第1話 絶望
「ここは?」
目が覚めると、建物の中で寝ていた。
「おばあちゃん、気がついたみたいよ」
女の子だ。かわいい。僕の嫁一人目はこの子にしようかな。
「元気そうだねぇ。ぼうや、どこから来たの?」
女の子の祖母らしき人に聞かれる。なんと答えればよいのか。
「別の世界からです。」
「ぼうや、転生してきたのね。それなら、手続きしなきゃね。ついてきなさい」
おばあさんについていく。ここは町のようだ。町並みは、よく見る西洋の風景といった感じか。
「ここだよ。」
市役所の様な建物だ。手続きと言っていたけど、手短に終わらないかなぁ。
ガチャ
「いらっしゃいませ。愛と平和の国、ポダカンへようこそ」
ドアを開けると、女の人の声で出迎えられる。
「こちらへどうぞ!」
俺は受付に座る。
「ここに手をかざしてくさだい。えーっと、今、能力を診断しますね」
さぁ、パラメーターカンスト、魔法使い放題、お金MAX、ドンとこい!
「能力値は平均ぐらい、特異能力は、、、自動翻訳機能ですね」
は?自動翻訳って。たしかに、日本語伝わるなとは思ったけれど。能力も平均?なんのためにここに来たと思ってるんだ。
「あの、異世界転生ってよくあるんですか?」
「ええ。一日に1000人程度。この町の殆どは異世界転生でいらっしゃった方ばかりで。」
「じゃあ、チート能力とか、モンスターとか」
「たしか、初めてこの地に転生してきた人が、パラメーターMAXで特異能力はすべての特異能力をつかさどる能力?だったとか。その人のおかげで、この国のモンスターはみーんな死にました」
「・・・・・・・」
言葉が出てこない。転生すれば、おのずとチート能力がもらえて、自然と女の子がよって来るものだと。
「手続きはこれで終わりです。そんなに落ち込まなくても。この国では特別なステータスや能力が無くても、生きていけますから。」
「そうですか。ありがとうございました」
現実は甘くないのか。。。。。頭が痛い、今日はおばあさんの家に戻ろう。
「手続き終わりました!」
「そうかいそうかい。手続きが終わったのなら一安心だね、楽しく過ごすんじゃよ」
「はい。家へ戻りましょう」
「え?もう手続きがすんだらぼうやはこの国の市民なんじゃから、寝床も探さねばならん。さっき渡された袋に小銭が入っておるから、今日はそれで宿屋にとまるんじゃ」
「明日以降はどうするんですか?」
「働くしかないねぇ^^」
お婆さんの笑顔が怖い。転生してまで働かなければいけないなんて。より頭が痛くなってきた。今日は宿屋で寝よう。