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逃亡した悪役令嬢は隣国で踊る戦乙女と呼ばれています。  作者: 聖願心理
第1章 アイオーンの跡継ぎ問題/第1節 出会っちゃったよ!
16/232

15 友達が多い友達

調子に乗って本日2度目の更新です。

「こんにちはー」


 デジレと別れて、私がやってきたのは、とある鍛冶屋だ。


「いらっしゃい、踊る戦乙女(ヴァルキリー)殿」


 出迎えてくれたのは、この鍛冶屋の主人・ギヨさん。

 見た目はただのおじさんだが、かなりの腕前を持っている。どのくらい凄いかと言うと、手入れの難しい魔剣を、いとも簡単にこなしてしまうほどだ。

 クラウソラスの手入れをしてくれて、私も助かっている。


 ギヨさんの手入れは本当に最高だ。それに、鍛える武器も最高だ。

 私も、クラウソラスの他にもう一本、剣を鍛えてもらいたい。まあ、当分は浮気をするつもりはないけどね。


 だけど、今日はギヨさんに用事があるわけではない。

 今日は、ギヨさんの娘である、ゼノビィアに会いに来たのだ。


「ゼノビィア、いる?」

「おう。今、呼んでくる」


 いつも思んだけど、ギヨさんは私のことは敬称を付けて呼ぶのに、話すときはタメ語なのはどうしてなんだろう? 長々と『踊る戦乙女(ヴァルキリー)』なんて呼ばなくてもいいじゃん。


 しかし、なんでこんな長い二つ名的なものが広がってしまったのだろう? 謎だなぁ。呼びにくくないのかなぁ。

 ……まあ大抵、二つ名って長いけど。“踊る戦乙女(ヴァルキリー)”ってそんなに長くないけど。

 でもさ、名乗るときさ、長いのめんどくさいし、ちょっと厨二くさくて恥ずかしいんだよね。


「お待たせ、エイリー」


 店の奥から出てきた、栗色の髪の少女。彼女が、ゼノビィア。私の友達だ。


「そんなに待ってないよ」


 私が言葉を返すと、


「そう? ならいいんだけど。で、私に用って何?」


 淡々とゼノビィアが返してくる。


 ゼノビィアは性格がかなりさばさばしているが、友達はめちゃくちゃ多い。私と同じさばさば系女子なのに、なんでだ……。

 理由を考えるに、彼女はさりげない気づかいができるし、彼女がいると会話が盛り上がるからだろう。その辺の差だ、多分。認めたくないけど。


 そんな悲しいことはもう考えるの、やめよう。さっさと本題に入ろう、そうしよう。


「ゼノビィア、王家の秘密のお宝について、何か知らない?」


 友達が多い彼女は、故に沢山の情報を持っている。本当に色々知ってるんだよねぇ。老若男女関係なく友達いるからなんだろうけど。

 ただ、ほとんどが噂なので、信憑性は低い。


「うーん、知らないな。何? また依頼?」

「そ。詳しくは言えないけど、結構めんどくさいんだよ」

「断わればいいじゃん」

「でもねぇ」

「まあ、金払いはいいもんね」


 どうでもいい会話をテンポよく進める。無駄話をするのは、ゼノビィアとが一番楽しい。

 なんとなく、性格が似ているからなのかな? 似てるのかなぁ? 似てるのか……?


 ちょっと自分でも違和感を覚え始めたので、そこで思考はストップしよう。


 人間として、ゼノビィアの方が圧倒的に優れてる気がする。友達多いし。友達多いし。

 私の友達なんて……。数えると凹むので、数えないけど。


「まあ、ギルドでも聞いてみる」


 ゼノビィアは大手のギルドに入っているので、情報が入りやすいし、人脈もある。()()()情報収集をしようとしたら、彼女を頼るのが一番だ。


 ギルド、というのは、冒険者登録をしているもの達が集まってつくる連合みたいなものだ。10人から作ることができる。

 ちなみに私はギルドには、入っていない。理由は単純で、集団行動が苦手だからだ。どうせ、ひとりでなんとかなるし。


 アイオーンに来てから、集団行動嫌い、余計酷くなった気がする。まずいかなぁ。

 ……いいんだけど。ひとりでもやっていけるし。むしろ、ひとりの方が楽だし。


「ありがとう、ゼノビィア」

「いえいえー。うちのお得意様ですもの」


 わざとらしい会話に、くすくすと私とゼノビィアは笑う。


「あ、そういえば、エイリー。今度、また素材集め手伝ってほしいんだけど、空いてる日ある?」


 ゼノビィアが、そんなことを言い出した。

 ゼノビィアは、鍛冶師を目指しているので、自分で武器を鍛えることもあるのだ。

 本人曰く、『まだまだだよ』と言うが、普通に上手い気がするのは、気のせいだろうか? 師匠がギヨさんって時点で、ハイレベルなんだけど。


 まあ、だからゼノビィアとは、これまでに何度も素材集めのために、洞窟に行ったり、山に行ったりしている。

 ちょっと危ないところに行くときは、私が呼び出されるのだ。いいように使われてるのだ、レベル300の私は。


「ゼノビィアの都合の良い日でいいけど。パーティはどうするの?」

「お願い、今回は絶対組んで」


 パーティとは、2人から10人の冒険グループみたいなもので、一つの依頼や冒険などをこなすごとに解消されるものだ。これまでに何度か私はパーティを組んだことはある。これでも、軽く英雄視されているし。

 だが、これも性に合わない。正直言って、みんな邪魔。


 パーティの特徴は、手柄も経験値もメンバーで相談して決める。だから、ほぼほぼ私が活躍しても、それは“みんなの手柄”になってしまう。おかしな話だ。

 だがら私は、極力パーティの誘いも受けないことにしている。


「了解」


 ただ、ゼノビィアと2人のパーティは悪いものじゃない。彼女は私と違った強さがある。それに、一緒にいるのは楽しいし。


 だから私は、ゼノビィアとは進んでパーティを組むことにしている。といっても、素材集めでしか共に行動しないんだけど。


 ゼノビィアは一応、大手ギルドの中心メンバーだし、あっちこちから引っ張りだ。人気者は辛いね。


「ありがとう、エイリー。これで新しい武器が鍛えられるよ」

「どういたしまして」


 そのあと、詳しい予定などを決めて、私はゼノビィアと別れた。

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