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第9話 ~通らぬ道~(後編)

■成分・ この物語は作者自身の身に起こった事を忠実に盛って作成されています


■効能・  本製品は、暇な時間の緩和に効果を発揮するアレですよアレ。


■用法・ 容量・本製品は1日1ページ位を目安に御使用ください。


■注意・ 用法・容量をキチンとお守りください。もし、次の症状があった場合は直ちに使用を避け一部の症状が現れた場合、医師とご相談下さい

目の充血、目のかすみ 眠気(スリープ) 破壊衝動(バーサーク) 狂喜乱舞(コンフュージョン) 作者への誹謗・中傷(ここ重要)


第9類医薬品.?

 それは墓地を抜けた大通り脇から感じられた


 振り向いた先に居たのは一人の男


 その男はやけに不気味で葬儀に着てくる様な黒一色の服装を纏い、数十メートル程後ろの物陰からジッとこちらを眺めている


 本当に何もかもが不気味な男であった


 その時、オイラは「あれ?」と思った


 なぜなら男の立つ場所に何やら違和感のようなものを感じとったからだ


 その答えはすでに分かっていた


 それは至って簡単、男の立っていた場所にあった


 何故なら男の立っていた場所


 そこは植え込みの中だったのだから


 普通に考えてあり得ない


 植え込みと言ってもそれも腰位まで低い木々が茂っている植え込みの中


 別に植え込みの中に人が立つ事が出来ないと言うわけではない


 無理して入れば入れない事は無い


 しかし無理してまで入り込む所であろうか?


 そんな疑問が浮かぶ


 下手をすれば枝で足を怪我してしまうかも知れない


 オイラはそんな男の事を無視する様にと再び前を向くと無視する形で家へと帰った 


 あれから幾人かの友達と別れて家へと到着


(しかし何だ?。この胸の奥から感じる小さな違和感は……)


 オイラはこの時、この違和感がナンだったのかまたしても思い出す無く……


 就寝した――




 この日の塾からの帰り道


 オイラはいつも嫌がる友達を引き連れて墓地ルートへと突入していた


 何故なら今日はオイラの他にも味方が居たからからだ


『皆で帰れば墓地の道も別に怖くなんて無いよ!』と励ましてくれる


 まぁ……オイラ的には皆が居なくて一人でも別に怖くなんて無いが


 別段、見える訳でも無いし


 そんな事をよそに無理やり来させるオイラと仲間たち


 そんな訳で渋々と言った感じで、その友達も今日は墓地のルートで帰る事を了承してくれた


 来る時は皆バラバラ


 だが最近では近道になるからとオイラは来る時にもその道をよく使う


 日が差している日中と夜とではまったく違う顔を見せる道のりではあった


 見知った風景、見知った通り道、そして見知った墓地を通り抜ける


 別段、怖がる必要もない


 今日も線香の匂いを満喫する。


(最近は結構この香りに心が落ち着くよ・・・)


 そんな事を考えながらも墓地を抜けた先には……


 やはり……


(いた……!!)


 そこには薄気味悪い男が立っていた


 植え込みにジッと佇む不気味な黒い影


 オイラはその男が立つ場所を指しながらも家が近所だと言う友達にあそこが何なのかと尋ねてみた


「あの辺りって何かあるのかな?」


「ん?。どこどこ?。あぁ、あの辺りは結構事故が多いいんだよ!」


 オイラの問いにすんなりと答えが返ってくる


 その場所は緩やかなカーブになっておりスピードを出しすぎた車が事故を起こしやすいとの事だった


 少し前にも事故があったらしい


 友達はオイラの指さし示す場所を見ながらそう答えてくれた


「ふ~ん!!」


 今もオイラの指し示す場所には男がジッと立っている様に見える


 しかし友達には男なんぞ見えていな様子であった


 まるで無視するかのように話しかけてくれる


 やがて皆は家へと帰って行く為……一人、また一人と数を減らしてゆく


 そして帰宅してからの言いようの無い違和感


 この時のオイラは気づいてはいなかった


 この違和感が何かという事を――




「今日も墓地から帰ろう!!」


 オイラの提案に嫌そうな顔をする一人の友達


 だが、オイラは知っている


 この友達は嫌がってはいるが皆がこのルートを使えば仕方なく一緒に帰るという事を……


(ニヤリ・・・)


 なのでオイラはまず初めに皆を抱き込んだ


「今日も近道して帰らないか?」って……


 その為、あれほど嫌がってた友達も渋々ついてくる


 予想通りの展開だ


 そして墓地を抜ける


 墓場を抜け出るとまたしても奴はそこにいた


 脇道から出てきたおいら達の方をじっと見つめる謎の喪服姿の男 


 その時、何処か違和感を感じるオイラ


 オイラの口から思わず言葉が零れ落ちた


「頭が……無い……」


 オイラが呟く


 その時だった!!


 オイラが目を見張る中、近くに居た友達がその様子に気が付いて答えを返した


「あぁ、もげたんじゃない?」


 結構普通に答える友達


(あれ? 誰も怖がらない!!)




 そう!!


 実は――!!


 何故なら答えは簡単、だってあれは只の警察官の恰好をした人形だったのでした!!


 事故が多い為かドライバーに注意を促す為に設置された警察の人形


 白いヘルメットに黒い制服を着ている


 街灯もあまりない為かライトに照らされると一瞬、ドキリとさせられる

 

 その姿を確認しながら「いつも大変だねぇ~」等と思ってしまう


 墓地を抜ければやっぱり立っている男が一人


 初めて気付いた時は驚いた


 だからこそ常々思ってしまう


 不気味だからこんな所に警官の看板を置かないでくれって……


 暗い夜道で見ると思わず「ぎょ!」としてしまう


 そして今では普通に帰っている脇道を使用しての近道ルート


 友達になぜあの時あんなに嫌がったのか聞いてみれば……


「だって、墓地の中を通るって不気味じゃん!」だそうだ


 全くもってごもっともである




 オイラは更に思い出した事がった


 それは、どの位早く帰れるかを計っていなかったという点だ


 オイラ、うっかり!!


 これ、結構……重要!!


 時間を計っておくのを忘れてしまったのは痛恨のミスだ


 そして因みに……やはり近道ルートは数分間の時間短縮になりました


 違和感の正体に気づいてよかった、よかった!!


 時間を計って家に帰宅した時はビックリしたものだ


 今まであの近道を使わずにいたのはもったいなかった


 こうして今日も何事もなく一日が過ぎていく


 何事も普通が一番である。普通なのが……


 えっ? お化けの話じゃないのかって?


 そんなのオイラに霊感なんてものは無いのだから当たり前じゃん!!

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