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逃亡した悪役令嬢は隣国で踊る戦乙女と呼ばれています。  作者: 聖願心理
第2章 魔王討伐をするようです。/第1節 踊る戦乙女の里帰り
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15 全く話が進みません

 ルシール・ネルソンと私の似ているところ(見た目は含まれない)を語る会は、まだ続いている。参加メンバーは、コンスタント・ネルソン、マーシー・ネルソン、ルーク・ネルソン。


 永遠に続きそうだし、私もなんだかこっぱずかしいので、そろそろお暇しようと思って、席を立ったときだった。


「あ、エイリー。まだ話があるから、まだ残ってくれるかい」

「マジですか」


 嬉々として魅力を語っていたコンスタントさんに、止められた。


 嘘だろ、まだ話があるのかよ。

 この状況で? もう大事な話がないから、こうしてルシールの話をしていたんじゃないの?!

 そうじゃなかったの?! 終わったような感じしたよね?!


「割と重要な話だから、今話しておきたいんだ」

「ルシールの魅力語るのと、どっちが大切ですか」

「そんなもの、ルシールたんの魅力を語るのが大事に決まってるだろう」

「……やっぱり部屋に戻っていいですか」


 余談だが、マカリオスに滞在する間は、ネルソン公爵家でお世話になることが決まってる。

 つまり、私はルシールの部屋に寝泊まりするわけで、尚且つ度の過ぎた溺愛を受けることになるのだ。

 本音で言うと、今すぐ逃げたいが、私はルシール・ネルソンみたいなものなので、仕方がないのだ。


「今から話したいこともそこそこ大事でね」

「でも、ルシールの話より大事じゃないんでしょう?」

「ルシールたんより大事な話があるわけないじゃないか!」


 コンスタントさんは、何を馬鹿なことを言っているんだ?、と言わんばかりに、そう告げた。

 賛同するように、マーシーさんやルークさんも頷く。


 あ、はい。私の聞き方が間違っていました。

 駄目だよ、ルシールと比べるような発言をしちゃあ。こいつらは、躊躇うことなく、ルシールのことを選ぶに決まっている。

 こいつら、ルシールに関しては普通の感性を持ち合わせていないのは、今に始まったことじゃない。

 いい加減学ぼうぜ、エイリー。こいつらは、可笑しい。かなり可笑しい。


 というか、どうしたら優秀な人間が、こんなにポンコツ似成り果てるんだ?

 ルシール・ネルソンにそんなに魅力があるのか? うん、断じてない(即答)

 不思議で不思議でたまらない。


「あの、コンスタントさん」

「コンスタントさん、なんて他人行儀な呼び方しないでくれよ。是非、『お父様』……、いいや、この際『パパ』と呼んでくれ!」

「じゃあ、私も『ママ』と呼んでもらおうかしら?」

「じゃあ、俺は『おにいちゃま』がいいな!」


 ……こいつら、私のこと何歳児だと思ってるんだ? 私、幼稚園生じゃないんだぞ? これでも一応、16歳なんだぞ?


「私の感覚的に、本当の家族ってよりは、親戚?、みたいなものですし?」


 本音を言うなら、ただの変な奴らだな。自分から関わろうとはしない奴らだ。むしろ関わらないでくれ。


「そんな悲しいこと言わないでくれ」

「そうよ、本当の家族と思ってくれていいのよ」

「実際、血は繋がってるんだ」


 何か言うたびに、トリプルパンチはきつい。ちなみに、皆様押しが強いので、対応しきれない。

 普通に疲れるわ、これ。


「……わかりました。わかりましたからっ! でも、流石にパパ、ママ、おにいちゃまは恥ずかしいので、『父さん』『母さん』『兄さん』でいいですか! いいですよね?!」


 さっさと妥協点を見つけたかった私は、こんなことを提案した。反対されるとめんどくさいので、圧力強めだ。


 すると…………。


「父さん! 父さんか! これは新しいな!!」

「ええ、貴族の間では、そんな気軽に呼びませんもの!」

「こっちの方が親近感あっていいな!」


 と、皆さんそろって目をキラキラさせて喜ぶ。不満はなさそうなので良かったが、こんなに喜ばれるのもちょっと……。


 確かに、貴族の間だと、『お父様』『父様』『父上』なんかが主流で、『父さん』なんて呼ばないからなぁ。特に令嬢さんは。


 チョイスを間違えたかも?

 でも前世だと、こういう呼び方だったので、しっくりくるのだ。


 仕方ない仕方ない、と自分に言い聞かせる。

 異様にテンションの高い人たちを見て、仕方ないとはどうしても思えないけど、仕方ないのだ……。


 というか、なかなか話が進まないな。

 さっさと本題、本題に入ろうよ! 私、結構疲れたんですけど?!


「それで、父さん」

「父さんきたぁぁぁぁぁぁ」

「…………」


 そんなんで、喜ばれても困るんですけど。

 どうリアクションしていいのかわからないんですけど。


「ねえねえ、エイリーちゃん。『母さん』とも呼んでちょうだい」

「俺のことも、『兄さん』と」

「…………」


 なんでこんなにハイテンションなの、この人たち。

 ルシールに会えなかった寂しさとかはわからなくもないが、でもそんなにテンションあがる?! 異常だよね?!


 ここで断っても、仕方ないので、私は諦めて、「母さん、兄さん」と呼んだ。

 例のごとく、2人も変なテンションで喜んだ。


 …………駄目だこりゃ。


 この人たちは、しばらく喜んでた。




大事な話とやらは次回に持ち越しです。


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