第14話 フウゲツ、ジンを蹂躙す
第14話です!よろしくお願いしますねm(__)m
本日2話投稿です( ̄^ ̄)ゞビシッ
俺は内心心弾んでいた。
だってゲチスの支配圏からついに抜け出せる糸口が見えたしねっ!
俺はまだ奪えてもいないし、帆船が動くかも分からないし、ましてや、逃げ出した海の先に何もないのかもしれないのに、俺は逃げた先に待っているであろう幸せを想像する。
とりあえず、飯は食いたいな。それこそ両手で抱えきれないほど飯が食いたい!それから、ここまで寝られなかった分全力で眠るんだ!それから何らかの方法で鍛えて鍛えて、いつか必ずこの世界を解放するんだ!
そんなことを考えながらも俺は目当ての帆船まであと数百mといった位置まで来た時、不意に今まで香っていた海の...磯の初めは罠かと思ったがそれにも慣れて今では海からの香りであると認識できていたそんな香りが消えたのだ。
それに気付いた時自分の周囲が、いやそれまで海だったところまで全てが綺麗なお花畑...いや綺麗なでは生温い。壮大な、それこそこの世のものとは思えない程の壮大な景色が広がっていた。
俺は警戒する。そして自分に向かって悠然と歩み寄る1人の女性がいたのだった。
その女性は絶世の美女と言って差し支えなく、俺は思わず見惚れるほどであった。更に20代と思っても間違いのない若さとは裏原に動きには寸分のぶれもなくその歩く姿には只者ではないオーラを纏っていた。その女性の服装はジンが今まで見たことはなかったが、腕に垂れ下がるほど長いしかしながら非常に綺麗な花柄の染められた袖はジンにとっては死神の鎌のようにも思えた。
「私の名前はフウゲツ。ゲチスでは【花鳥神】って呼ばれてるわ。よろしくね?最後の生き残り君!そこにいるんでしょ?」
フウゲツはとても嬉しそうに自己紹介する。
大将だと....????
遂にそんな大物まで出てきやがったのか。くそっ。俺は内心で絶望する。大佐ですら一方的にやられたってのに次は大将のお出ましだと...?
あと少しで逃げられたのに。
俺の中に生まれた希望は淡く崩れ去り、更に間の悪いことに不意にシステムの声がする。
「魔力ゼロにより、気配遮断の発動が停止されました。」
俺は焦る。そう気配遮断が切れたのだ。俺は焦ってステータスウィンドゥのステータス部分だけを見る。
ステータス(評価)
力:15(F)
魔力:0/20+100(C)
耐久力:80(D)
敏捷力:140(A)
精神力:160+100(S)
体力:25/190+50(S)
総合:855(C)
「.......何故だ!まだ切れるには相当に早いはず。切れるはずが無い!!??」
「あらっ。とっても可愛い子じゃないの!お姉さんってこんな気持ちなのかしら。愛でたくなっちゃうじゃない。」
俺の顔は引き攣る。女性から出た言葉に。
「そんなに緊張しなくていいよ!これから君は私に捕まるのだ・か・ら。それにしても、報告では真っ二つって話だったのに普通に立ってるじゃない!その辺りも含めて見せて貰おうかなっと。」
そういうや否や彼女は片手を愛刀に手をかけたかと思うと、彼女の袖が優雅に空を舞う。その行動に見惚れた俺は両腕の肩から先が綺麗に無くなっていた。
「え....。」
「ここはね!私が支配する領域なの!私以外の相手がこの中に入ったら、使用する魔力が1万倍に跳ね上がるの。君のお得意の技能もここじゃ無力ね!」
斬られたことを理解するのに数秒を要した。
その間彼女は俺がより絶望する言葉を放っていた。
そしてそれを頭で理解すると同時に俺は痛みで絶叫していた。
「あっっらあ!痛みは感じるのね!さって次は両足かしら?でもこんな簡単に終わるなんて拍子抜けね。私もっと期待してたのに。」
そうして残念そうにした彼女は目の前に広がる衝撃に目を見開く。
何と、物凄い勢いで少年の身体から白い糸が伸びると切り離された腕を引き寄せ、瞬時に縫合し、ものの数秒で少年の体は元通りになる。
「あっっらあ!あっっらあ!あっらあまああああああああああ!私が切った筈の腕がくっついちゃったわ!すっごいね。私結構長く生きてきたし、色んな人を見てきたけど、こんな技能初めて見たわ!ちょっと面白くなってきたわ。グレゾンの馬鹿に無理矢理司令出された時はあんまり面白くなかったけど、これなら少しは楽しめるかな〜。」
彼女に浮かぶのは狂気の笑み。これからジンは地獄とも言える時間を過ごすことになるのだった。
それからしばらくの時が経ち、ジンの意識は朦朧としており、ただ、不死身によって気絶することは許されず、自身が蹂躙される様を見ていた。
はじめのうちは、ジンは目の前にいる女性から逃げたり、その斬撃を躱そうともしていた。
だが、どんなに逃げても彼女は平然と俺に追いつき、どんなに斬撃を躱そうとしても、彼女が刀を抜けば、花が舞い散ったかと思うと、身体の一部分が、若しくは、数箇所が。見事に切り離されていた。時には首が切り落とされたこともあった。それほどまでに彼女と俺の間には実力差があった。そうして逃げる気力をもなくした俺は彼女の蹂躙を静かに見守っていた。
少しでも反撃の糸口を見つけるためにも。
俺は数分とも数時間とも取れる蹂躙の中で不死身がコントロールできることがわかり始める。体が切り離されれば必ず発動するのだが、どこの部位を中心に集まるのか、何処からくっつけるか、また、その速度でさえ操れるようになっていった。
そうして、斬り飛ばされても血の一滴も出なくなった俺は細やかな反撃に出る。とは言っても彼女に一矢報いるとか、そういうものでは無い。なんせ幾ら頑張っても彼女の太刀筋が見えず、避けることも、ましてや耐久力が足りず、耐えることだって出来ないのだから。ではどうするかって?彼女に斬り飛ばされた部位を少しずつ本当に少しずつだが帆船の方に近づけるのさ。帆船に近づいて一瞬の隙に帆船に入って出港するんだ。魔力はって?それは大丈夫。あの本には何と幸運なことに魔力回復薬が付属していたからね。どれほど効果があるか分からないけど、これを使って出港するんだ!
そう。その魔力回復薬は少年の使う技能についてゲチスが完全に把握するための罠とも知らずに...
フウゲツの使う領域について。
技能:<領域>花園lv??
発動地点から半径500m圏に花畑を発生させる。この領域に他者が一歩でも足を踏み入れると発動し、発動すれば領域発動者が解除するまでは、その領域内に他者が入ることはできない。この領域内で使用者以外が消費する魔力は1万倍となり、使用者は、ステータスが1.2倍となる。
書くのも楽じゃ無いですね〜
でもちょっとであっても読んでくれてる人がいてくれて嬉しい限りです!第15話もよろしくです!
とはいえもうそろそろ神の出番が....来るといいなあ。
20/11/10
これから先が気になる!面白い!と思えた方は是非是非評価よろしくお願いします!