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第2話 ~地下での恐怖~

■成分・ この物語は作者自身の身に起こった事を忠実に盛って作成されています


■効能・  本製品は、暇な時間の緩和に効果を発揮するアレですよアレ。


■用法・ 容量・本製品は1日1ページ位を目安に御使用ください。


■注意・ 用法・容量をキチンとお守りください。もし、次の症状があった場合は直ちに使用を避け一部の症状が現れた場合、医師とご相談下さい


目の充血、目のかすみ 眠気スリープ 破壊衝動バーサーク 狂喜乱舞コンフュージョン 作者への誹謗・中傷(ここ重要)


第2類医薬品.?


 これはオイラが勤めていた会社でのある出来事である


 この日、とある要件で会社の地下にある倉庫へと赴いた時の事


 乗っていたエレベーターの表示が地下を示し、扉が開く


 エレベータ―から降りたオイラを出迎えたのは、なんと薄暗い闇と静まり返った地下に響く切れかけそうな蛍光管の音だけだった


ジジジジジ……ジジジジジジ……


 静まり返った地下で、不気味に蛍光管から発せられるノイズ交じりの音


 突然、喉の渇きを覚えたオイラはエレベーター前に設置されている自動販売機へと目を向けた


 自販機の周りが妙に明るい


「さて、何を飲むかな……」


 オイラは、自動販売機へと近づくと、ざっと料金を確認する


 自販機に掲げられている金額は大体が百二十円程


 オイラは小銭入れからコインを取り出すと、投入口と書かれた横穴に3枚のコインをチャリン、チャリン、チャリン……と、入れていった


 自販機のボタンにライトが灯り、ディスプレイに飾られている品々を物色する


 お目当ての缶コーヒーを見つけたオイラは早速とばかりにその下にあるボタンをポチリと押した


ガタン・・・


 自販機から出てくる某有名缶コーヒー〝○SS″


 オイラは取り出し口から、そっとそのコーヒーを取り出すと早速とばかりに缶のプルトップを上げて一口、コーヒを啜った


 そしてふと気が付くと、何処からか聞こえてくる微かな金属音


ガシャン……ガシャン……


 何の音だろうか?


 訳が分からず辺りを見渡すオイラ


 だが何もない


 薄暗い地下で、静かに金属同士がぶつかる音がする


ガシャン……ガシャン……


 その音はまるで、金属製の鎧どうしが擦れる音の様にも聞こえた 


 恨めしそうな落ち武者の姿が頭の中に浮かぶ


 青く血の気を引いた顔を向けながら体を引きづり徐々に此方へ近づいてくる落ち武者の姿


 不安に駆られたオイラは奥に見える暗闇へとジッと目を凝らして奥を覗き見た


 奥に広がるのは無限にも見える暗闇だった


 その時――


「あっ、ゴキブリ……」


 隅の方で何か黒いGが動くのを確認した 


 だが、今のは見なかった事にしよう


 電気のついていない奥の方には深い暗闇が広がっているだけだった


ガシャン……ガシャン……

 ガシャン……ガシャン……


 音はまだ断続的に響いている

 

 音の発生源は何処?


 暗闇を音だけが走る


ガシャン……ガシャン……

 ガシャン……ガシャン……


 鳴り響いていた音がやがては〝シーン……″と鳴り止んだ


 突如、不気味に静まり返る辺り一帯


 体が思わずブルッと震えだす


 地下室独特のヒンヤリとした湿気、そして何処かカビ臭い匂いがオイラの鼻を刺激する


 もう一度、辺りを見渡す。だが、特に何もない……何も見えない


 音は割とすぐそばで鳴りやんだ気がした


 オイラは、これは気のせいだと頭を振って記憶の片隅へと追いやる事にした


 そこでふと、オイラはある事を思い出した。 それはこの音に関わる、ある出来事である


 それを思い出した時、まさかという思いで体が再びブルリと震えた


 それが何かと尋ねられれば敢えて言わない方がいいだろう


 視線を下へと向ける


 するとそこには――


「そんな馬鹿な……」


 オイラの口から思わず言葉が漏れた


 今思い出してもそれはとても信じられないものだった


 それがオイラの瞳を捕えて離さない


 それはとても、とても衝撃的な事


 先程まで響いていた不気味な音の正体


 それは――


「520円入れて、お釣お釣りが全て10円玉だと――――!!」


 オイラが悲鳴を上げる。


 釣銭を取ろうとしていた手もピタリと止まった


 ついに明かされる音の正体――


 それは、な、な、なんと!!。自動販売機から出ていた釣銭のぶつかる音でした~


 おつり返却口に貯まった茶色の山


 40枚の十円玉がおつり返却口にズッシリと貯まって見える


 小銭入れにしまうとやっぱりズッシリと重い


 オイラはコーヒーを飲み干すと重くなった小銭入れをポケットにしまい、ぼやいて見せる


「本当に重い…… 落ち武者の幽霊でも現れたら面白かったのに……。まっ、そんなの居る訳がないか!!」


 こうしてオイラは要件を済ます為に鼻歌を響かせながら奥の暗闇に消えていったとさ


 しかしこの時のオイラは気づいていなかった


 明るいのはエレベーターの周りだけ、奥の方は照明が付いていない事に


 奥には真の暗闇が広がっていた


 その暗闇に向かって歩き出すオイラ


 そしてまた一言……


「スイッチどこよ……」


 因みにだが、倉庫に入れば照明のスイッチ位あるだろうという軽い気持ちと、何処か途中にこの地下室の照明も見つかるのでは?。という甘い予測で動いていたのだが、地下の照明スイッチはまるで見つからなかった 


 仕方がないので倉庫の扉内にあるスイッチで用をすませる事にした


 そして地下の照明スイッチがエレベーター脇にあったに気が付いた時、オイラは叫ぶ


「スイッチこんな所にありやがった――!!」

 

 もちろん見つけた時は既に全ての要件を終えて戻って来た時であった


この作品は過去に短編小説として掲載された物を加筆・修正し連載物として変態した作品です


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― 新着の感想 ―
[良い点] 笑っちまったよ。 [気になる点] いきなり用法を破ってしまったのですが、今のところ副作用はないようです。
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