14 情報収集から始めよう!
カクヨムであげているものを改稿がてら、なろうにあげている感じです。
なろうは話数が少ないけど、最新版なのです。
ロワイエさんの話によると、王家に伝わる宝石は、どんなものか分からないらしい。ただの石のように見えるし、ダイヤモンドよりも美しくみえるらしい。
ただ、見れば必ずわかるそうで。
理由は簡単。その宝石は、魔力を持った石、いわゆる魔石だからだ。
でも、魔石と言っても漠然としすぎている。だからまずは、情報収集から始めないといけない。
めんどくさいけど、本当にめんどくさいけど、当てずっぽうに探すわけにもいかないので、頑張るしかない。どこにあるか、場所もセットで教えてくれればいいんだけどなぁ……。
そう思って、マップを開き、ある人がどこにいるか探す。
よし、大丈夫。いつもの場所にいるようだ。
しっかりと確認した私は、その場所に向かって歩き出した。
私が行き着いた場所は、複雑な道が多い、町外れの住宅地にある、3階建ての建物の、とある一室。
ここに、今の私に必要な人がいる。
その人に会うために手順は決まっている。
ドアを2回ノックし、呼び出しベルを3回鳴らす。その手順を踏まなければ、ドアは開かない。
「入っていいっすよ」
いつものようにドアの向こう側から、軽快な声が聞こえてきたので、私は遠慮なくドアを開けた。
出迎えたのは、藍色の髪と瞳を持つ、ヘラヘラと笑う男。
こいつ、いっつも少し気に触るような笑い方するんだよなぁ。ムカつくなぁ。そういう性分なんだろうけどさ。
「今日は何の御用っすか? 戦乙女さん」
「そう呼ぶのやめてって言ってるでしょ、デジレ」
冗談めかして言う藍色髪の男––––––––––情報屋・デジレ。
デジレとは、アイオーンに来てからの付き合いで、主にマカリオスの情報を調べてもらっている。
主な理由は、ルシール・ネルソンを誰がどのように探しているのか、探るため。いつ、私が見つかるかはわからないので、念には念を入れてね。
デジレはこんなんでも優秀で、マカリオスの情勢は、ほぼほぼ把握できている。
こんなんで、優秀だからムカつくんだよなぁ。
「いいじゃないっすか」
けたけたと笑うデジレを見て、はあ、とため息を吐く。
だがそれでもデジレは、「そんなんじゃ幸せ逃げちゃうっすよ〜」と笑う。何だこの野郎。喧嘩売ってんのか?
なんて話を続けていても仕方ないし、デジレは出会ってからずーっとこの調子なので、半分諦めているので、さっさと本題に入ることにした。
「それでね、今回のことなんだけど……。ちょっといつもとは、わけが違うの。必ず秘密にできないなら、断って欲しいんだけど。ていうか絶対に断って」
「了解っす」
それにしてもこいつは、四六時中ヘラヘラしてるなぁ。顔の筋肉、疲れないのかなぁ。
そんな余計なことを考えながら、私は言葉を続ける。
「……王家の失われた宝石のことなんだけど」
私の言葉に、デジレが眉を密かに動かした。ピクッとしたぞ、今。私は見逃さなかったからな?
––––––––––これ絶対、何か知っているぞ。
ニンマリと心の中で、ほくそ笑む。
「王家の秘宝……? 何っすか、それ」
間を空けず、デジレはそんな言葉を返してくる。顔は例のごとく、ヘラヘラしてるので、気持ちがわかりずらい。というか、全くを持ってわからん。
だけど、デジレが何かしらの嘘をついていることは事実だ。
でも、どうして嘘をつくんだ? なんとなく、理由はわかるけど。
「知らないならいいのだけど。私の依頼は、王家の失われた宝石の情報を、調べて欲しいの。無論、誰にもバレないように」
「了解っす」
何気ない顔で私の依頼に、デジレは了承した。
–––––––––––ずる賢い奴だなぁ。
なんて思いながら、私は腰にかけてあるクラウソラスに手をかける。勿論、脅しだ。魔法使ったり、切り捨てたりはしない。私はそんな酷いことしないです、本当です。
デジレはその意味を理解したのか、恐る恐る口を開いた。ヘラヘラは相変わらずしてるけど、どこか緊張感がある。何でこんなにビビってんのこいつ。
「何かお気に召さないところが、あったっすか?」
「分かって言ってるよね? 嘘なんてつくもんじゃないよ?」
じり、と空気が震えた。デジレはゴクリと唾を呑んだ。
仮にも、踊る戦乙女と呼ばれている私に嘘を吐くなんて、デジレも大したものだよなぁ……。私だって、怒ったら何するかわからないのに。
いやはや、その度胸は褒めてあげたい。
「……降参っす。流石、踊る戦乙女っね。簡単には騙せないっす」
ヘラヘラした口調だが、どこか真剣味があったので、私はクラウソラスから手を離して、けたけたと笑った。
「冗談に決まってるでしょ。あんたのこと殺すわけないじゃん。真剣になっちゃって、あはは、可笑しい〜!」
「戦乙女様それは、冗談にならないんっすよ……」
デジレは呆れた顔で言う。
にしても、流石デジレだよね。私を試すような真似するなんて。よっぽど度胸があるのか、あほなのか。どっちもなんだろうけど。
「まあ、大方先に同じ依頼主様がいたんでしょ? 正直に断ってくれれば良かったのに。私の邪魔をしようとしたわけ? 舐められてるねぇ」
心が広いことに定評がある私も、流石にちょっとムカついたので、デジレことをからかうようにして、笑う。
デジレは、想像以上に、申し訳なさそうにしていた。うお、こいつでもこんなになるのか。
「……すみませんっす。そう言うことなので、お断りさせていただきますっす」
「次こんなことしたら、強制的に記憶を覗いて、殺すからね?」
にぃという笑みを見せながら、私はデジレを見た。
「だから、そう言うの冗談にならないんっすよ……」
「あははは、冗談じゃないかもしれないじゃん」
「寿命縮まりそうなんで、本当、やめてくださいっす。俺が悪かったっす」
「じゃあ、“っす”ていう語尾やめて?」
前から気になってたけど、その語尾なんなの?
微妙にイラッと来るんだよねぇ……。
「それは無理っす! これは俺のアイデンティティなんっす!」
「大袈裟な」
「大袈裟じゃないっす!」
デジレがムキになるので、私は諦めることにした。
デジレは、勝った!、みたいな表情をしたので、やっぱり殺してやろうかと思った。やらないけど。
「じゃあ、そろそろ帰る。他の用事もないし」
「了解っす。今後も贔屓していただけると嬉しいっす」
「どうしようかなぁ。 まあ、考えとくね」
そういう抜け目のないところがデジレらしいなぁ……。
……まあ、贔屓するかどうかは別問題だけど。でもこいつ、情報屋としては、優秀なんだよなぁ。
さてと。デジレから情報を集められないのであれば、噂に頼るしかないなぁ。
夜あたりにもう一度更新するかもしれないです。
しなくても怒らないでください。




