37 戦乙女一行は武具屋へ
Wi-Fiの調子がどうも悪いので、更新が途切れたときはそういうことだと思ってください。
(普通に面倒くさくてサボってる場合もなくはないですけど)
その後、私はこっそりと幻想魔法をカレーにかけ、普通のカレーの味だと自分自身に暗示をかけ、何事もなく完食した。
こういうとき、魔法って便利だよね! おかげで、美味しくいただけた。
ファースたちもそれぞれの料理に満足したらしく、幸福そうな顔をしていた。幸福~が全面的にでていたので、ちょっと引いた。
よかった、よかった。これで、ファースたちもアデルフェーの常連になることだろう。いい仕事をしたもんだ。これで、もっと繁盛するね。
シェミーの特製デザートは、アイスケーキだった。これは普通にというか、格段に美味しかった。高級なお菓子にも負けない出来だと私は思う。庶民舌が言ってもなんの信頼もないと思うけど。
シェミーはプロに劣らないくらい料理は上手なのだ。ただ、悪ノリが激しいだけで。
デザートを食べ終えた私たちは、アデルフェーを出た。
「美味しかったな」
ふう、と一息つきながら、レノが感想を言う。
「でしょでしょ。だけど、シェミーの気まぐれは頼んじゃダメだよ。絶対ダメだよ。あれは、料理でもなんでもないから。人類が食べていいもんじゃないから」
「それは身をもって知ったよ」
ファースが呆れ顔で言った。 あの味が忘れられないのだろう。可哀想に。
誰のせいだ。私のせいだ。
「じゃ、お次は武具屋でいいんだよね?」
「ええ。是非とも、エイリーの剣――――クラウソラスを手入れしている方にお会いしたいわ」
にこり、とグリーが華麗に微笑むが、心なしかうきうきしているようにも見られる。
やっぱり、上品でもがさつでも、グリーはグリーなんだなぁ。
戦闘脳のお姫様って怖い。
「わかった。こっちだよ」
着いてきて、と言うように、私は歩き出す。ファースたちは、なんだかとても楽しそうだった。
皆、そんなに武具屋に興味あるの……?
というか、私が真面目に道案内とか、明日は雨でも降るのかもしれない。
* * *
「こんにちはー」
「あ、こんにちはー、エイリー。後ろは友達?」
店番をしていたゼノビィアが、笑顔でこちらを迎えてくれる。
「うん。武具屋に来たいって言ってたから、案内してきた」
私がゼノビィアの質問に答えると、
「ええ?! 本当だったの!? ついに下僕でもできたのかと思ったじゃん。びっくりさせないでよ〜」
なんて、酷い答えを返してくる。
「私のことをなんだと思ってんの」
「え? 馬鹿みたいに強い英雄・踊る戦乙女。つまりは孤高」
「身も蓋もない意見をどうもありがとう」
はっきりものを言うのがゼノビィアの長所であるが、はっきりと言われすぎると流石に傷つく。私、ちょっと泣きそう。
ゼノビィアは、建前とか言うものを知ってるんだろうか? そんな言葉を言うところを一度見てみたい。
「これがエイリーの正しい友達って感じだな」
「同意ですわ」
「そうだな」
ぼそっとレノが呟いた言葉に、グリーもファースも激しく同意している。
おいおいおい。こいつらも、私をなんだと思ってるんだ。
流石の私だって、傷つくんだからね?!
「あはは、エイリーの新しいお友達は面白いね〜。その様子だと、シェミーに会ってきたんだね?」
そんなレノの意見に、ゼノビィアは笑い出した。
「ええ。わたくしは、グリーと申します。以後お見知り置きを」
「丁寧にありがとう。わたしはゼノビィア。好きなように呼んでいいから」
グリーの挨拶に、ゼノビィアは心からの笑顔でそう答えた。
……私と出会った時との対応が、大分違うんだけど。
まあ、気にしないでおいてあげよう。気にすると、私が傷つくだけだ。
「俺は、ファースだ。よろしく」
「俺はレノだ。ところで、ゼノビィア。エイリーのクラウソラスは君が手入れしてるのか?」
行動が早いな、レノ。そして、コミュ力も強い。流石の一言だ。
流れるような、話題転換。真似できたら、真似したいぜ!
「勿論、と言いたいところだけど、私はまだ手伝う程度だよ。父さんが手入れはしてるよ。レノ、会いたいの?」
「ああ、是非とも話を聞きたい」
「オッケー。多分今暇だから、呼んでくる」
「ありがとう」
ゼノビィアはギヨさんを呼びに、店の奥に行った。
レノもゼノビィアも気さくなので、とんとんと話が進む。聞いてて気持ちがいい。
「ファースもグリーも会いたいんでしょ?」
「勿論ですわ」
わくわくした声音で、グリーは答えた。
目がキラキラ輝いてるのは、流石に錯覚だろう。……錯覚なのか? 本当に?
「どんな人なんだ?」
ファースも待ちきれずに、話題を振ってくる。
どんな人って言われてもねぇ。答えようがない。
「普通のおじさんだと思うよ」
私は、これ以上の紹介が思いつかなかった。
だって、見た目も中身も普通のおじさんなんだ。それ以外の特徴なんて、特にないんだ。
“鍛冶が得意な普通のおじさん”
これがギヨさんのイメージである。
間違ったことは言ってない。言ってないのだ。
会えばわかるんだよっ!




