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第124話 いざ救出へ

「おいどんは夢でもみているのか? この拘束具はダークマターで作られているのに。一体ジンは何者でごわすか? 専用のバーナーも無しに......。」


俺が綺麗に切り落とした高速具を見てジークハルトはつぶやく。


「だーくまたー? なんだそれは? そんな物質聞いたことがないが。」


「なるほどな。他の大陸にはないでごわすか。おいどん、てっきりあるものだと思っていたでごわす。ただ、無いとなると話すと長くなるでごわすから、ひとまず鉄より硬く重いということだけ言っておくでごわす。」


なるほどな。となると、大きさに関係なく重さが同じなのももしかしたら、だーくまたーとやらが持つ性質なのかもしれないな。

俺はそう自分を納得させると、次はジークハルトの捕まっていた牢に偽装工作に移る。いずればれるにせよそれが遅いに越したことは無いのだから。


「なあ、ジークハルト。よければお前の来ているボロキレの服俺にくれないか? 偽装工作で使いたいんだ。」


「おいどんの服か? 構わん。好きに使ってくれ。」


俺はジークハルトから服を受け取ると、少し多めに魔力をこめて実像分身を作り出す。領域の練習で魔力操作を練習したことで、おおざっぱにではあるが、俺は込める魔力の量で分身のサイズを任意の大きさに変更できるようになったのだ。こうして俺はジークハルトを見ながらジークハルトとほぼ同じ大きさの俺を生み出す。ジークハルトがまたもあっけにとられているが俺は気にしない。あとはジークハルトの着ていたボロキレを着せて、顔のあたりだけ気配遮断でぼかしておけば完璧だ。

そのあと、地面に落ちただーくまたー?をストレージにしまい、おれが切り崩した鉄格子にも気配遮断をかけておく。


「ジンは本当になんでもできるでごわすな。ダークマターを切る実力に加えて隠密行動までできるとは......。」


「まあ、隠密行動が俺の本領なのかもしれないが、何分二人で旅をしてきただけあって、気付けば色々出来るようになっていたのさ。よし! これで完璧だ。ジークハルト上へいきたいんだが、案内を頼めるか?」


「脱獄するのに上へ向かうのでごわすか?? この監獄の出口は下なんだぞ? それに上はリザードマンの本部があったはずでごわす。わざわざ上に行く必要はないと思うでごわす。」


なるほどな。ここは地下ではなかったのか。チサの反応が上にあったから、てっきり地下に閉じ込められたのかと思っていたが、そういうわけでもなかったらしい。ただ、地上に作ってるならそれはそれで窓の一つくらいあってもいいと思うけど。

そんなことを考えながら俺はジークハルトの疑問に答える。


「俺の大事な相方が上にいるんだ。そいつを置いて俺は逃げることなんてできない。てっきり上が出口だと思い込んでいたんだが、となると、ジークハルトはここで待っていてくれるか? 脱獄とは全く目的が―。」


俺の言葉を(さえぎ)るかのように、ジークハルトが言葉を挟む。


「ジン。何を野暮なことを言うでごわすか。もう半ば諦めていた脱獄を手伝って頂いた恩義、ここで返さねば誇り高きオーガの民の名に傷がつくばかりか、帰った後厚顔無恥だと笑い者にされることにもなる。おいどんはそうはなりたくなか。」


俺が助けたことに恩義を感じてくれているのなら、俺はその厚意に甘えることにする。案内役が居てくれるのなら、俺が直接向かうよりも早い速度でチサの元へとたどり着けるはずなのだから。俺は、ジークハルトに気配遮断をかけ、走り出す。


待ってろよ!チサ。今すぐ助け出してやるからな。俺はそう心に誓うのだった。

今話はストーリー構成上短くなりました。

次話はチサを追っていこうと思っていますのでお楽しみに〜

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