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逃亡した悪役令嬢は隣国で踊る戦乙女と呼ばれています。  作者: 聖願心理
第1章 アイオーンの跡継ぎ問題/第1節 出会っちゃったよ!
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37 戦乙女一行は武具屋へ

Wi-Fiの調子がどうも悪いので、更新が途切れたときはそういうことだと思ってください。

(普通に面倒くさくてサボってる場合もなくはないですけど)

 その後、私はこっそりと幻想魔法をカレーにかけ、普通のカレーの味だと自分自身に暗示をかけ、何事もなく完食した。

 こういうとき、魔法って便利だよね! おかげで、美味しくいただけた。


 ファースたちもそれぞれの料理に満足したらしく、幸福そうな顔をしていた。幸福~が全面的にでていたので、ちょっと引いた。

 よかった、よかった。これで、ファースたちもアデルフェーの常連になることだろう。いい仕事をしたもんだ。これで、もっと繁盛するね。


 シェミーの特製デザートは、アイスケーキだった。これは普通にというか、格段に美味しかった。高級なお菓子にも負けない出来だと私は思う。庶民舌が言ってもなんの信頼もないと思うけど。

 シェミーはプロに劣らないくらい料理は上手なのだ。ただ、悪ノリが激しいだけで。


 デザートを食べ終えた私たちは、アデルフェーを出た。


「美味しかったな」


 ふう、と一息つきながら、レノが感想を言う。


「でしょでしょ。だけど、シェミーの気まぐれは頼んじゃダメだよ。絶対ダメだよ。あれは、料理でもなんでもないから。人類が食べていいもんじゃないから」

「それは身をもって知ったよ」


 ファースが呆れ顔で言った。 あの味が忘れられないのだろう。可哀想に。

 誰のせいだ。私のせいだ。


「じゃ、お次は武具屋でいいんだよね?」

「ええ。是非とも、エイリーの剣――――クラウソラスを手入れしている方にお会いしたいわ」


 にこり、とグリーが華麗に微笑むが、心なしかうきうきしているようにも見られる。

 やっぱり、上品でもがさつでも、グリーはグリーなんだなぁ。

 戦闘脳のお姫様って怖い。


「わかった。こっちだよ」


 着いてきて、と言うように、私は歩き出す。ファースたちは、なんだかとても楽しそうだった。

 皆、そんなに武具屋に興味あるの……?


 というか、私が真面目に道案内とか、明日は雨でも降るのかもしれない。


 * * *


「こんにちはー」

「あ、こんにちはー、エイリー。後ろは友達?」


 店番をしていたゼノビィアが、笑顔でこちらを迎えてくれる。


「うん。武具屋に来たいって言ってたから、案内してきた」


 私がゼノビィアの質問に答えると、


「ええ?! 本当だったの!? ついに下僕でもできたのかと思ったじゃん。びっくりさせないでよ〜」


 なんて、酷い答えを返してくる。


「私のことをなんだと思ってんの」

「え? 馬鹿みたいに強い英雄・踊る戦乙女(ヴァルキリー)。つまりは孤高(ぼっち)

「身も蓋もない意見をどうもありがとう」


 はっきりものを言うのがゼノビィアの長所であるが、はっきりと言われすぎると流石に傷つく。私、ちょっと泣きそう。


 ゼノビィアは、建前とか言うものを知ってるんだろうか? そんな言葉を言うところを一度見てみたい。


「これがエイリーの正しい友達って感じだな」

「同意ですわ」

「そうだな」


 ぼそっとレノが呟いた言葉に、グリーもファースも激しく同意している。

 おいおいおい。こいつらも、私をなんだと思ってるんだ。

 流石の私だって、傷つくんだからね?!


「あはは、エイリーの新しいお友達は面白いね〜。その様子だと、シェミーに会ってきたんだね?」


 そんなレノの意見に、ゼノビィアは笑い出した。


「ええ。わたくしは、グリーと申します。以後お見知り置きを」

「丁寧にありがとう。わたしはゼノビィア。好きなように呼んでいいから」


 グリーの挨拶に、ゼノビィアは心からの笑顔でそう答えた。

 ……私と出会った時との対応が、大分違うんだけど。

 まあ、気にしないでおいてあげよう。気にすると、私が傷つくだけだ。


「俺は、ファースだ。よろしく」

「俺はレノだ。ところで、ゼノビィア。エイリーのクラウソラスは君が手入れしてるのか?」


 行動が早いな、レノ。そして、コミュ力も強い。流石の一言だ。

 流れるような、話題転換。真似できたら、真似したいぜ!


「勿論、と言いたいところだけど、私はまだ手伝う程度だよ。父さんが手入れはしてるよ。レノ、会いたいの?」

「ああ、是非とも話を聞きたい」

「オッケー。多分今暇だから、呼んでくる」

「ありがとう」


 ゼノビィアはギヨさんを呼びに、店の奥に行った。

 レノもゼノビィアも気さくなので、とんとんと話が進む。聞いてて気持ちがいい。


「ファースもグリーも会いたいんでしょ?」

「勿論ですわ」


 わくわくした声音で、グリーは答えた。

 目がキラキラ輝いてるのは、流石に錯覚だろう。……錯覚なのか? 本当に?


「どんな人なんだ?」


 ファースも待ちきれずに、話題を振ってくる。

 どんな人って言われてもねぇ。答えようがない。


「普通のおじさんだと思うよ」


 私は、これ以上の紹介が思いつかなかった。

 だって、見た目も中身も普通のおじさんなんだ。それ以外の特徴なんて、特にないんだ。



“鍛冶が得意な普通のおじさん”



 これがギヨさんのイメージである。

 間違ったことは言ってない。言ってないのだ。


 会えばわかるんだよっ!

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