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逃亡した悪役令嬢は隣国で踊る戦乙女と呼ばれています。  作者: 聖願心理
第1章 アイオーンの跡継ぎ問題とその他諸々/第2節 マスグレイブ家族大集合!
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45 慌てるのが当然

 いつもの部屋で10分くらい待っていると、ロワイエさんがやってきた。どうやら急いで来たらしく、少しばかり息が乱れていた。


「そんなに、急がなくても良かったんですけど……」


 ゆっくりで良かったんだけど。私がいつもより早く来すぎただけだし。

 逆に、こんなに焦ってこられた方が反応に困る。本当に勘弁してほしい。


「いや、焦るでしょう!」


 ロワイエさんはいつもより大きめの声を出し、乱雑にソファーに腰を下ろした。

 何故か謝りたくなった。謝らなかったけど。

 代わりに「はあ?」とすっとぼけた声を出した。


 私がこんなに早くここにいるだけで、そんなに焦るの?! 何がなんだが、わからない!

 なんでなんで?! 時間指定してこなかったのはそっちでしょ?! 意味がわからないよ?!


 はあ、と深い溜め息をついたロワイエさんは、


「何をやらかしたんですか?」


 と、尋ねてきた。じとぉとした目で。正直に白状しろと言わんばかりの目で。


「……意味がわからないんですけど」


 そもそもなんで、やらかす前提なんだ。私が問題児みたいじゃないか。


「しらばっくれないでください。心当たりがあるんでしょう?」

「あの、詳しく説明してくれないと、心当たりも何もないんですけど」


 なんだなんだなんだ?

 ロワイエさんが変だぞ?!

 ……私、知らないうちに何かやらかしたのかなぁ? なんて、不安になるだろうがっ!

 私、悪いことは何にもしてませんっ!


「それもそうですね。……エイリーさん。落ち着いて聞いてください」


 いや、お前が落ち着け。


「国王陛下が貴女にお会いしたいそうです」

「へえ、そうなんだ~。ふむふむ、なるほど~」


 ファースが約束を守ってくれたんだね。

 それにしても、国王様に謁見かぁ……。緊張するなぁ。なんとかはなるとは思うけど。

 私の敬語を使えない問題に寛容な人だと嬉しいなぁ。


「なんですか、その気の抜けた返事は」


 ロワイエさんは、焦りをと通り越して、呆れていた。失礼しちゃう。


「やはり、心当たりがあるんですね? ……何か、やらかしたんですね?!」

「心当たりはなくもないけど、やらかした前提で話すのはやめて貰ってですか?! 普通に悲しいんですけど?!」

「そんなのは無理です! 国王陛下は、やらかした人たちに頻繁にお会いになられるんですからっ!」


 ロワイエさんが、衝撃の事実を言う。ちょっと涙声だった。


「なんですと……?!」


 何という国王なんだ。腹黒どころじゃないんじゃないの……?


「残念ながら、事実なんです」


 何処か遠いところ見て、ロワイエさんは言う。

 ……経験者なのか。トラウマ刺激しちゃったかな?


「王様から直々に説教されるってことなんですか?」

「あれは、説教と呼んで良いものではありません!」


 そんなに?! 説教じゃないの?! じゃあ何?!

 どうしよう、私、国王様に会うの怖くなってきた。ドSなのかな。ドSだよねきっと。


「まあ、落ち着いてください。とりあえず、何でロワイエさんは怒られたか教えてください」

「それは今、関係ないです」

「えー」

「えー、じゃないです」


 ちぇ。この調子だと教えてくれなそうだ。参考までに聞きたかったのになぁ。

 ……本当だよ? 別にロワイエさんをからかうネタにするとか、そういうつもりじゃないんだよ?

 純粋に国王様怖いなぁ、どういうことで怒るのかなぁ?、という事前調査のために聞いたんだよ? 本当だからね?


「まあ、やらかしてもやらかさなくても、エイリーさんが今まで呼び出されなかったのは不思議なくらいなんです」

「へえ、そうなんだ~。ふむふむ、なるほど~」


 ロワイエさんの言っていることに、気の抜けた返事をするしかない。

『だからなんですか、その返事』みたいな顔をロワイエさんはしたけど、ため息を吐いただけで、話は続いた。


「謁見する日は、明後日です」

「随分と急ですね」

「国王様は忙しいんです」

「それは知ってます」


 ……なんだこの会話。


「くれぐれも失礼の無いように」

「わかってますって」

「……本当ですか?」


 疑い深いな。まあ、わかる気がしなくも無いけど。

 私だって、流石に国王様には一応、敬意を払いますよっ! だって王様でしょ? 偉いんでしょ?


「本当ですって!」


 これでも元・公爵令嬢ですし? 実践できるかともかく、偉い人に会う時の知識はある。あるはずだ。頑張れば思い出せる。


「不安なので、軽くマナーの練習をしましょう」

「は?!」


 めんどくさいな! 大丈夫だって。元・公爵令嬢なの、私っ! 見えないけど、そして言えないけどっ!


「あと、着ていく服も見繕って差し上げましょう」


 それは、助かる。マジで助かる。家には、城には着ていけない服しかないし、ルシール時代の服は全部置いてきたしなぁ。


「服だけ見繕ってください。あとは、大丈夫です」

「遠慮しないでください」


 にこり、とロワイエさんは笑う。正確に言うと、笑ってないけど。笑顔が怖いんですけど。


「えー」

「いいですか、国王様に無礼があったら、エイリーさんの首は勿論、私の首も危ないんです。わかります?」

「わかりません」


 私は、危なくなったら逃げるし、大丈夫大丈夫。

 ロワイエさんが首になったら……、ごめんね?


「ということで、拒否権はありません。では、マナーの練習を始めます」


 私の反論の隙もなく、ロワイエさんのマナー教室が始まった。



 さっさと、終わんないかなぁ。と、そればかりを考えていたが、結局全てが終わったのは、日が暮れるころであった。

 長かった……。そして厳しかった……。



今日は頑張りました。

近日中に少なくても十万字突破するように頑張ります。

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