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逃亡した悪役令嬢は隣国で踊る戦乙女と呼ばれています。  作者: 聖願心理
第1章 アイオーンの跡継ぎ問題/第1節 出会っちゃったよ!
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14 情報収集から始めよう!

カクヨムであげているものを改稿がてら、なろうにあげている感じです。

なろうは話数が少ないけど、最新版なのです。

 ロワイエさんの話によると、王家に伝わる宝石は、()()()()()()分からないらしい。ただの石のように見えるし、ダイヤモンドよりも美しくみえるらしい。

 ただ、見れば必ずわかるそうで。


 理由は簡単。その宝石は、魔力を持った石、いわゆる魔石だからだ。



 でも、魔石と言っても漠然としすぎている。だからまずは、情報収集から始めないといけない。

 めんどくさいけど、本当にめんどくさいけど、当てずっぽうに探すわけにもいかないので、頑張るしかない。どこにあるか、場所もセットで教えてくれればいいんだけどなぁ……。


 そう思って、マップを開き、()()()がどこにいるか探す。


 よし、大丈夫。いつもの場所にいるようだ。

 しっかりと確認した私は、その場所に向かって歩き出した。


 私が行き着いた場所は、複雑な道が多い、町外れの住宅地にある、3階建ての建物の、とある一室。

 ここに、今の私に必要な人がいる。


 その人に会うために手順は決まっている。

 ドアを2回ノックし、呼び出しベルを3回鳴らす。その手順を踏まなければ、ドアは開かない。


「入っていいっすよ」


 いつものようにドアの向こう側から、軽快な声が聞こえてきたので、私は遠慮なくドアを開けた。


 出迎えたのは、藍色の髪と瞳を持つ、ヘラヘラと笑う男。

 こいつ、いっつも少し気に触るような笑い方するんだよなぁ。ムカつくなぁ。そういう性分なんだろうけどさ。


「今日は何の御用っすか? 戦乙女(ヴァルキリー)さん」

「そう呼ぶのやめてって言ってるでしょ、デジレ」


 冗談めかして言う藍色髪の男––––––––––情報屋・デジレ。

 デジレとは、アイオーンに来てからの付き合いで、主にマカリオスの情報を調べてもらっている。

 主な理由は、ルシール・ネルソンを誰がどのように探しているのか、探るため。いつ、私が見つかるかはわからないので、念には念を入れてね。


 デジレはこんなんでも優秀で、マカリオスの情勢は、ほぼほぼ把握できている。

 こんなんで、優秀だからムカつくんだよなぁ。


「いいじゃないっすか」


 けたけたと笑うデジレを見て、はあ、とため息を吐く。

 だがそれでもデジレは、「そんなんじゃ幸せ逃げちゃうっすよ〜」と笑う。何だこの野郎。喧嘩売ってんのか?


 なんて話を続けていても仕方ないし、デジレは出会ってからずーっとこの調子なので、半分諦めているので、さっさと本題に入ることにした。


「それでね、今回のことなんだけど……。ちょっといつもとは、わけが違うの。必ず秘密にできないなら、断って欲しいんだけど。ていうか絶対に断って」

「了解っす」


 それにしてもこいつは、四六時中ヘラヘラしてるなぁ。顔の筋肉、疲れないのかなぁ。

 そんな余計なことを考えながら、私は言葉を続ける。


「……王家の失われた宝石のことなんだけど」


 私の言葉に、デジレが眉を密かに動かした。ピクッとしたぞ、今。私は見逃さなかったからな?


 ––––––––––これ絶対、何か知っているぞ。


 ニンマリと心の中で、ほくそ笑む。


「王家の秘宝……? 何っすか、それ」


 間を空けず、デジレはそんな言葉を返してくる。顔は例のごとく、ヘラヘラしてるので、気持ちがわかりずらい。というか、全くを持ってわからん。

 だけど、デジレが何かしらの嘘をついていることは事実だ。


 でも、どうして嘘をつくんだ? なんとなく、理由はわかるけど。


「知らないならいいのだけど。私の依頼は、王家の失われた宝石の情報を、調べて欲しいの。無論、誰にもバレないように」

「了解っす」


 何気ない顔で私の依頼に、デジレは了承した。


 –––––––––––ずる賢い奴だなぁ。


 なんて思いながら、私は腰にかけてあるクラウソラスに手をかける。勿論、脅しだ。魔法使ったり、切り捨てたりはしない。私はそんな酷いことしないです、本当です。

 デジレはその意味を理解したのか、恐る恐る口を開いた。ヘラヘラは相変わらずしてるけど、どこか緊張感がある。何でこんなにビビってんのこいつ。


「何かお気に召さないところが、あったっすか?」

「分かって言ってるよね? 嘘なんてつくもんじゃないよ?」


 じり、と空気が震えた。デジレはゴクリと唾を呑んだ。


 仮にも、踊る戦乙女(ヴァルキリー)と呼ばれている私に嘘を吐くなんて、デジレも大したものだよなぁ……。私だって、怒ったら何するかわからないのに。

 いやはや、その度胸は褒めてあげたい。


「……降参っす。流石、踊る戦乙女(ヴァルキリー)っね。簡単には騙せないっす」


 ヘラヘラした口調だが、どこか真剣味があったので、私はクラウソラスから手を離して、けたけたと笑った。


「冗談に決まってるでしょ。あんたのこと殺すわけないじゃん。真剣になっちゃって、あはは、可笑しい〜!」

戦乙女(ヴァルキリー)様それは、冗談にならないんっすよ……」


 デジレは呆れた顔で言う。


 にしても、流石デジレだよね。私を試すような真似するなんて。よっぽど度胸があるのか、あほなのか。どっちもなんだろうけど。


「まあ、大方先に同じ依頼主様がいたんでしょ? 正直に断ってくれれば良かったのに。私の邪魔をしようとしたわけ? 舐められてるねぇ」


 心が広いことに定評がある私も、流石にちょっとムカついたので、デジレことをからかうようにして、笑う。

 デジレは、想像以上に、申し訳なさそうにしていた。うお、こいつでもこんなになるのか。


「……すみませんっす。そう言うことなので、お断りさせていただきますっす」

「次こんなことしたら、強制的に記憶を覗いて、殺すからね?」


 にぃという笑みを見せながら、私はデジレを見た。


「だから、そう言うの冗談にならないんっすよ……」

「あははは、冗談じゃないかもしれないじゃん」

「寿命縮まりそうなんで、本当、やめてくださいっす。俺が悪かったっす」

「じゃあ、“っす”ていう語尾やめて?」


 前から気になってたけど、その語尾なんなの?

 微妙にイラッと来るんだよねぇ……。


「それは無理っす! これは俺のアイデンティティなんっす!」

「大袈裟な」

「大袈裟じゃないっす!」


 デジレがムキになるので、私は諦めることにした。

 デジレは、勝った!、みたいな表情をしたので、やっぱり殺してやろうかと思った。やらないけど。


「じゃあ、そろそろ帰る。他の用事もないし」

「了解っす。今後も贔屓していただけると嬉しいっす」

「どうしようかなぁ。 まあ、考えとくね」


 そういう抜け目のないところがデジレらしいなぁ……。

 ……まあ、贔屓するかどうかは別問題だけど。でもこいつ、情報屋としては、優秀なんだよなぁ。



 さてと。デジレから情報を集められないのであれば、噂に頼るしかないなぁ。

夜あたりにもう一度更新するかもしれないです。

しなくても怒らないでください。

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