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逃亡した悪役令嬢は隣国で踊る戦乙女と呼ばれています。  作者: 聖願心理
第1章 アイオーンの跡継ぎ問題とその他諸々/第3節 ゼーレ族の問題(シェミー編とも言う)
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100 ゼーレ族の謎を解け!其ノ一

本日2回目の更新です。

「何から聞こうかしら?」


 にこりと恐ろしいくらいに、素敵な笑顔を浮かべてマノン様は言った。怖いの一言につきる。


 ……てか、私、帰ってよくね? やること終わったよね?

 無論、そんなこと言い出せる雰囲気ではない。くそぉ。


「聞きたいことを尋ねれば良い。我らは全てを話そう」


 マノン様相手に敬語を使わず、いつも通りに接するゼーレ族の方々。これもこれで恐ろしい。どんだけメンタル強いの。


「そう。ではまず、ずっと疑問に思ってたことを聞くわ。

 貴方たちはどうして里を解散させることにそこまで反対したの?」


 マノン様は見たことがないくらい真剣な瞳で、表情で、そして切実にゼーレ族を見た。


「貴方たちが伝統を重んじていたのはわかるわ。だから、アニスの決定にも反対したんでしょう。あの子の出した結論の理由も、私情といえば私情ですもの。

 でも、里が解散されてもされなくても、ゼーレ族は滅びたわ。血筋が残っている分、解散した方が良いと私は思うわ。だから、貴方たち存続派もいつかは納得すると思ってたわ。しかし違った。

 ――――ねえ、それはどうして? もっと別な理由があるんじゃないのかしら?」


 まあ、確かに。里が存続してても、そのうち全ての人が親族になって、近親婚になるもんなぁ。血が濃すぎると子供に色々問題ができるって聞いたことあるし。

 マノン様の言うことはもっともだ。


「それで良いのだ。我々、ゼーレ族は滅びるべきなのだ」

「は?」


 ゼーレ族の言葉に私は思わず驚きの声を漏らしてしまう。

 いやと言うか、驚かない方が無理って話だ。だって滅びた方がいいって何? じゃあなんで里を復活させようとしてるわけ?


「驚くのも無理はない」

「どうして滅びた方が良いと言うの?」


 マノン様も驚きを隠せない様子で尋ねる。


「……我々ゼーレ族は、()()()()()()()()()()()()()

「はあ?!」


 何それ何それ何それ。初耳なんだけど。というか、誰も知らなかったでしょそれ。

こんな風に、そんな盛大な設定ぶちかますなよ。もっとこう、秘密を暴露するときの手順ってものがあるでしょ!


「ど、どういうことなの?」

「人間と魔王は、長い間ずっと戦いを続けてきた。その中で魔王は、人間の中に味方を混ぜることにした。スパイ、というやつだな。そのためにできたのが、我々ゼーレ族の祖先となる、人間の形をした魔物だ」


 私たちの驚きを気にすることなく、ゼーレ族は話を続ける。


「幻想魔法が効かない、嘘を見抜く。今の我々に引き継がれている力だけ見ても、スパイに向いているだろう?」


 確かに、と納得してしまう私。


「しかし、魔王は人間に敗れ、封印されてしまう。ゼーレ族の祖先となった魔物は、アイオーンの王の温情により、山里でひっそりと暮らしていくことを許されたのだ。

 …………これがゼーレ族の始まりだ」

「つまり、ゼーレ族(私たち)は、人間ではないということ?」


 マノン様が戸惑いながら、質問をする。


「半分はな」

「というと?」

「その魔物は人間と結婚し、子供を残したのだよ。だから、半分は人間だ」


 それを問題と捉えてないゼーレ族の物言いに、私を含めた皆が唖然とする。


 要するに、マノン様たちゼーレ族は魔物とのハーフで、シェミーはベルナたちマスグレイブ兄弟はクウォーターってこと?

 へえ、なんか凄いなぁ……。ファンタジーだよ……。


「だから、人と交わってはならないってことかしら?」

「そうだ。それに我々の祖先は人間に敵対した。故にひっそりと滅ぶのが償いだ」


 この話を聞いて、復活派のゼーレ族の考えが分かった。が、彼らのとった行動に疑問を感じるものがいくつもあった。


「貴方がたの考えは分かりました。では何故、ディカイオシュネーと、サルワと組んだの?」


 マノン様も同じことを思っていたみたいだ。

 だよなぁ。里を復活させたいとは言ってもわざわざディカイオシュネーと、サルワとが必要性はないもんな。


「それは–––––」


 ゼーレ族の謎解きは、まだまだ始まったばかりだ。



其ノ二に続きます。

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