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第3話 ~テストの妖精~

■成分・ この物語は作者自身の身に起こった事を忠実に盛って作成されています


■効能・  本製品は、暇な時間の緩和に効果を発揮するアレですよアレ。


■用法・ 容量・本製品は1日1ページ位を目安に御使用ください。


■注意・ 用法・容量をキチンとお守りください。もし、次の症状があった場合は直ちに使用を避け一部の症状が現れた場合、医師とご相談下さい


目の充血、目のかすみ 眠気スリープ 破壊衝動バーサーク 狂喜乱舞コンフュージョン 作者への誹謗・中傷(ここ重要)


第3類医薬品.?


 あれは忘れもしない 高校三年生の時に行ったテストの最中


 教壇に立つ先生の「テスト始め!!」という言葉で皆が一斉にペンを走らる。


 カッカッと心地いい音を響かせながら静まり返った教室に、ペンを叩きつける音だけが虚しく響く


 そんなある時だった――


クスクスクスクス……


 突然、誰かの笑い声がした気がする


 その声はどこか、オイラの耳元で囁いている様な感じがした


 一体どこだ?


 そうは思うが今はテスト中、余所を向いている場合じゃない。


 オイラは辺りをキョロキョロと見渡したくなる衝動をグッとおさえ、再びテストに集中する事にした


 難しい難問などはテストに集中しなくてはならない


 一心不乱に回答用紙に答えを埋めにかかる


 しかし、また――


クスクスクスクス……


 あの笑い声が聞こえてきた


 それは憎たらしい笑みを秘めたかのような、人を小馬鹿にしたかのような含みの笑顔を思い浮かべた


 だが、少し腹が立つが今はテスト中


 オイラはその笑い声を無視するかのように再びテストへと集中していった


 しかし、あの笑い声はまたやってくる


 それはまるでオイラをあざ笑うかのような小さな笑い声


 誰かがオイラを見てあさ笑っている?。そんな気がする


 その時、何者かの視線を感じた


 何処からか感じる謎の視線。そこにオイラは悪戯好きのピクシーの姿を連想させた


 オイラをじっと見て笑い続ける小妖精ピクシー


 憎たらしい!!。そして、なんと腹立たしい


 しかしそんな事を考えている暇などは無かった。


 今はテスト中なのだ。集中……集中……!!


 オイラは再びテストへ集中する 


 何せテストに集中しなくては点数が悪くなってしまう。赤点でも取ったら目も当てられない


 だが――


クスクスクスクス……


 尚も聞こえる笑い声。本当にしつこい


 オイラはそれを無視するように答案用紙を埋めに掛かった


 すると今度は――


『ぶわぁ~か・・・』


ブチッ・・・


 オイラの中で何かが切れそうになった。


 一瞬、こめかみにも青い筋が浮かぶ


 そしてオイラの集中をかき乱す声


 これはただ事ではない。そう思った


 幻であろうが何であろうが確実にこの声はオイラの精神を削り取ってきていた


 オイラは精神を落ち着かせ、腹を立てながらもテストへと集中していく


『クスクスクスクス……ぶわぁ~か……』


 更に容赦のない声が聞こえた


 この、人を小馬鹿にしたかのような声


 その声に少しイラついていた


 〝ブチ、ブチ!!″と、声が聞こえる度にこめかみに青筋が浮かぶ


 だが、今はテスト中なんだ!!。そう、自身の心へと言い聞かせると、オイラは心を平常心へと保ってゆく


 声はその後も断続的にオイラの耳に届いた


 何処か此方をおちょくっているかのようで、むかつく声


 妖精の声は止まらない。静かな教室の中で妖精の声だけが響いて聞こえる


 やがて、テストを終了し終えたオイラは「ホッ。」と一息


 幾分か、時間よりも早く終えることが出来た


 そこで初めてオイラは目の前にいた者と目と目が合った


「よっ!!」


 イラつく掛け声の主


 その相手は事もなげにこちらを向いている


 だが敢えて確認の為に言っておこう


 未だテストの最中だという事を……テスト時間はまだ終わっていないのだ


 では、此方を向く人物とは誰ぞや、という話になってくる


 目の前には豚がいたのだ。オイラの目の前に太った豚がいた


 妖精でもなんでもない醜いオークがいたのだ


 思わず自分でも唇の端が引きつってくるのが分る


(このオーク!!)


 思わず心の中で罵り声を上げる


 やがてテストの終了を告げる鐘の音が鳴る


キ-ン コ-ン

  カ-ン コ-ン・・・


 それを合図に答案用紙が回収されて行く


 辺りを確認し、全ての答案用紙を回収し終えた先生が教室を退出していった


 オイラは内心、心に怒りを秘めながらも、前の席に座っているオークへと呼びかけた


 と、同時に奴の周囲に居た者達も一斉にこちらへと振り向いてきた


 そして皆で一言―――


「「「お前、うるさいんだよ!」」」  


 実はこのオーク、オイラの目の前に座っている前の席の人物であったのだ


 しかもこのオークは、皆から受ける苦情を前に……


「テスト中に余所を向いて答えを書き直したらカンニングになるけれど俺は解答用紙をひっくり返してその後、何もしていないから何をしようともカンニングにはならないんだよねぇ~。それに自分の答案用紙に触れてもいないし担当の先生も何も言ってこないのだから問題ないんだよ!!。ばわぁ~か・・・。」



 まるで悪びた様子もなく堂々とした感じで居直っていた為、みんなのハラワタも煮えくり返ったであろう


 どうやら周りの皆も奴の声に、結構、迷惑していたようだ


 確かにあれは腹が立つ


これだから頭のいい成績優秀者は……


 いくら成績が優秀だからと言ってあれでは皆の怒りを買っていたのは言うまでも無い事だろう


 ついでにこのオーク、クラスの成績はトップである


 性格は別として――



この作品は過去に短編小説として掲載された物を加筆・修正し連載物として変態した作品です



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