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逃亡した悪役令嬢は隣国で踊る戦乙女と呼ばれています。  作者: 聖願心理
第1章 アイオーンの跡継ぎ問題/第1節 出会っちゃったよ!
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29 盾回収と雑談タイム

今から何話か投稿します。

私が飽きるまで続くよ。

 さっきまで魔物が密集していたとは思えないほど、この部屋はがらんとして、静かだった。これなら、お宝の盾探しも楽そうだ。


 魔物が1番密集していたところ–––––––––––この部屋の中心部分をまずは確認する。

高確率で、そこにあるはずだ。魔物が魔力を求めて集まっていたんだから。

 私の予想通り、やはりそこには大きめの何かが落ちていた。


「あ。あれ? あれがお宝じゃない?」


 私はそれを指しながら、ファースたちに話しかける。


「多分そうなんじゃないか?」


 中心部まで、かなり距離があるのではっきりとは見えないが、うっすらと魔力は感じられる。

 私たちは歩いて、それに近づいていく。


 近づくにつれ、それが盾だという確信は強くなっていった。

というか、かなり大きいぞ、この盾。しかも、飾られている魔石の数も質も凄いぞ。

流石、王族の秘宝。豪華だねぇ。


「これが、マスグレイブの盾?」

「ああ、間違いない」


 ファースは、鑑定魔法を使って確かめた。本物で一安心だ。


「ほうほう。めっちゃ豪華だねぇ。そして何より重そう。誰が持って帰るの?」


 私のアイテムボックスに入れれば、誰も辛い思いをしなくて良いんだけど、それはやらない方がいいと思う。


 そもそも、この世界でアイテムボックスを使える人なんて、私くらいしかいない。だから、説明がめんどくさい。

普通の人に、アイテムボックスなんて使えない。そんなものホイホイ使えてたまるものか。

ゲーム補正とかいうやつなんだと思う。いやぁ、便利だよなぁ……。


 それに、こんなところに落ちているとはいえ、王族の秘宝だ。安易に私が預かる訳にもいかない。

 そのまま、自分の物にしちゃうかも、という疑いがかけられてしまうかもしれない。

まあ、私は、断じてそんなことはしないけど。大体王族の秘宝盗んでるんだから、普段使いは難しいし、売るにしたらすぐ身元がバレるよね。

盗むなんて、バカしかやらないと思う。


「ああ、その辺の心配はしなくていいぞ」


 そんなことをレノは言いながら、よいしょと盾を軽々と片手で持ち上げる。

本人は辛そうでもなんともなく、普通の顔をしていた。こんくらいお茶の子さいさいってか。


「筋力えぐいな」


 と、ぽろりと私は独り言を口にする。

 “筋力”というのは、筋力のステータスのことだ。数値が高いほど、重いものが持てるようになったり、体を使った攻撃でダメージを与えやすくなる。

私は、そんなに高くない。……女子のというか、男子の平均よりは余裕で上回ってるけど。


「エイリーって、ほんと言葉遣い荒いよな。本当に女子か?」

「……その言葉を貴方の婚約者にも言ってあげなさい」

「ははは、そーだよな」


 私の嫌味たっぷりの言葉を、軽く笑って流すのだから、愛の力というものはすごい。愛されてますねぇ。


「でも、まだあたしの方がマシじゃないか?」


 と、グリーも参戦してくる。


「どの口が言う」


 今だって、かなり口が悪かったぞ? 言葉だけだと、女子感がでてるのは、“あたし”だけしかないぞ?!

そもそも、“あたし”も怪しくない? “あたし”も乱暴な感じするよね?!


「だって、あたしには上品なグリーちゃんもいるし。上品なグリーちゃんの方が表に出てる時が多いし」

「それは、そうだけど! 今のグリーにそれを言われるのはなんか、腹立つ!」


 まあまあ筋が通っていたので、私の言い訳に説得力がなくなった。


 私も一応、公爵令嬢やってたはずなんだけどなぁ? まあ、上品に嫌味を言うスキルは、ルシール・ネルソンに敵うものなどいないだろう。

 私の物言いがそんなに面白かったのか、3人は必死に笑いをこらえている。……この人たちの笑いのツボがいまいち分からん。


 はあ、と深いため息をついて、私は話を進める。


「じゃあ、盾はレノが持って帰るんだよね?」

「ああ」

「で? どうするの、これから?」


 私の問いかけに、3人とも目をパチクリさせる。私は再び盛大なため息をつき、


「目的の秘宝は回収し終えたけど、私はこの森の全ての魔物を倒さないといけないの。だから、ここで解散ってことでいい?」


 これ以上、ファースたちはこの森にいる必要がない。そもそもお忍びできたのだから、早く帰らないとまずいはず。

 それなのに、彼らは『は? 何言ってんだこいつ』みたいな顔をする。こっちの台詞だよ、それ。


「魔物倒し、俺たちも行くつもりだったんだけど」

「その依頼であたしたちパーティ組んでるんだし、最後まで付き合うぞ、エイリー」

「俺たちが邪魔だったら、別だけどな」


 なんて、3人は口々に言う。


 何言ってるんだ、こいつら。そんな危険を冒してまで、何がしたいんだ? こうやって、勘ぐってしまうのは、私の悪い癖だ。ぼっちが長かったから、人を信じられないんだなぁ。

 ファースたちといる時間は楽しかったけど、私は自分の考えを曲げるつもりはない。


「有難いけど、あんたたちはさっさと帰って! その盾、万が一壊したり無くしたりしたら、どうするの?! それにあんたたち、お忍びできてるんだから、見つからないうちに早く帰りなさい! 帰れ!」


 と、お説教じみた内容を、声高らかに言うのであった。


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