃攻撃を当てたら、1ダメージ入るとかそんな優しい相手ではないらしい。


 俺が不死身でなかったら、この魚人と戦いにすらならなかったな...

 胃液で溶けたダメージと、鱗で受けたダメージを回復しながらふと思った。とはいえ、不死身がなきゃこいつと戦うことすら出来ないか。そうして自分の考えを否定しながら、魚人を倒す方法を検討し始める。


 だが非力で武器も持たない俺は非常に弱く、

 特に格闘術に関してもさして得意じゃなかった俺は、結局魚人に鱗を飛ばさせて、体力を削る方向にシフトし、無いよりはマシかと必死で魚人を殴る蹴る殴る蹴る殴る蹴る.........何時間かかっただろうか。


「キャッ...」


 バタリ.....


 俺は漸く魚人が倒れるのを確認して、俺もブヨブヨとした地面にへたり込むのだった。

全然大陸上陸しないじゃん!

魚人と戦って終わったじゃん!!!

というわけで申し訳ありません...

もうしばらくなにかの腹の中のジンをお楽しみくださいm(__)m


遂にブクマと更に評価が....付けてくれた方ありがとう(T ^ T)

感謝感激で文字を打つ手が進みます。

第24話もよろしくお願いしますねm(__)m


20/11/16


これから先が気になる!面白い!と思えた方は是非是非評価よろしくお願いします!

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